株初心者でも分かるNISAと株についての情報を簡単にまとめました。
NISAの概要から口座の開設手続きと株式の買い方もお伝えします。
実際の購入におすすめの銘柄もご紹介します。
NISAは、通常の証券口座に比べて注意点も多いため、きちんと理解して実際の運用に役立てていきましょう。
株初心者でもわかるNISAとは
NISAとはどのような制度なのでしょうか。
NISAとは?非課税制度の仕組みと期間や積立、デメリットまで解説
年間120万円までの投資で利益が非課税
NISAとは税制優遇制度です。
年間120万円以内で行った投資の利益が非課税になります。
この非課税となる上限額を「非課税枠」と言います。
非課税期間は5年
年間120万円の非課税枠に加えて、投資可能な期間も5年とされています。
この期間を「非課税期間」と言います。
5年後の対応
非課税期間の終了によって、NISAの利用はできなくなります。
では、その際のNISA口座内の資産はどのようになるのでしょうか。
NISA利用から5年後の対応を解説。手続きやロールオーバーについて
ロールオーバー
ロールオーバーとは、非課税期間の延長になります。
非課税期間の終了時に、新たにNISA口座を開設することで、さらに5年非課税の恩恵を享受することができます。(*1)
最大で10年もの非課税期間になります。
(*1:非課税期間の終了前に申請が必要です。)
NISAのロールオーバーとは?概要やデメリットと上限撤廃のメリットを解説
売却
非課税期間内に保有資産を全て売却する方法です。
非課税期間での売却になるため、売却益に税金はかかりません。
特定口座へ移管
課税口座(*1)へ移管(*2)する方法です。
非課税期間の終了まで何も手続きを行わなかった場合にも、自動的に特定口座へ移管されます。
移管時点での資産価格で移管されます。
(*1:一般口座1種と特定口座2種があり、確定申告の手続きの違いで異なります。)
(*2:資産を他の口座へ移すこと。)
特定口座からNISA口座への株式移管
特定口座(*1)からNISA口座へ株式の移管はできません。
株式に限らず、投資信託などの他金融商品の移管もできません。
(*1:税金にまつわる手続きを証券会社が代わりに行ってくれる通常の証券口座です。)
NISAのデメリット、注意点
非課税のという大きなメリットに対して、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
損益通算不可
NISAでは、損益通算(*1)ができません。
NISAでの投資で発生した損失はそのまま赤字になります。
(*1:他証券口座の利益と損失も全て合算し、損失を相殺すること。)
参考:No。2250 損益通算[国税庁公式サイト]
5年後に損失が出た場合
NISA口座にて保有している資産が、非課税期間の終了時に損失となってしまっているケースです。
この場合に課税口座へ移管すると、損失に加えてさらに税金も取られてしまう可能性があります。
例)
・NISA口座にて株式Aを100万円で購入
・非課税期間終了時に株式Aは80万円
移管時の時価で扱われるため、80万円の株式として課税口座へ移管されます。
・この時点で20万円のマイナスになります。
さらに、その後株式Aが90万円に値上がりした時点で売却したとします。
・80万円の株式が90万円で売れたとして10万円の利益が発生
・課税口座からの売却になるため、利益10万円に課税
結果的に、当初100万円で購入した株式であるにも関わらず、
・10万円のマイナス
・利益10万円への税金[20.315%(*1)]=20,315円の税金
が引かれてしまいます。
損失に加えて税金が課される可能性が潜んでます。
(*1:所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)
配当の受け取り
NISA口座では、配当金も非課税の対象になります。
しかし、配当金を非課税で受け取るには、「株式比例配分方式」(*1)を選択する必要があります。
他の受取方法を選択すると、配当金にも税金がかかってしまいます。(*2)
(*1:証券口座へ配当金を振り込んでもらう受取方法。)
(*2:源泉徴収された状態で受け取ることになります。)
NISA口座での株の売買の仕方
実際にNISA口座から株式売買を行うための手続きを見て行きます。
NISA口座を開設する
まずは、NISA口座を開設する必要があります。
口座開設の際の注意点をお伝えします。
NISA口座は1人1つまで
NISA口座は1人ひとつしか保有することができません。
他の証券会社も含めて、1つです。
複数の証券会社へ申し込みをしてしまうと、希望の証券会社にて口座を開設することができなくなる可能性があります。(*1)
(*1:申請の受理が最も早い金融機関にて口座を開設することになります。)
参考:NISAに関するよくある質問 Q18[日本証券業協会公式サイト]
既に特定口座の開設をしていることが必須
証券会社にてNISA口座を開設する際には、通常の証券口座の開設も必要になります。
NISA口座開設の前に、開設したい金融機関の通常の証券口座も開設しておきましょう。
必要書類を提出
開設したい金融機関から、申込のための資料を郵送してもらいます。
必要事項を記入し、送付して、審査(*1)に通ればNISA口座の開設は完了です。
(*1:税務署審査のこと。審査は1〜2週間ほど。)
NISA口座での株の購入の注意点
株式購入の際の注意点も解説します。
配当の受け取り方法
配当金は「株式比例配分方式」(*1)にて受け取る必要があります。
この方法以外で受け取った場合、税金が取られてしまいます。
(*1:配当金を証券口座へ振り込んでもらい、受け取る方法。)
非課税枠の再利用はできない
年間120万円の非課税枠は、1度しか使うことができません。
NISA口座にて金融商品を購入し、売却してもその分の非課税枠は復活しません。
NISAでおすすめの銘柄
ここからは、NISA口座からの投資におすすめの銘柄を紹介します。
積水ハウス(1928)
住宅メーカーで、安定した業績を誇ります。
配当利回りは4%超えとかなり高いです。
優待(*1)については利回りが0.15%と低めです。(*2)
(*1:株主優待のことです。)
(*2:2018年10月16日時点。)
オリックス(8591)
ローンや保険など、多岐に渡って金融サービスを提供する会社です。
配当利回りが3.69%で、優待もあります。
優待はカードによる割引などのサービスを受けることができますが、利回り自体はあまり高くありません。
大和証券G本社(8601)
こちらも配当利回りが4.25%と非常に高くなっています。
さらに、高配当に加えて優待も保有株式に応じて受けることができます。
優待利回りが0.61%と比較的高いです。(2018年10月16日時点)
優待銘柄(*1)は配当利回りが低い傾向にあります。
また、優待は通常の証券口座でも課税されません。
そのため、優待銘柄ではNISAの非課税メリットを享受しにくくなります。
(*1:株主優待のある銘柄のこと。)
NISA口座での取引手数料が無料の証券会社
NISA口座の開設におすすめの証券会社もご紹介します。
SBI証券
日本国内で最大手のネット証券会社です。
・国内株式売買・海外ETF(*1)買付け手数料が無料
・投資信託の取扱本数:2,550本以上(*2)
・IPO株(*3):対応(*4)
(*1:上場している投資信託。)
(*2:2018年10月9日最新。買付手数料無料は1,250本。)
(*3:新規上場株式のこと。事前の抽選で上場前の購入が可能。)
(*4:75社以上の銘柄)
楽天証券
マーケットスピードに定評のある証券会社です。
・国内株式売買・海外ETF買付け手数料が無料(*1)
・投資信託の取扱本数:2,659本(*2)
・IPO株:非対応(*3)
(*1:キャッシュバックによって手数料が実質無料となっています。)
(*2:2018年10月15日最新。買付手数料無料は1,337本。)
(*3:通常証券口座であれば対応しています。)
マネックス証券
・国内株式売買手数料・米国/中国株式買付け時取引手数料が無料(*1)
・投資信託の取扱本数:1100本以上(*2)
・IPO株:対応
米国株は3,000銘柄、中国株は香港市場のほとんど全ての銘柄から投資先を選ぶことができます。
(*1:米国/中国株式については、キャッシュバックによって実質無料。)
(*2:2018年10月16日最新。プログラムによっては、申込手数料が実質無料になります。)
松井証券
・株式売買手数料が無料(*1)
・投資信託の取扱本数:144本(*2)
・IPO株:対応(*3)
積立NISAでは、ETFの取扱いがないので注意が必要です。
(*1:インターネット経由の場合は無料です。)
(*2:2018年10月16日最新。委託手数料もインターネット経由の場合のみ無料。)
GMOクリック証券
・取引手数料は全て無料(*1)
・投資信託の取扱本数:110本(*2)
・IPO株:対応
(*1:国内株式もしくは投資信託のみの取扱で、それらの取引手数料がかかりません。)
(*2:2018年10月16日最新。)
NISAと通常株式投資の違いを理解し、ご自身の状況に応じた運用をしていきましょう
通常証券口座からの投資に比べて、注意すべき点が多いため、それぞれについてきちんと理解する必要があります。
自身の投資スタイルに合わせて、非課税の利点を生かして運用していきましょう。