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NISA・積立NISA・idecoの3つを解説。お得な併用と使い分けについて

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NISA・積立NISA・idecoの非課税という大きなメリットのある制度について解説していきます。
それぞれの利用について、重要なポイントから3つを比較し、運用の際に併用することが可能なのかもお伝えします。
各制度についてきちんと知りたい場合に役立つ本や人気のあるセミナーも紹介しますので、参考にして、NISAやidecoの活用に利用していきましょう。

NISAとideco、積立NISAについて調べる人の画像

NISA、積立NISA、idecoお得なのは?

投資の利益に税金がかからない非課税投資制度にはNISA以外にidecoというものもあります。
NISA、積立NISA、idecoは、どれも非課税のメリットがありますが、制度によって目的や特徴が少しづつ異なり、最適な制度も投資家によって違います。
一体どれを使うのがよいのでしょうか。

NISAのメリット

NISAは一定期間内に一定金額内で行われた投資から出た利益は非課税となる制度です。

120万円までの投資は非課税

NISA制度では、年間で120万円までで行った投資であれば、そこから発生した利益は全て非課税の対象になります。
運用益についてかかるおよそ20%もの税金がゼロになるという、NISA制度における最も大きなメリットです。

確定申告が不要

税金がかからないため、年末の税額調整のシステムである確定申告は必要ありません。

長期投資向け

NISAの年間120万円の非課税枠は、1度しか使うことができません。
120万円内で購入した資産を売却した場合でも、その年の非課税枠が売却分復活することはありません。

そのため、短期間で何回も売買を行うデイトレードなどをNISAで行うと、あっという間に非課税枠を使い切ってしまうため、NISAは長期投資に適した制度になっています。

NISAのデメリット

損益通算ができない

他の証券口座での利益と、損失を合算して、損失を相殺することのできる損益通算を行うことができません。
NISA口座で損失を被った場合は、そのまま全て赤字となってしまいます。

期間は最長5年間

非課税期間が5年と定められており、5年の期間が終了すると、課税の対象になります。

口座開設時期が決まっている

現時点では、NISA制度自体が2023年の年末で終了するとされています。
そのため、NISAによる非課税の恩恵を最大限受けようと思うと、2018年中に口座開設を行わなければなりません。

積立NISAのメリット

次に、先ほどのNISA制度と同様に運用益が非課税の対象になる積立NISAについてです。

指定の投資信託

積立NISAでは、投資対象が限られています。
金融庁によって厳選された投資商品になるため、手数料が低く、運用が安定している商品に投資を行うことができ、初心者でも安心して投資、運用を行うことができます。

非課税

積立NISAでも、通常のNISAと同様に運用益が非課税の対象になります。
長期的な資産形成をより意識したシステムなため、非課税期間が20年と非常に長く、年間の投資上限額は40万円と少なくなっています。

長期投資向け

先ほど述べたように、通常のNISAに比べて非課税期間が長く、長期的な資産形成が意識されたシステムなので、長期投資を行いたいひと向けの制度です。

積立NISAのデメリット

投資上限が低い

通常NISAに比べて投資上限額が年間40万円以内とかなり低くなっています。
そのため、少しでも高い金融商品を購入してしまうと、あっという間に年間の非課税枠がなくなってしまいます。

投資対象商品が限定

金融庁によって厳選されている投資対象ですが、幅広く投資を行いたい方やハイリスク・ハイリターンを狙う場合には適していません。

損益通算ができない

それぞれの証券口座の利益と損失を合算することで税負担が軽くなる損益通算を行うことができません。
積立NISA口座以外の証券口座からも投資を行いたい方にとってデメリットとなります。

idecoのメリット

ideco(イデコ)は、個人型確定拠出年金と言われるもので、毎月一定の金額を積み立てて、定期預金や投資信託、保険などの金融商品を選択して運用し、運用益を60歳以降に受け取ることのできるシステムです。

参考:ideco公式サイト

所得控除

掛金の全額が所得控除になります。
これは、例えば毎月の掛金が1万円であったケースでは、1年間で12万円の掛金全額についてかかるおよそ20%の所得税と住民税がゼロになります。

退職所得控除、公的年金等控除

idecoでは、運用資産を受け取る際にもメリットがあります。
資産の受取方法については、「一時金」「年金」「一時金と年金の両方」という3つの選択肢から選ぶことができます。

一時金方式で運用資産を受け取る場合には「退職所得控除」が、年金方式で受け取る場合には、「公的年金等控除」を受けることができます。
受取方法によって課税対象が異なってくるため、注意が必要になりますが、税額がかなり下がるため非常に大きなメリットと言えます。

非課税

通常の資産運用から発生する利益については、所得税などがおよそ20%かかります。
しかし、idecoを利用して運用を行った場合にはこの税金がかかりません。
利益をそのまま運用に回すことができるので効率的に資産を増やすことができます。

idecoのデメリット

掛金・運用益が非課税になるなど、メリットがたくさんあるidecoですが、デメリットについてもきちんと理解しておきましょう。

60歳まで引き出せない

idecoは、老後の資産形成が目的となっているため、60歳以降でないと積み立てた資産を引き出すことができません。
また、1度積立を始めると、途中で解約することもできないため、老後資金以外には一切用いることができないので開始する際には注意が必要です。

手数料

idecoでは口座開設から運用期間中の口座維持、受取の際まで、あらゆる場合に手数料がかかってしまいます。
例えば、現在idecoに対応している金融機関で口座を開設する際には最低でも2,777円、さらに運用期間中も最安で毎月167円がかかります。
1度にかかる手数料が大きな金額にならなくても、長期的に資産形成を行うidecoの場合、手数料だけでも合計するとかなりの金額になってしまうデメリットがあります。

参考:idecoナビ[手数料で取扱金融機関比較]

NISA、積立NISA、idecoの比較

NISA、積立NISA、idecoのそれぞれのメリットとデメリットを解説してきました。
ここからは、3つの制度を5つの観点から比較していきます。

年間投資額の上限

1)NISA:120万円以内
2)積立NISA:40万円
3)ideco:加入している年金タイプによって異なる

idecoの場合には、勤め先や雇用形態によって掛金の限度額が細かく異なります。
公式サイトから自身の年間投資可能額を確認してみてください。
参考:idecoの拠出限度額について[ideco公式サイト]

運用期間

1)NISA:最大で5年間
2)積立NISA:最大で20年間
3)ideco:加入時から60歳まで(20歳以上であれば誰でも加入可能)

途中換金

1)NISA:いつでも可能
2)積立NISA:いつでも可能
3)ideco:原則不可能

NISAと積立NISAの場合、換金自体はいつでも行うことができますが、非課税枠は1度しか使うことができないため、注意が必要です。

運用益が非課税になる積立上限額

1)NISA:100,000万円/1ヶ月(120万/12ヶ月)
2)積立NISA:33,333円/1ヶ月(40万/12ヶ月)
3)ideco:加入している年金タイプによって異なる

参考:idecoの拠出限度額について[ideco公式サイト]

最低投資額

1)NISA:いくらからでも可能
2)積立NISA:いくらからでも可能
3)ideco:毎月5,000〜(1,000円間隔で金額設定が可能)

最低投資額については、NISAや積立NISAの場合には、購入する商品によって金額が異なります。
例えば、100円で買うことのできる単元株や、500円から購入可能な投資信託まで様々です。

非課税対象

1)NISA:年間120万円以内の投資額から発生した運用益
2)積立NISA:年間40万円以内の投資額から発生した運用益
3)ideco:掛金から行った資産の運用益

投資できる商品

1)NISA:株式・投資信託・ETFなど
2)積立NISA:金融庁が定めた長期、積立、分散型の投資信託とETF
3)ideco:定期預金・投資信託・保険

通常NISAが最も投資可能な商品が多く、幅広い投資を行うことができます。

NISA、積立NISA、idecoの使い分け

非課税投資制度のそれぞれの特徴から、どのような目的で資産形成を行うか、資産をいつ使うのか、によって最適な商品が異なります。

老後資金はideco

60歳以降の老後の資金を今からコツコツ育てていきたい場合にはidecoがおすすめです。
投資信託を積み立てて、長時間かけてお金を増やす方法になります。

10年以上先、60歳より前に使う資金は積立NISA

資産を10年程で形成し、使いたいが、10年後にまだ60歳になっていないケースです。
このような場合にはいつでも資産を引き出すことができ、尚かつ10年という中長期期間の投資を行うことのできる積立NISAが最適です。

10年以内、5年以上先に使う資金はNISA

先ほどよりもさらに近い将来、10年以内に資産を使いたい場合には、短期間で大きく非課税の恩恵を享受できる可能性のある通常NISAがおすすめです。

NISA、積立NISA、idecoの併用

NISAとideco、NISAと積立NISAなど、非課税投資制度を併用することはできるのでしょうか。

NISAとidecoの併用は可

NISAとidecoは併用が可能です。
積立NISAとidecoも同時に使うことができます。

しかし、NISA口座はひとり1つしか開設することができないため、NISA同士の併用はできません。

口座開設する証券会社

ここからは、NISA、積立NISA、idecoの口座を開設することのできる証券会社を幾つか紹介します。

SBI証券

口座開設数でNo1を誇る日本国内最大手のネット証券会社、SBI証券です。
NISA口座については、国内株式の売買手数料が無料で、投資信託の取扱い本数も2500本以上と業界最高水準をキープしており、非常にバランスの取れた口座になっています。
ideco口座は、運営管理手数料が無料で、豊富な運用商品ラインナップで他証券会社に大きく差を付けています。

SBI証券[NISA・積立NISA]
SBI証券[ideco]

楽天証券

国内株式の売買手数料の無料など、NISA口座でSBI証券と並ぶ高水準を誇る楽天証券です。
IPO株への対応はありませんが、投資信託の取扱い本数も非常に多くなっています。
ideco口座でも運営管理費が無料で、商品ラインナップが32本と絞られているため初心者でも迷うことがありません。
口座の管理を行うサイトの使いやすさからも高い評価を受けています。

楽天証券[NISA・積立NISA]
楽天証券[ideco]

マネックス証券

NISA口座では、国内株式に加えて海外株式の手数料も無料になる唯一のネット証券口座で、手数料に関しては最もお得と言えます。
こちらも運営管理費が無料のideco口座です。
取扱い投資信託は多くはないですが、充実のサポート体制で安心して運用を開始することができます。

マネックス証券[NISA・積立NISA]
マネックス証券[ideco]

松井証券

老舗のネット証券会社の松井証券です。
NISA口座では、国内株式のみ取扱いがあり、海外株式は一切取扱いがありません。
国内株式に特化して対応しているため、情報も充実しており、運用の際に役立ちます。
ideco口座では管理手数料が無料で、投資信託は厳選された11本の取扱いで初心者も安心です。

松井証券[NISA・積立NISA]
松井証券[ideco]

NISA、idecoの情報収集

これからNISAやidecoを活用して資産運用を行おうとしている方に非課税投資制度の情報収集に役立つ本やセミナーを幾つか紹介します。
気になるものがあれば、チェックしてみてください。

おすすめの本

“税金ゼロ"の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資

NISAとidecoを上手に活用し、お得に運用を行う方法について書かれています。
2つの非課税投資制度を併用することで、より効率的に運用を行うことができる仕組みや、老後資金の形成についてのノウハウが解説されています。

“税金ゼロ"の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資

税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門

NISAと積立NISAの入門書です。
Q&A形式で疑問点が解説され、口座開設の際に役立つ金融機関の選び方なども紹介されています。
NISA制度を使ってお得に運用を行う際に役立つ情報がたくさん書かれています。

税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門

ど素人が始めるiDeCo (個人型確定拠出年金) の本

idecoについての入門書です。
idecoの仕組みや申請書類の書き方も書かれ、初心者に優しい内容になっています。
住宅ローン控除や小規模企業共済など、税金にまつわる他の制度についても書かれ、ideco以外にも参考になるポイントを学ぶことができます。

ど素人が始めるiDeCo (個人型確定拠出年金) の本

おすすめのセミナー

ここ最近では、各証券会社が主催するセミナーが無料で専門家の話を聞くことができ、様々な知識が得られるとして非常に人気となっています。
実際に足を運ばなくてもオンラインで視聴が可能な場合など、投資家にとって嬉しい点も多いです。

野村證券主催セミナー

東京都内でidecoに限定しても数多くのセミナーが開催されていますが、そのなかでもおすすめなのが野村證券が主催するセミナーです。
国内最大手の証券会社で、基本的に支店にて開催されるため、実際に足を運んで話を聞きに行くスタイルです。
野村證券の口座を保有していなくてもセミナーを受けることができ、非常におすすめです。

野村證券セミナー情報[野村證券公式サイト]

idecoセミナー主催

東京都内で最多開催回数を誇るidecoセミナーというグループが主催するセミナーです。
2017年で年間100人以上が参加し、高い評価を受けているセミナーです。

女性限定のセミナーなど、様々なテーマのものが多く開催されています。
idecoセミナー主催のセミナー一覧

それぞれの商品の違いを理解し、ご自身にあった商品を選択して運用していきましょう

NISA・積立NISA・idecoは同じ非課税のメリットが享受できるシステムですが、資産形成の目的などそれぞれに特徴があります。
自分の投資スタイルに合わせて、どの制度から非課税のメリットを享受するのか、最適なものを見つけて運用に役立てていきましょう。

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