初めての非課税期間終了を迎えるNISA制度は、2018年にどのような変化があったのでしょうか。
2018年に行われたロールオーバーのルール変更や、積立NISAの開始などについて解説します。
また、NISA口座から2018年内に取引を行う際の期限も具体的にお伝えします。
NISA制度自体の期間と、非課税期間、ロールオーバーについてそれぞれきちんと理解し、効率的な運用に役立ててください。
2018年のNISAの変化
2013年から開始したNISA制度は、2018年の年末で初めての非課税期間の終了を迎えることになります。
その2018年に為された、NISA制度に関する変更点を解説していきます。
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ロールオーバーの上限廃止
ロールオーバー(*1)の上限額がなくなりました。
そのため、非課税期間の終了時に保有している資産は全てロールオーバー可能です。
(*1:非課税期間終了時にさらに期間の延長が可能になる制度)
NISAのロールオーバーとは?概要やデメリットと上限撤廃のメリットを解説
ロールオーバーはいつまで?
ロールオーバーは、非課税期間の終了時に新たなNISA口座を開設し、資産を移管することです。
そのため、新たなNISA口座の非課税期間の5年が延長されることになります。
しかし、NISA制度自体が2023年までしか利用できないため、2018年内にNISA口座を開設した場合にのみ、5年後(2023年)のロールオーバーが可能になります。(*1)
(*1:2019年にNISA口座を開設した場合、2024年に非課税期間の終了を迎えますが、その時にはNISA制度が存在しないため、ロールオーバーを行うことができません。)
ロールオーバーのデメリット
・同一金融機関でしかできない
1度でも、NISA口座んお金融機関を変更してしまうと、ロールオーバーを行うことができません。
・ロールオーバーした分は翌年の非課税枠を使ったことになる
ロールオーバー時の資産価格分は新しいNISA口座の非課税枠を使用したとされ、その分の新規投資は行なえません。
積立NISAの運用開始
また、2018年1月からは「積立NISA」も開始されました。
「少額からの長期・積立・分散投資(*1)を支援するための非課税制度」です。
(*1:リスク軽減のために、投資対象を多様化させること。)
積立NISAのメリット
・投資の利益が非課税になる
運用益についてかかるおよそ20%(*1)の税金がかかりません。
・20年間、非課税の恩恵を享受することができる
積立NISAでは、非課税期間が20年あります。
長期投資んい非常にメリットがあります。
・投資対象が金融庁指定のものだけ
初心者の場合、数多くの金融商品から投資先を選ぶのは難易度も高く、基準もわかりません。
金融庁の厳選した金融商品から選ぶことができ、安心です。
(*1:具体的には、20.315%。所得税+住民税+復興特別所得税)
積立NISAのデメリット
・年間の非課税枠が40万円
投資可能額が1年で40万円と少なく、高額投資は行なえません。
・投資対象が限られる
金融庁指定の投資信託へしか投資を行えません。
株や様々な商品を運用したい場合にはデメリットです。
2018年以降のNISA口座利用はマイナンバー必須
2016年1月以降、新たなNISA口座を開設する際にはマイナンバー(*1)の提出が義務付けられました。
そして、2018年以降はマイナンバーの登録のない口座は利用ができなくなっています。
住民票を持つひとに交付された番号になるため、住民票の提出は不要です。
(*1:日本の住民票を持つ全員に1人1つ付与された12桁の番号。)
参考:マイナンバー(社会保障・税番号制度)[内閣府公式サイト]
NISA口座の買い付けルール
NISA口座からの金融商品の買付けにルールはあるのでしょうか。
2018年分のNISA口座の買い付けはいつからか?
2018年に限らず、NISA口座の非課税枠は、金融商品の受渡日が2018年となる時点から可能です。
受渡し日は商品によって異なるので注意が必要です。
2018年分のNISA口座の買い付けはいつまでか?
取引をいつ行ったかどうかは、金融商品の受渡し日で判断されます。
投資商品によって受渡しにかかる時間が異なるため、注文と約定(*1)の期限も異なります。
東京証券取引所の最終営業日は毎年12月30日ですが、2018年は日曜日になるため、12月28日が大納会(*2)となります。
・国内株式
受渡し:注文から3営業日後
約定日:12月25日(火)
・投資信託
受渡し:銘柄ごとに異なる
約定日:銘柄ごとに異なる
投資信託についても28日までの受渡しが必須ですが、銘柄ごとにきちんと調べておく必要があります。
特に、海外投資信託の場合には注意が必要です。
・米国株式
受渡し:国内約定日から4営業日後
約定日:12月20日(木)
米国市場のクリスマス休暇によって20日(木)までの取引が必要になります。(*3)
(*1:株式取引などの売買が成立すること。)
(*2:東京証券取引所の1年間の取引の初日と最終日のこと。)
(*3:単純な4営業日で計算すると、21日(金)が約定日の期限になります。)
2018年NISA口座開設におすすめの銘柄
ここからは、NISA口座からの購入におすすめな銘柄を紹介します。
積水ハウス(1928)
住宅メーカーの積水ハウスです。
住宅系は比較的安定しており、その中でも特に近年業績を伸ばしています。
配当利回りが4.64%と非常に高く、NISAにて運用を行う際に大きなメリットです。(*1)
(*1:2018年10月16日最新。)
オリックス
様々な金融サービスを提供する企業です。
オリックスも、高配当の優待銘柄として非常におすすめです。
配当利回りは3.61%となっています。(*1)
株主優待についてはカタログギフトに加えて、様々な割引を受けることもできますが利回りは高くありません。
(*1:2018年10月16日最新。)
大和証券G本社(8601)
野村證券に次ぐ、国内2位の証券会社です。
利回りは4.20%の高配当です。(*1)
年2回の優待も保有株数に応じてカタログギフトなどから選択することができます。(*2)
基本的に優待銘柄は配当利回りが低い傾向にあります。
また、株主優待については通常の証券口座でも税金がかかることはありません。
そのため非課税のメリットがあるNISAで、優待銘柄を選んでも利点を効率的に活用することができません。
(*1:2018年10月16日最新。)
(*2:優待利回りは0.61%と高配当銘柄にしては高めです。)
NISAにおすすめの証券口座
NISA口座の開設におすすめの証券会社もご紹介します。
SBI証券
日本国内のネット証券会社の最大手、SBI証券です。
・国内株式売買・海外ETF(*1)買付け手数料が無料
・投資信託の取扱本数:2,550本以上(*2)
・IPO株(*3):対応(*4)
(*1:上場している投資信託。)
(*2:2018年10月9日最新。買付手数料無料は1,250本。)
(*3:新規上場株式のこと。事前の抽選で上場前の購入が可能。)
(*4:75社以上の銘柄から選択可能)
楽天証券
・国内株式売買・海外ETF買付け手数料が無料(*1)
・投資信託の取扱本数:2,659本(*2)
・IPO株:非対応(*3)
マーケットスピードにも定評があります。
(*1:キャッシュバックによって手数料が実質無料となっています。)
(*2:2018年10月15日最新。買付手数料無料は1,337本。)
(*3:通常証券口座であれば対応しています。)
マネックス証券
・取引手数料は全て無料(*1)
・投資信託の取扱本数:110本(*2)
・IPO株:対応
(*1:国内株式もしくは投資信託のみの取扱で、それらの取引手数料がかかりません。)
(*2:2018年10月16日最新。)
松井証券
・株式売買手数料が無料(*1)
・投資信託の取扱本数:144本(*2)
・IPO株:対応
積立NISAでは、ETFの取扱いがないので注意が必要です。
(*1:インターネット経由の場合は無料です。)
(*2:2018年10月16日最新。委託手数料もインターネット経由の場合のみ無料。)
GMOクリック証券
・取引手数料は全て無料(*1)
・投資信託の取扱本数:110本(*2)
・IPO株:対応
(*1:国内株式もしくは投資信託のみの取扱で、それらの取引手数料がかかりません。)
(*2:2018年10月16日最新。)
カブドットコム証券
三菱UFJフィナンシャル・グループのネット証券会社です。
・日本国内株式の取引手数料は全て無料(*1)
・投資信託の取扱本数:1068本(*2)
・IPO株:対応
取扱商品については国内株式、投資信託が対象で、海外株式はありません。
日本国内株式の取引手数料は全て無料です。
(*1:NISA口座開設によって、他の通常証券口座の手数料も最大5%割引となります。)
(*2:2018年10月16日最新。305本以上が販売手数料無料。)
2018年のNISAの変化、2018年にNISA口座を開設するメリットを理解し、運用に活かしていきましょう
2018年の制度変更による影響をきちんと理解し、年内のNISA口座開設のメリット考慮して自身の運用に役立てていきましょう。