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ジュニアNISA(ニーサ)での贈与税・相続税対策。生前贈与や連年贈与も解説

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未成年を対象としたジュニアNISA(ニーサ)は、子ども用のNISAとして2016年に施行されました。このジュニアNISAは、生前贈与時にかかる贈与税の節税対策に活用することができる非常に便利な制度です。ここからは、ジュニアNISAと贈与税・相続税に関する情報と、相続税対策のおすすめ戦略についても解説します。ジュニアNISA口座を財産贈与に活用したい方は参考にしてみてください。

ジュニアNISAを活用して贈与税節税を行った人の画像

ジュニアNISAと贈与税

ジュニアNISAとは、2016年から始まった税制優遇制度です。未成年を口座名義人として資産形成を行うことができるジュニアNISAは、財産贈与の際の節税対策に活用することが可能です。今回はこのジュニアNISAと贈与税について解説します。税制は細かく改正が行なわれ、ややこしい部分もありますが、知らない間に脱税となることで通常時よりも多く課税される可能性が潜んでいるため、逐一情報を確認しておくことが大切です。

ジュニアNISA(ニーサ)とは

ジュニアNISA(ニーサ)とは金融庁によって手掛けられた、投資の利益を非課税の状態で受け取ることができる税制優遇制度です。子どもを対象としたNISA制度として施行され、非課税期間や投資対象などの基礎事項は一般NISAと同じですが、一部独自の特徴やルールが定められています。

参考:ジュニアNISAの概要(金融庁公式サイト)
ジュニアNISA(ニーサ)とは?メリット・デメリットと積立NISAとの違いまで解説

おすすめのジュニアNISA(ニーサ)と生前贈与の組み合わせ

ジュニアNISA(ニーサ)において、ジュニアNISA口座名義人(*1)の二等親以内の親族(*2)であれば、運用管理者として名義人に代わってジュニアNISA口座から資産運用を行うことができます。そのため、NISA最大の特徴である非課税メリットを生かして生前贈与の際の相続税対策に活用することで、通常証券口座やその他預金口座にて行うよりも効率的な資産形成を行うことが可能となります。そこでここからは、ジュニアNISAを財産の生前贈与に役立てるためにおすすめの戦略を解説します。

(*1:0〜19歳の日本居住者であればジュニアNISA口座を開設することができます。)
(*1:両親・祖父母・兄弟姉妹などが該当します。)

生前贈与とは

生前贈与とは名前の通り、生きている間に財産を誰か個人に贈与する行為のことです。相続を視野に入れて行う財産贈与のことで、死後に行なわれる遺贈(*1)に比べて税率が高いため、節税対策を行うことで大きなメリットを得ることができます。

(*1:遺贈の場合は相続税が適用されます。)

贈与税とは

上述の生前贈与を行った場合、贈与した財産額に対して贈与税が適用されます。この贈与税は、1月1日から12月31日の1年間で贈与によって得られた財産の価格に課税されます。ただし、贈与税には年間110万円の税金控除額が設定されており(*1)、贈与にてもらった財産額の合計が110万円を超えない場合には税金がかかりません。一方で、贈与にてもらった資産額が年間で110万円を超える場合には、算出した合計資産額から110万円を引いた金額に対して税率を乗じて税額を計算します。

贈与税算出の際に乗じる税率は、贈与にてもらった資産の金額に応じて変化します。

基礎控除適用外の贈与財産額 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円

贈与税は、贈与者(贈与する側)が生きている間に受贈者(贈与を受ける側)に財産を無償であげることを両者が了解したうえで贈与された資産にかかる税金です。対して、相続税とは、被相続人が死亡することで遺産相続時に課税される仕組みです。

両者の税率は異なり、贈与税の方が高い税率が設定されています。これは例えば、生前に全財産を配偶者や子どもに贈与しておくことで、死後の相続開始時に相続税が一切かからなくなります。このように相続税をくぐり抜けるひとに対して相続税逃れが発生しないように、相続税を補完する目的で贈与税が設定されているためです。

(*1:暦年贈与と言われる通常の財産贈与の場合です。)

参考:贈与税がかかる場合(国税庁公式サイト)
参考:相続税がかかる場合(国税庁公式サイト)

生前贈与してからジュニアNISA口座へ

上述のように、通常の暦年贈与の際には受贈者(*1)1人につき年間110万円までの贈与であれば贈与税が非課税となります。そのため、ジュニアNISA口座における年間非課税枠(*2)の80万円は、税金控除額枠の一部として使用することができます。

(*1:贈与を受ける側のことです。)
(*2:非課税期間内のある1年間で投資することができる投資資金の上限金額です。)

節税額の例

ここまで、生前贈与や贈与税、相続税の概要とジュニアNISAの節税対策を説明しました。税金や計算方法など、複雑な点も少なくありません。そこで以下にて実際にジュニアNISAを活用することで可能となる節税額を算出していきます。具体的な節税メリットが分かることで、ジュニアNISAを利用することのメリットが明確になりますので、きちんと確認しておきましょう。

条件例)

  • 相続財産額:6,800万円
  • 家族構成:祖父・祖母・子ども2人・孫3人
    1. 生前贈与なしの場合
    2. 祖父の死亡によって財産が相続される場合で、続税が課されることになります。相続税においても贈与税同様に税金控除額が設定されているため、まずは財産合計額から相続税の基礎控除額を引きます。ちなみに、相続税の税金控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」にて算出することが可能で、法定相続人は妻である祖母、子2人の3人です。
      [6,800万円ー(3,000万円+600万円×3人)=2,000万円

      次にこの資産を法定相続人で分割し、相続税の税率(*1)を乗じて税額を計算します。
      祖母(妻):2,000万円×1/2=1,000万円
      子1:2,000万円×1/4=500万円
      子2:2,000万円×1/4=500万円

      税額を計算すると、
      祖母(妻):1,000万円×10%=100万円
      子1:500万円×10%=50万円
      子2:500万円×10%=50万円

      100万円+50万円+50万円=200万円(相続税額の総額)

      以上より、生前贈与なしの相続の場合は200万円の相続税がかかります。

    3. ジュニアNISAにて生前贈与を行った場合
    4. ジュニアNISA口座を活用する際には、孫の分までジュニアNISA口座を開設しておくことで孫にも生前財産贈与を行うことができます。
      ジュニアNISAの年間非課税枠80万円×非課税期間5年×孫4人=1,600万円(生前贈与可能総額)
      祖父の財産6,800万円のうち、1,200万円を非課税にて贈与することができ、相続税計算の際の財産総額が減ることになります。
      6,800万円ー1,600万円(ジュニアNISAにて生前贈与した金額)=5,200万円(資産総額)
      さらに、資産総額から上述のように相続税の基礎控除を引きます。
      5,200万円ー(3,000万円+600万円×法定相続人3人)=400万円(相続税対象資産額)

      これを法定相続人3人で分割すると、
      祖母(妻):400万円×1/2=200万円
      子1:400万円×1/4=100万円
      子2:400万円×1/4=100万円

      相続税率を乗じます。
      祖母(妻):200万円×10%=20万円
      子1:100万円×10%=10万円
      子2:100万円×10%=10万円

      20万円+10万円+10万円=40万円(相続税額)

      生前贈与を行わなかった場合に200万円かかる相続税が、ジュニアNISAを活用することで160万円安くなり、非常にお得です。

      (*1:国税庁、相続税の税率より。法定相続人ひとりに付き、相続遺産が1,000万円以下の場合は10%の税率となります。)

      参考:相続税の税率(国税庁公式サイト)

      生前贈与の注意点

      ここまで、ジュニアNISAを利用した生前贈与の魅力をお伝えしました。贈与税率は相続税率に比べて高く、ジュニアNISA口座の非課税メリットと併用することで大きな節税効果を得ることができます。しかし、非常に複雑な税制は併用する際に注意すべき点もあります。

      暦年贈与と連年贈与

      暦年贈与とは、これまで説明してきた通常の財産贈与のことです。1月1日から12月31日の1年間でもらった財産の合計額が110万円を超えない場合は課税されず、申告も不要です。

      一方の連年贈与とは、暦年課税の110万円の基礎控除を利用して毎年に渡って財産贈与を行う贈与のことを指します。これは例えば、年間100万円を10年間に渡って贈与した場合などが該当し、このケースでは贈与税がかかります。(*1)贈与の度に贈与契約書を作成するなどの工夫(*2)を凝らすことで、連年贈与とみなされなくなります。

      (*1:定期金給付契約に基づく定期金に関する権利の贈与を受けたものとされるためです。)
      (*2:ほかにも、時には110万円を超える贈与を行うことで、贈与税申告の記録を残す方法などがあります。)

      参考:贈与税がかかる場合(国税庁公式サイト)

      逝去前3年は課税対象

      生前贈与は、贈与者が亡くなる3年前から行う必要があります。生前贈与後3年以内に贈与者が死亡した場合は、死亡前3年間の生前贈与分は相続税の課税対象となります。

      亡くなる直前に生前贈与を行いたくても、節税メリットを享受することができないため、早目に行っておくことが大切です。また、特定の人に財産を渡したい場合には遺言書を作成して、死後に相続させることができます。

      参考:贈与財産の加算と税額控除(国税庁公式サイト)

      ジュニアNISAで積立投資も可能

      ジュニアNISAでは、年間80万円の非課税枠を利用して積立投資を行うことが可能です。例えば毎月の積立の場合、約66,666円を上限にして積立を行うことができます。

      積立投資を行うことで購入時期が自然にずれ、分散投資が行えることで値下がりの際の損失リスクが軽減されるメリットがあります。

      ジュニアNISAと贈与税の関連を理解し、お得に運用していきましょう

      ジュニアNISAを活用した生前贈与の際の贈与税や相続税の節税メリットを解説しました。ジュニアNISAでは、税金の種類に関わらず非課税期間内であれば非課税となり、贈与税や相続税の基礎控除と賢く併用することで財産贈与や相続の際に大きな節税メリットを享受することができます。しかし、基礎控除の使用方法によっては連年贈与として贈与税が課税されるリスクや、生前贈与後3年以内に贈与者が死亡した場合に相続税が課されてしまう注意点があります。きちんと理解しておくことで、通常相続の際よりも大きな利益を得ることができますので、早目に対策を講じることが大切です。

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