株式投資やNISA、イデコ、FXなどに関する金融メディア

Sensis(センシーズ)

NISA 投資

NISA利用から5年後の対応を解説。手続きやロールオーバーについて

更新日:

NISAからの運用について、非課税期間である5年が終了した際に、どのような対応をすべきなのか具体的に分からない方も多いと思います。
ここでは、NISAの利用から5年後のロールオーバーや移管などの手続きについて、解説していきます。
非課税期間が終了する際の対応やそのメリットを理解して、NISA口座を活用した運用を行っていきましょう。

NISA利用から5年後の都市のイメージ画像

NISA運用開始後5年後はどうするべき?

5年間という限られた期間内で、毎年基準額以内での投資が非課税の対象となるNISAで、5年の非課税期間が終了したとき、どのように対応すればよいのでしょうか。

非課税期間5年間終了後の選択肢は3つ

NISA口座で初めて株式や投資信託を購入してから5年、非課税期間が終了した場合に、その後3つの選択肢が考えられます。

ロールオーバー

1つ目は、「ロールオーバー」です。
ロールオーバーとは、簡単に言うと非課税期間の延長になります。
非課税期間の終了の際に、新たなNISA口座を開設してそちらに移管することで、翌年以降のさらに5年、非課税期間を延長できる画期的な方法です。

非課税期間の終了までに手続きの必要がありますが、現在NISA口座内で保有している資産を全額移管することができます。

NISAのロールオーバーについては、「NISAのロールオーバーはいつまで可能なのか〜デメリットと上限撤廃〜」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

売却

2つ目に、現在保有しているNISA口座の資産を全て売却する方法があります。
これは、非課税期間内に全てを売ることで、利益があろうとも税金が一切かかりません。

売却によって得られた現金は、指定した口座に後から振り込まれることになります。

課税口座に移管

3つ目は、特定口座や一般口座といった課税対象になる証券口座への移管です。
非課税期間内に、なにも手続きを行わなかった場合にも、この方法が自動的に選択されます。

特定口座や一般口座へ移管された時点以降に発生した利益は、全て課税の対象になります。

5年後のロールオーバーのデメリット

非課税の恩恵が本来の5年から、倍の10年受けられる、非常に画期的なロールオーバーのシステムですが、利用することでどのようなデメリットがあるのでしょうか。
具体的にマイナスとなってしまうケースについて見て行きます。

非課税対象額以上のロールオーバーをした場合

例えば、非課税期間の5年が終了した際に、150万円価値のある資産を保有していた場合です。
平成29年、2018年の税制改正によってロールオーバーの上限額はなくなりましたが、毎年の基準額である120万円よりも高い金額をロールオーバーして新たなNISA口座へ移管したケースです。
ロールオーバーによって移管された金額は、翌年の新しいNISA口座の非課税枠(120万円)を使うことになります。
そのため、120万円以上の資産をロールオーバーした場合には、その年の非課税枠を使い切ったとされ、NISA口座保有の6年目についてはNISA口座から新たに株式や投資信託を購入することができなくなってしまいます。

他の金融口座にロールオーバーできない

ロールオーバーは、現在保有している金融機関と同じ金融機関で新たにNISA口座を作る際にのみ行うことができます。
他の金融機関に1度でも口座を変更した場合も行うことができません。

つまり、ロールオーバーを行うことで10年間同じ金融機関でNISA口座を保有することになります。

5年後のデメリットや注意したいポイント

非課税機関の終了に伴って行う手続きによって、様々なデメリットや注意点があります。

NISA口座で損失が出ていた場合

非課税期間の終了時に、NISA口座で保有している資産が購入時よりも価格が低く、損失がでていたケースです。
課税口座への移管の際の資産の価値が、そのまま当初の購入価格としてその後も扱われるため、注意が必要になります。

ちなみに、損失のある資産を売却せずに保有している状態を含み損と言いますが、この状態で課税口座に移管することで大きなマイナスとなってしまう危険性があります。

例えば、NISA口座を利用して100万円で購入した株式Aが、5年後の非課税期間の終了時に80万円まで値下がりしていたとします。
その後課税口座へ株式Aをそのまま移管すると、このAは当初から80万円で購入した株式と見なされてしまいます。
そのため、課税口座からその後90万円でAを売却した場合に、実際に投資家は10万円の損失を被っているときでも、10万円の利益を上げたと扱われてしまいます。
この90万円での売却は、課税口座からの運用になるため、10万円の利益について税金が課されます。
つまり、損失を被ったうえに、税金を課されるという事態に陥ってしまうリスクがあります。

通知は来ない

2018年5月時点では、NISAの非課税期間の終了について投資家に直接通知は行かないとされています。

ロールオーバーは手続きが必要

新たなNISA口座を開設することで、非課税期間を延長することになるため、ロールオーバーの際には専用の手続きを行う必要があります。
具体的な手続きの方法についてSBI証券では公式HPにて案内がされていましたが、楽天証券では未定となっているなど、証券会社によって対応が異なっており、はっきりしていないのが現状です。

SBI証券「NISAロールオーバー/課税払出しのお手続き方法」

NISA口座は2023年までの開設

2018年9月時点では、NISA制度の施行自体が2023年の開設分までとなっています。
そのため、非課税期間の延長を行うロールオーバー制度のメリットを最大限活用するには、2023年でちょうど非課税期間の終了を迎える、今年2018年中の口座開設がおすすめです。

積立NISAには移行できない

一般NISA口座から、積立NISA口座へ移管することはできません。
そのため、5年の非課税期間が終了した時点で、翌年から積立NISAに変更したい場合には、現在保有しているNISA口座内の資産を全て売却して、別で新たに積立NISA口座を開設する必要があります。

おすすめの5年後の対応

ここからは、5年の非課税期間が終了したときの具体的に資産が値上がりしている場合、値下がりしている場合の2パターンに分けて最適な対応を紹介します。

値上がりしている時

まずは、NISA口座で保有している資産の価値が、非課税期間の終了時に値上がりしている場合です。

売却によって、値上がり分の利益を得ることができ、さらにその利益については税金がかかりません。
ロールオーバーを行った場合には、現在保有しているNISA口座内の保有資産は全て新たなNISA口座へ移管することができ、便利です。
また、非課税期間が5年さらに延長されるため、非課税の恩恵を大いに享受することができます。

値下がりしている時

一方で保有資産が値下がりしていた場合です。
値下がりのときも、売却かロールオーバーがおすすめですが、得られるメリットが異なります。

売却することで、損失を被ることになりますが、その後大きくなりそうな赤字のリスクヘッジを行うことができます。
ロールオーバーを行うと、非課税期間を延長することで、その後の値上がりした際に売却できる可能性があります。
後に価値が上がりそうな見込みが予測できる場合には、ロールオーバーの方が有効です。

ロールオーバー可能な期間でNISA口座を開設

ロールオーバーによって、最大10年の非課税メリットを受けるためには、2018年中にNISA口座を開設する必要があります。
ここからは、NISA口座の開設におすすめの証券会社を紹介します。

SBI証券

口座開設数No1、国内株式・海外ETFについては手数料無料を誇るSBI証券のNISA口座です。
投資信託の取扱い本数も非常に多く、多くの投資家に利用されている、国内最大手のネット証券会社です。
新規公開株の事前購入が可能な、IPO株にも対応しており、非常にバランスのとれた口座になっています。

SBI証券[NISA・積立NISA]

楽天証券

SBI証券証券と同様に、国内株式とETFの手数料が無料になっています。
投資信託の取扱い本数についても業界最高の水準があり、幅広く投資を行うことができます。
しかし、IPOに関しては取扱いがないため注意が必要です。

楽天証券[NISA・積立NISA]

マネックス証券

海外株についても購入時の手数料がキャッシュバック制度によって実質無料になる国内唯一のNISA口座です。
投資信託の取扱い数に関しては、SBI証券や楽天証券に比べて少ないですが、1000本以上の取扱いがあり、IPOも対応しています。

マネックス証券[NISA・積立NISA]

松井証券

日本で最も早くネット証券業を開始した、老舗の松井証券のNISA口座です。
海外株式については取扱いがなく、日本国内の株式のみの対応となっていますが、取引手数料が無料です。
投資信託の取扱い本数は500本以上と少ないですが、取扱い数のほとんどの取引手数料が無料で、初心者でも安心して利用することができます。
国内株式に特化した情報が非常に充実しており、定評があります。

松井証券[NISA・積立NISA]

来る5年後の対応を理解して、メリットがある形で運用を進めましょう

2018年の年末で制度が始まってから初めての非課税期間の終了を迎えるため、対応についても例がなく迷うこともあると思われます。
非課税期間の終了時の自身の資産の状態に合わせて、最適な対応をとって、メリットある運用を行っていきましょう。

-NISA, 投資

Copyright© Sensis(センシーズ) , 2024 All Rights Reserved.