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NISA(ニーサ)と積立NISAはどっちがおすすめ?口座の区分変更についても解説

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2014年から施行されたNISA(ニーサ)と2018年から始まった積立NISAは、投資の利益が非課税となる税制優遇制度として多くの投資家に利用されていますが、どのように選んでいけばよいのでしょうか。今回はNISA・積立NISAのメリット・デメリットと、双方間の区分変更の切り替え手続き、iDeCo(イデコ)との併用についても解説します。NISA・積立NISA・iDeCoのメリットを理解し、自身の資産運用に効果的に活用していきましょう。

NISAと積立NISAについて書かれた本の画像

NISA(ニーサ)と積立NISA、どちらを選択するべきか

2014年から始まったNISA(ニーサ)は、投資の利益が非課税となる税制優遇制度です。一方の積立NISAは、2018年に長期・積立・分散投資を目的に施行されたNISA制度です。両者とも、資産の運用益を非課税にて受け取ることができるNISA制度の1種類ですが、どういった点が違うのでしょうか。どっちが得な資産運用を行うためにベストな選択なのでしょうか。

NISAとは?初心者でも分かるNISA解説。種類と運用時の注意点

NISA(ニーサ)と積立NISAの併用は不可

NISA制度は、ひとり1口座しか保有することができません。これは全ての金融機関を含めてひとり1つです。そのため、NISAと積立NISAを併用して資産形成を行うことはできません。どちらかひとつを選択して利用することになります。

参考:つみたてNISAの概要(金融庁公式サイト)

NISA(ニーサ)のメリット

20歳以上の日本居住者であれば誰でも口座開設が可能なNISA(ニーサ)は、利用することでどのようなメリットを享受することができるのでしょうか。ここからは、NISAを自身の資産形成に活用することで得られるメリットをお教えします。NISAのメリットを活用して効果的な資産運用を行っていきましょう。

非課税

NISA(ニーサ)では、非課税期間と言われる一定期間内の5年間のうちに、年間の投資上限金額である非課税枠内から行った投資の利益が非課税となります。通常証券口座から行った投資の場合は資産運用益に20.315%(*1)が課税されますが、NISAであれば一切課税されません。

例えば、NISA口座にて年間で10万円の利益が生じた場合、投資家が10万円の利益をそのまま受け取ることができますが、通常証券口座の場合には20,315円が税金として引かれ、投資家の手元には79,685円しかのこりません。この税額は運用益が高額になればなるほど引かれることになり、NISAを活用すると利益額に応じてお得になります。

(*1:所得税15.315%、住民税5%。この所得税には「復興特別所得税」として0.315%が含まれています。)

年間投資額が大きい

年間投資額とは、NISA制度を活用して投資を行うことで利益が非課税となる期間、非課税期間内において1年毎に設定されている投資上限額のことです。この年間投資額はNISAにおいて「非課税枠」と言われ、NISAでは年間120万円が設定されています。

年間120万円の非課税枠は、全3種類ある積立NISAやジュニアNISAに比べて非常に高額となっています。

参考:NISAの概要(金融庁公式サイト)

ロールオーバーにより非課税期間が10年になる

ロールオーバーとは、NISAの非課税期間終了時に投資家が講じることができる非課税期間の延長措置のことです。非課税期間終了時に新たなNISA口座を開設しそちらに資産を移管、新しいNISA口座の非課税期間を適用することで非課税期間をさらに5年間延長して最大で10年間、非課税メリットを享受することができます。

ロールオーバーは、一般NISA口座でのみ行うことが可能な制度で、ロールオーバー後の口座にて非課税適用を受けながら新規買付けを行うことができる非常に魅力的な制度です。

参考:NISAのポイント(金融庁公式サイト)

NISAのロールオーバーとは?概要やデメリットと上限撤廃のメリットを解説

NISA(ニーサ)のデメリット

上述のようなメリットがある一方で、投資家によっては故意的にNISA(ニーサ)を利用しない場合も少なくありません。投資の利益を非課税にて受け取ることができる大きなメリットがあるにも関わらず、なぜ使用しないのでしょうか。ここからはNISA不使用の理由となっている、NISAのデメリットを説明します。

損益通算ができない

損益通算とは、投資家が保有する複数証券口座において、ある1年間で発生した利益と損失を合算してその年の利益・損失を確定されることです。利益と損失を合算することで、他証券口座にて生じた損失を利益額にて相殺することが可能となり、投資家にとっては非常に便利な制度です。

しかし、NISA口座では損益通算を行うことができません。ある1年間でNISA口座から生じた損失は投資家がそのまま負担することになります。

参考:損益通算(国税庁公式サイト)
参考;NISAのデメリット(金融庁公式サイト)

繰越控除できない

繰越控除とは、非課税期間内のある1年間でNISA口座から発生した損失を翌年に持ち越すことができる制度です。損失を翌年に繰り越すことで、翌年の投資にて生じた利益から前年の損失を支払うことが可能となります。

しかし、この繰越控除についてもNISA口座では行うことができず、発生した損失はそのまま投資家のマイナスとなります。

参考:損失の繰越控除(SMBC日興証券公式サイト)

運用期間が短い

NISA(ニーサ)では、最大で5年間の非課税期間が設定されています。非課税メリットを最大限活用するためには5年のなかで利益を上げなければならならず、投資初心者にはハードルが高いというデメリットがあります。また、長期的な資産形成を行いたい投資家にとってもデメリットです。

参考:NISAの概要(金融庁公式サイト)

積立NISA(ニーサ)のメリット

ここまで、一般NISA(ニーサ)のメリット・デメリットを解説しました。NISA口座から資産運用を行い、利益が生じた場合には投資家に大きなメリットがある一方で、資産が損失となった場合には救済措置を講じることができず、投資家の負担が非常に大きくなるデメリットがあります。利用を開始する前に注意点を理解してから口座開設を行うことが大切です。

非課税

積立NISA(ニーサ)でも一般NISAと同様にNISA口座から行った資産運用益が非課税となるメリットがあります。積立NISAでは、年間で40万円までの投資資金から行った投資の利益を非課税にて受け取ることができます。通常証券口座での投資の際に引かれる、20,315%の税金がなくなるため、非常に大きなメリットです。

少額から投資できる

積立NISA(ニーサ)では、金融機関ごとに最低投資可能額が異なりますが、少額投資が可能です。例えば、ネット証券会社の最大手SBI証券では、積立NISA口座においては100円からの積立投資が可能で、楽天証券でも同様に「投信積立」として100円からの積立投資が可能とされており、多くの投資家に利用されています。

まとまった投資資金を用意することができない投資家や、知識が少ない投資初心者にとっては、投資のハードルが下がるため大きなメリットです。少額での積立投資の際には、毎月定額が指定口座から自動で引き落とされることが多く、投資家の手間が減るという点でもメリットです。

参考:はじめよう!つみたてNISAとiDeCoでしっかり節税生活!?(SBI証券公式サイト)
参考:投信積立(楽天証券公式サイト)

初心者でも商品が選びやすい

積立NISA(ニーサ)では、非課税適用を受けてNISA口座から投資することができる金融商品、つまり投資対象商品が金融庁によって指定され、金融庁の厳しい基準をクリアした投資信託(*1)に限って資産運用を行うことが可能となっています。金融庁の現在市場にある12,281本(*2)の投資信託のうち、積立NISA口座から運用可能なファンドは162本(*3)となっており、非常に少ないです。

投資初心者にとっては投資先である銘柄やファンド選びが投資の難点となりますが、積立NISAでは予め金融庁が安全な投資信託を厳選してくれているため、投資先に悩むことが少なくなります。

(*1:資産運用の専門家が様々な投資家から資金を集め、投資家に代わって運用を行う金融商品のことです。)
(*2:一般社団法人投資信託協会、2018年10月投資信託の全体像より。)
(*3:金融庁つみたてNISA対象商品一覧より。2018年11月14日現在。)

参照:つみたてNISA対象商品届出一覧(金融庁)
参照:つみたてNISAの対象商品の要件 平成29年6月(金融庁)
参考:投資信託の全体像(一般社団法人 投資信託協会公式サイト)

積立NISAのデメリット

長期的な分散投資によって資産形成が可能な積立NISAは、NISAと同様に利用によって投資家のデメリットとなることもあります。非課税期間が20年と非常に長いため、デメリットとも長期的に付き合っていくことになります。積立NISA利用開始前にきちんと確認しておくことが大切です。

参考:つみたてNISAの概要(金融庁公式サイト)

年間投資上限額が少ない

積立NISAは、長期的な分散投資を目的として施行された制度のため、年間の投資上限額が40万円と非常に少額です。年間の投資上限額は、NISA制度では「非課税枠」と言われ、一般NISAでは積立NISAの3倍の年間120万円となっています。非課税枠が小さいことで投資可能な資金が限られ、それに伴って生じ得る利益の金額もある程度に限定されてしまいます。

投資対象が少ない

メリットの際に述べた通り、積立NISAでは投資対象が投資信託に限られ、さらにファンドについても162本と限定されています。NISAの非課税メリット利用しながら様々な金融商品へ幅広く投資したい投資家にとってはデメリットとなります。

参照:つみたてNISA対象商品届出一覧(金融庁)

損益通算ができない

一般NISA口座から行うことができない損益通算は、積立NISA口座においても行うことができません。積立NISA口座から資産運用を行い、損失が生じた場合には投資家がそのまま赤字を負担しなければなりません。また、繰越控除についても積立NISA口座では行うことができません。

一般NISA同様に、積立NISAを利用して行った投資から損失が発生していても、投資家に対する救済措置を講じることができません。

参考:損益通算(国税庁公式サイト)

NISA(ニーサ)に向いている人

NISA(ニーサ)のメリット・デメリットを見てきましたが、年間120万円以内から行った投資の利益が非課税となる非常に魅力的なメリットがある一方で、投資家が重い負担を背負うリスクが潜んでいます。一体この税制優遇制度はどのような投資家に向いているのでしょうか。NISA利用に最適な2パターンの投資家を解説します。

株式投資経験者で、相場の変動に合わせて柔軟な買い方をしたい方

NISAでは、年間非課税枠の120万円以内であれば、株式や投資信託など多種多様な金融商品へ投資することが可能です。そのため、NISA利用以前に投資経験があり、非課税枠を活用して様々な金融商品へ投資を行うことで、経済環境の変化によって日々上下する株式市場の相場変動に応じて自由な投資を行うことができます。

リスクをとって投資をしたい方

年間120万円の非課税枠は、全3種類あるNISA制度のなかで最大の非課税枠となっており、この120万円を消費して大きな利益を得ることで非常に大きな非課税メリットを享受することが可能となります。ただし、投資にリスクは付き物でハイリターンの場合にはハイリスクとなることもきちんと理解しておきましょう。

積立NISA(ニーサ)に向いている人

一般NISA(ニーサ)に最適な投資家の2モデルを解説しました。では、一般NISAに比べて一部特徴などが異なる積立NISA口座の場合はどのような投資家に向いているとされるのでしょうか。ここからは、積立NISAに最適な投資家モデルを3種類ご紹介します。

株式投資初心者

積立NISAのメリットでもありデメリットでもある積立NISAの投資対象は、金融庁の基準をクリアした一定の投資信託のみに投資可能となっています。一般NISAの銘柄選びの際には非常に沢山ある株式や投資信託のなかから自身に最適な銘柄やファンドを見極めて投資する必要があり、投資初心者にとっては非常にハードルが高いですが、積立NISAでは既に金融庁が安全と認めた投資信託が既に厳選されているため、投資先の選び方が分からない株式投資初心者にとってメリットとなります。

さらに、少額での積立・分散投資を行うことで金融商品の購入タイミングが自然にずれ、保有ファンドがいきなり値下がりした場合でも投資家が被る可能性のあるリスクが軽減されるというメリットもあります。

積立投資でじっくり運用したい方

積立NISAは長期的な投資を目的に施行されたNISA制度のため、非課税期間が20年間と非常に長くなっています。また、NISA制度の非課税枠は非課税期間内の1年間で1度しか使用することができないため、まとまった投資資金を1度に用意することができない投資家でも、一定期間内に売買を繰り返すことで年間の非課税枠を消費することができます。

例えば、非課税期間内のある1年において積立NISA口座から1万円分の投資商品を購入し、1ヶ月以内に売却し、翌月に再度1万円を投資資金として資産購入を行うことで、投資資金自体は1万円しか用意していませんが、非課税枠は2万円消費することができます。積立NISAでは年間の非課税枠が40万円なので、毎月の頻度で売買を繰り返す際には、毎月33,333円を上限に行うと丁度1年間で非課税枠を使い切ることができます。

さらに、積立NISAでは投資商品の購入が積立に限定されていますが、毎月の積立額(購入額)を非課税期間の途中で変更することができます。ライフスタイルの変化などに応じて現金が必要となった場合に、非課税期間内に投資信託を解約(*1)することもでき、一部投資信託のみの解約も可能です。

積立投資を長期的に行いたい投資家にとって、積立NISAにおける積立投資スタイルや20年間もの非課税期間はベストなNISAと言えるでしょう。

(*1:投資信託を現金にて引き出すことです。)

参考:取扱商品について よくある質問(SBI証券公式サイト)

中長期で資金が必要な方

一般的に、投資による資産形成は50年単位など非常に長期に渡って行なわれますが、積立NISAでは20年という非課税期間が設定されているため、中長期的な資産形成に使用されることになります。20年後などに資産が必要となる場合は、積立NISAの非課税期間や非課税枠を自身の中長期的な資産形成に役立てることができます。

NISA(ニーサ)・積立NISA共通の注意点

NISA(ニーサ)と積立NISAのメリットやデメリットを解説しましたが、両者とも制度施行の目的から一部異なる点はありますが基本的な制度自体の性格は同じです。そのため、どちらを利用する際にも同様の注意点があります。NISAも積立NISAも、非課税適用を受けて投資を行うことができる非課税期間が設定され、この非課税期間終了時の保有資産が含み損(*1)となっている場合に投資家の対応によって負担を背負う可能性があります。非課税期間終了時の対応には2点あり、投資家自身が対応を自由に選択することができます。

  • 売却
  • 課税口座へ移管
  • この2点に加えて、一般NISAでは「ロールオーバー」を行うことができます。「売却」とは、NISA口座での保有資産を非課税期間終了に伴って全て売却する方法です。一方の「課税口座への移管」は、通常証券口座へ保有資産を移管することで、移管時点の資産価格で課税口座へ移管されるため、特に投資家が注意したい対応となります。投資家が注意すべきパターンは少し複雑ですので、NISA口座にて非課税期間内に100万円の資産を購入したケースで考えてみましょう。

    例)

  • 非課税期間終了時の資産額が80万円へ値下がり
  • 移管時点での資産価格にて課税口座へ移管されるため、この資産価値は今後80万円となります。

  • 課税口座移管後、90万円に値上がりした時点で売却
  • 当初の購入価格100万円から10万円の損失が発生していますが、移管によって資産価値は80万円と扱われるため10万円の利益が生じているとされます。そのため、課税口座にて10万円の利益が発生したとして20,315%(*2)が課税されます。

    結果的に、100万円の資産を90万円にて売却し10万円の損失を被ったうえに、さらに課税されることとなります。

    (*1:売却前の資産が損失状態にあることです。)
    (*2:所得税15.315%、住民税5%。この所得税には「復興特別所得税」として0.315%が含まれています。)

    参考:NISAのポイント(金融庁公式サイト)

    NISA(ニーサ)と積立NISA間の変更

    NISA(ニーサ)と積立NISAの基礎事項を見てきました。ここからは、NISA口座と積立NISA口座間でのNISA口座における種類の切り替えについて見ていきます。自身の投資スタイルの変化から、より効果的な資産運用を行うために口座切り替えを自由に行うことはできるのでしょうか。

    双方の変更は可能

    NISA・積立NISA口座同士で非課税期間内に口座切り替えを行うことができます。これは両者どちらからも行うことができますが、変更したい年に変更前のNISA口座にて1度でも取引を行っていた場合にはその年に口座変更を行うことができません。さらに、変更したい年の9月末までに変更手続きを完了させておく必要があります。10月1日以降の手続きについては翌年以降の口座切り替えとして扱われることになります。

    現在のNISA口座はどうする?

    実際にNISA口座から積立NISA口座への区分切り替えを行う際に、投資家は現状NISA口座での保有資産に対して3点の選択肢から対応を講じることができます。

    1. 売却する
    2. 課税口座へ移管する
    3. 5年の期間まで運用する

    それぞれの対応によって税金などの投資家の負担が異なります。それぞれの対応について解説しますので、きちんと理解しておきましょう。

    1.売却する

    現状NISA口座での保有資産を全て売却する方法です。NISA口座からの売却になるため、売却益は非課税にて受け取ることができます。売却によって得られる現金は指定した金融機関の口座へ振り込まれます。

    2.課税口座へ移管する

    課税口座とは、特定口座(*1)や一般口座(*2)といった通常証券口座のことで、NISA口座から通常証券口座へ移管する方法です。NISA口座に対して資産運用益が課税対象となるため、課税口座と言われます。

    課税口座への移管は、移管時点の資産価値で課税口座へ移管され、その後も資産額は移管時の価格として扱われます。

    (*1:一般口座に比べて確定申告の際の手間が軽減されている証券口座です。)
    (*2:ある1年の投資の利益を算出し、税額を確定して納税までの一連の手続きを全て投資家が行う証券口座です。)

    参考:特定口座(SMBC日興証券公式サイト)
    参考:一般口座(SMBC日興証券公式サイト)

    3.5年の期間まで運用する

    現状NISA口座での保有資産は、5年間の非課税期間の間であれば資産保有が可能です。そのため、積立NISA口座に切り替えた後も切り替え前のNISA口座にて資産の継続保有が可能となっており、年単位で使用NISA口座の種類を変更することも可能になります。

    例えば、2016年から一般NISA口座にて資産運用を行い、2018年から積立NISAに切り替えた場合に、2018年から一般NISA口座にて資産を継続保有していると翌年の2019年の1年間に再度NISA口座を利用した投資を行うことができます。NISAと積立NISAは、年単位で同年に2種類の併用が不可能なだけで、1年ごとに切り替えて活用することが可能なためです。このケースでは、一般NISAの非課税期間である2021年までは投資家自身が毎年自由に使用NISAを選択して資産運用を行うことができます。

    切り替えタイミング

    NISAと積立NISA口座の区分変更について見てきましたが、切り替えタイミングについて注意点があります。基本的にはいつでも投資家が自由に切り替えを行うことができますが、条件もあります。ここからは切り替えの際に注意しておきたい2点をお教えします。

    その年に一度でも買い付けすると切り替えはできない

    NISA口座切り替えを行いたい年に、現状NISA口座にて1度でも取引を行っているとその年内に口座切り替えを行うことができません。特に、毎月の積立投資を口座からの自動引き落としにて行っている投資家は、自身の知らない間に買付け取引が行なわれていることになるため、切り替えを行いたい場合には設定を変更しておくことが大切です。

    9月末が目安時期

    多くの金融機関では、NISA口座の切り替え期限の目安が9月末となっています。基本的には9月末までに手続きを完了させておく必要があり、必要書類の準備等に時間や手間がかかることから、余裕をもって切り替え手続きを行うことが大切です。10月1日以降の手続きは、翌年以降の切り替えとして扱われ、NISAから積立NISA、積立NISAからNISAの料パターンともこの期限は同じです。

    参考:金融機関変更/勘定変更による2018年のNISA口座開設期限のお知らせ(SBI証券公式サイト)

    切り替え手続き

    ここからは、NISA口座の区分切り替えの具体的な手順を楽天証券とSBI証券を参考に解説していきます。同じ金融機関内でのNISA口座の変更と、異なる金融機関のNISA口座切り替えの2パターンで説明しますので、必要書類や基本的な流れを理解して実際の口座切り替えの際に役立てることができるよう、準備しておきましょう。

    同じ金融機関内の変更

    NISA口座の変更手続きを行う際には、保有金融機関においてマイナンバー登録(*1)が完了しているかどうかによって手続きの手間が異なります。

  • マイナンバー登録が完了している投資家
  • NISA・積立NISA口座を保有する金融機関へ「NISA口座の変更届出書」(*2)の送付を依頼し、必要事項を記入して返送するだけで手続きは完了です。(*3)

    楽天証券では、Webログインページ「NISA・ジュニアNISA申込/受付状況」から区分変更の資料・申込書の請求を、SBI証券では「お取引・口座開設」の「NISA→つみたてNISA」もしくは「つみたてNISA→NISA」を自身のNISA口座開設状況に応じて選択し、変更をクリックすることで書類の申請を行うことができます。

  • マイナンバー未登録の投資家
  • マイナンバー登録がまだの場合は、マイナンバーの提示を行なわないとNISA口座の切り替えを行うことができません。そのため、NISA口座の変更届出書に加えてマイナンバーの分かる「通知カード」や「マイナンバーカード」のコピーを提出する必要があります。

    (*1:2016年より、証券口座開設・保有の際にマイナンバー提示が義務化されました。)
    (*2:書類の正式名称は金融機関によって異なります。)
    (*3:口座区分の変更は、金融機関に書類が到着後1〜2営業日で変更が完了します。)

    参考:区分変更方法のご案内(楽天証券公式サイト)
    参考:NISA口座開設・受入書類等 よくある質問(SBI証券公式サイト)

    別の金融機関への変更

    NISA口座の区別変更に加えて金融機関を変更する場合にも、現在保有している金融機関へ、マイナンバー登録が完了しているかどうかに応じて手続きが異なります。

  • マイナンバー登録が完了している投資家
  • 例えば、SBI証券では現在のNISA口座を開設している金融機関から「金融機関の変更届出書」を取り寄せ、必要事項を記入して返送し、金融機関から「勘定廃止証明書」を受け取ります。

    その後、新規NISA口座を開設したい金融機関に対して金融機関変更の書類請求を申込み、以下3点の書類を用意します。

    1. 非課税口座開設届出書
    2. 本人確認書類(*1)・マイナンバー確認書類(*2)
    3. 「勘定廃止通知書」もしくは「非課税口座廃止通知書」

    勘定廃止通知書は、年単位でNISA口座の金融機関を行う際に切り替え前の金融機関から受け取る書類で、非課税口座廃止通知書は、変更前のNISA・積立NISA口座を一旦廃止してから金融機関を変更して改めてNISA・積立NISA口座を開設する場合に必要な書類です。自身の状況によって必要書類が異なりますので、きちんと確認しておきましょう。

    ちなみに、楽天証券では、上述の必要書類に加えて「マイナンバー通知届出書」が送付されてくるため、こちらも記入して返送する必要があります。

    (*1:現住所の確認できる書類が必要です。)
    (*2:マイナンバーの確認できる、「通知カード」または「マイナンバーカード」のコピーのことです。既に通常証券口座を保有しており、マイナンバー登録が完了している場合は必要ありません。)

    参考:金融機関変更によるNISA口座開設(SBI証券公式サイト)
    参考:NISA口座金融機関変更方法のご案内(楽天証券公式サイト)

    NISA(ニーサ)口座は変更可能?金融機関変更のデメリットと手続きを解説

    ロールオーバーができなくなることに注意

    ここまで、NISA口座と積立NISA口座間における口座区分の変更について、保有資産への対応からタイミング、実際の切り替え手続きをお伝えしました。NISA口座の種類変更は金融機関をまたいで行うこともでき、投資スタイルに合わせて最適なNISA口座を使用することが可能です。

    しかし、非課税期間内に金融機関の変更や、NISAの区分変更を1度でも行った場合は、非課税期間終了後に一般NISA口座において「ロールオーバー」(*1)を行うことができなくなります。ロールオーバーにて非課税期間を延長することで、最大10年間、非課税メリットを享受することができる非常に魅力的な制度ですが、行うことができなくなります。

    (*1:非課税期間終了時に新たなNISA口座を開設し、そちらの非課税期間を適用することで非課税期間の延長を行う仕組みです。)

    iDeCo(イデコ)も検討する価値あり

    ここまでNISA制度について説明してきましたが、NISA制度以外にも税制優遇を受けられる「iDeCo(イデコ)」という制度があります。iDeCoは国民が私的に年金を拠出する、個人型確定拠出年金のことです。毎月、「掛金」として一定額を積み立て、指定した金融商品へ投資・運用を行うことで資産形成を行う仕組みです。

    掛金、運用益が非課税となることに加えて、60歳以降に形成した資産を受け取る際も課税されないメリットがあります。NISAだけでなく、このiDeCoを活用した資産形成を行う方法も、投資家は運用益を非課税にて受け取ることが可能となるため、有効な方法になります。ここからは、iDeCoを活用した資産形成について解説します。iDeCoについてもきちんと理解して、利用を検討してみてください。

    参考:iDeCoってなに?(iDeCo公式サイト)

    老後資金を貯めたい場合

    iDeCoは、年金の個人形成を目的で始まり、自身の老後資金を効率的に形成することができます。iDeCoは20歳以上であれば誰でも利用することができ、60歳までの間に毎月一定金額を積立てて、その資金を元手に金融商品を運用することで資産を形成する仕組みです。60歳になった時点から運用益の受取りが可能となり、自身の資産運用によって積立金額に対する受取り資産額を大きく増やすことができます。

    自身の判断によって老後資産を拡大させることが可能となるため、定年後のお金の心配が減り、老後資産を長期的に形成したい方にとってはiDeCoが最適です。

    参考:iDeCoってなに?(iDeCo公式サイト)

    NISA・積立NISA・idecoの3つを解説。お得な併用と使い分けについて

    所得控除が受けられる

    iDeCoでは、毎月の積立金である「掛金」が所得控除の対象となり、年末調整(*1)や確定申告(*2)を行うことで掛金に対してかかった税金を取り戻すことができます。

    例えば、iDeCoを利用して毎月1万円を積み立てていた場合、年間で合計12万円の掛金に対して20.315%(*3)の税金がかかっているため、24,378円(*4)の税金を取り戻すことができ、通常預金口座よりも効率的に資産形成を行うことができるメリットがあります。

    (*1:給与に対して概算で源泉徴収されている所得税と住民税について、控除対象となるお金があれば年末のタイミングで報告することで納付税額を改めて計算することができる手続きです。)
    (*2:1年間の所得額を算出し、税額を確定して実際に納税する手続きのことです。)
    (*3:所得税15.315%、住民税5%。所得税には「復興特別所得税」として0.315%が含まれています。)
    (*4:12万円×20.315%=24,378円)

    参照:年末調整のしかた(国税庁)
    参考:確定申告が必要な方(国税庁公式サイト)

    NISA(ニーサ)との併用可

    NISAは、ひとり1口座しか保有することができず、全3種類から使用するNISA口座を選択する必要があります。一方のiDeCoもひとり1口座しか開設することができません。しかし、NISAとiDeCoを併用することは可能です。

    NISA口座にて非課税メリットの適用を受けながら中期的な資産形成を行い、平行してiDeCoにて老後資産の形成を行うことができ、非常に効率的です。ただし、iDeCoは60歳になるまで一切資金の引出しを行うことができず、資金に余裕がない方はまずは積立NISAを始めてみるのが良いかもしれません。

    NISA(ニーサ)、積立NISAの違いを理解し、iDeCo(イデコ)も含めて運用を検討していきましょう

    NISAと積立NISAのメリットやデメリットなどの基礎知識と、それぞれの利用に向いている投資家のパターンを説明しました。また、NISA口座と積立NISA口座間での区分切り替えについても言及し、具体的な手続きの手順を説明しました。手続き時の注意点や現状NISA口座の保有資産への対応、さらにNISAとiDeCoの併用による効率的な老後資産形成の方法などをきちんと理解しておくことで、税制優遇制度を賢く活用することができます。

    NISA・積立NISA・iDeCoそれぞれの特徴をきちんと理解して、自身の投資スタイルや資産形成の目的に応じて併用したり、年単位で使用NISAを変更するなど賢く利用して、効率的な資産運用に役立てていきましょう。

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