アメリカの株取引時間について、日本との時差やサマータイムを考慮した取引時間と、米国の時間外取引を解説します。さらに、日本株式と異なる米国株の特徴もご紹介します。米国企業の株式を保有することで、課税や為替変動リスクといったデメリットがある一方で、世界的有名企業に1株から投資でき、日本の夜間時間帯に取引できるメリットがあります。米国株の取引時間についてきちんと理解して、自身の投資の際に役立てていきましょう。
米国株の取引時間
アメリカの市場に登録されている株式の取引可能時間を説明します。外国株式を売買取引する際には、日本国内株式を取引するのと違いがあるのでしょうか。
米国株の取引時間
米国株の取引時間を解説します。米国株式を日本で取引する際には、どの時間帯に取引できるのか、詳しくみていきましょう。
米国東部時間に統一
米国市場の開場時間は米国東部時間を基準に、
「9:30〜16:00」
に設定されています。
ベンチャー企業などの新興企業が登録されているNASDAQ(ナスダック)市場でも上述の時間に取引ができます。また、米国東部時間は日本と14時間の時差があり、サマータイム制度(DaylightSavingTime)(*1)が適用される期間は、13時間の時差となります。
(*1:夏の期間に、太陽の動きに合わせて標準時刻よりも1時間時計を進めることです。)
参考:Holidays and Trading Hours(NYSE公式サイト)
市場の休日
アメリカの証券取引所は、土日祝日が休みなことに加えて以下の休日があります。
- 元旦:1月1日
- マーティン・ルーサー・キング牧師生誕祭
- ワシントン生誕祭
- 聖金曜日
- 戦没将兵追悼記念日
- 独立記念日
- 労働者の日
- 感謝祭
- クリスマス:12月25日
元旦とクリスマス以外の日程は毎年微妙に異なり、公式サイトにて日にちを確認できます。
参考:Holidays and Trading Hours(NYSE公式サイト)
日本時間
日本とニューヨークでは14時間の時差があるため、日本から米国株式の売買取引を行う際には以下の時間帯に行うこととなります。
- 23:30〜6:00
また、3月の第二日曜日から11月第一土曜日までのサマータイム期間は、日本との時差が13時間となるため以下の時間帯となります。
- 22:30〜5:00
日本から米国株取引をリアルタイムに行いたい場合には、日本の夜間時間帯に行うこととなります。
米国株の時間外取引
ここからは、米国株式の時間外取引を説明します。外国株式の時間外取引は、時差を考慮して時間を考慮する必要があります。SBI証券などを参考にアメリカ株式の売買取引可能時間を知って、取引を行っていきましょう。
プレマーケットとアフターマーケット
米国株は、上述の取引時間以外にも「プレ・マーケット」、「アフター・マーケット」という時間帯に取引できます。プレ・マーケットとは、市場の開場時間の1時間前、一方のアフター・マーケットとは市場の閉場時間後4時間を指し、それぞれの時間帯で取引できます。
- プレ・マーケット
- アフター・マーケット
現地時間 8:00〜9:30
日本時間 21:00〜22:30
現地時間 16:00〜20:00
日本時間 5:00〜10:00
上述の時間帯が取引可能時間の前後に追加されます。
参考:Holidays and Trading Hours(NYSE公式サイト)
リアルタイムの株価チェック
時間外取引を行う際には、リアルタイムな株価を確認して取引を行うことが大切です。Yahoo!ファイナンスや日経などのサイトを見て、最適な売買取引を行っていきましょう。
参考:ダウ平均株価 リアルタイムチャート
Yahoo Finance
米国株の取引
ここからは、米国株の売買取引を解説します。日本国内株式との違いや、米国株の特徴、米国株購入に向けて必要となる準備などを説明します。これから米国株取引を視野にいれている方は、参考にして自身の投資に役立てていきましょう。
米国株と日本株の違い
米国株と日本株の違いには、大きく「取引可能最低単位」と「取引時間」の2点があります。
項目 | 日本株 | 米国株 |
取引可能最低単位 | 単元株 | 1株 |
取引時間(日本時間) | 9:00〜11:30、12:30〜15:00 | 22:30〜5:00 |
日本株では100株を1単元として取引することとなりますが、米国株であれば1株単位から取引することができます。また、日本においては取引時間帯が昼休憩を挟んで時間帯が分かれていますが、米国市場の場合には一貫して取引ができます。
米国株の特徴
米国株の特徴である、メリットとデメリットを解説します。それぞれをきちんと理解して、米国株取引を行う際に活かしていきましょう。
メリット
米国株の売買取引を行う際には、以下4点のメリットがあります。
- 配当金の配布が原則年4回
- 1株から購入可能
- 世界中の有名企業が集まっている
- 日本の夜時間帯に取引できる
世界的な大手企業がアメリカに集結するため、知名度や財務体制がしっかりしている優良企業に1株単位で投資できます。また、サラリーマンなどの日中働いていて市場の開場時間に取引できない投資家の方でも、米国市場は時差の関係で夜間に取引できるメリットがあります。
デメリット
米国株投資を行うことで、投資家には以下のデメリットがあります。
- 配当金は二重課税
- 手数料が割高
- 企業情報が少ない
- 為替変動リスク
米国株から発生した配当金は、現地で源泉徴収にて10%の税金が引かれ、さらに日本国内で10%が差し引かれた金額に対して20.315%が課税されます。これを二重課税と言い、排除するためには確定申告にて「外国税額控除」を利用する必要があります。また、米国ドルで取引される米国株は、投資資産を受け取る際に外国為替の影響で金額や価値が変動する可能性があります。初心者にとって為替変動を考慮して売却を行うことは非常にハードルが高くなります。
米国株を買うための準備
米国株の購入前に、投資家が行っておくべきことを解説します。これから米国株投資を始めようと思っている方は以下を行って準備を万端にしてか米国株投資を始めていきましょう。
口座開設
米国株投資を行う際には、専用の証券口座を開設する必要があります。自身の証券会社の情報を確認して、口座開設申請を行いましょう。
代表的な証券会社は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券等があります。
入金
外国株取引口座の開設が完了したら、投資資金を入金します。
株を始めるための資金については、株投資は1万円からできる?それとも100万円必要?株投資の最低資金と始め方も解説を参考にしてください。
為替振替
入金した日本円を米国ドルに振り替えます。米国株の購入には米国ドルが必要です。他外国株の場合にも、株式購入を行う現地通貨を保有しておく必要があります。外国株取引口座内から手続きを行いましょう。
参考:米国株 お申込み方法(マネックス証券株式会社公式サイト)
米国株購入の流れ
米国株購入までの流れを解説します。米国株取引が可能な証券口座を開設して、手続きを行っていきましょう。
参考:米国株の買い方を解説!米国株はおすすめ証券会社で取引しましょう
銘柄を検索
まずは、投資銘柄を選択します。身近な企業や興味のある業界、業績や株主優待などを考慮して投資銘柄を決定しましょう。
欲しい株数を入力
投資銘柄が決まったら、購入する株式数を入力します。1銘柄だけでなく、様々な銘柄に分散投資することで損失リスクを抑えられます。
指値か成行で注文
投資家は、2種類の注文方法から自由に発注方法を選択できます。
- 指値注文(さしねちゅうもん)
- 成行注文(なりゆきちゅうもん)
指値注文は、投資家が売買取引を行いたい価格を指定して注文を出す方法です。一方の成行注文は、注文が出た際に既に市場にある注文のなかから投資家に最も有利な先に出された注文から約定する仕組みです。投資家はどちらかを自由に選択し、指値注文の場合には購入希望価格を入力して注文を出します。
参考:指し値/指値注文(さしね/さしねちゅうもん) (SMBC日興証券株式会社公式サイト)
参考:成行注文(なりゆきちゅうもん) (野村證券株式会社公式サイト)
外国株取引におすすめの証券会社
ここからは、外国株取引におすすめの証券会社をご紹介します。日本国内株式を取引する場合に比べて外国株取引は、専用口座を開設する必要があるなど、手間や時間がかかります。自身に最適な証券会社を選択して、賢く外国株投資を行っていきましょう。
SBI証券
SBI証券は、日本国内最大手のネット証券会社です。SBI証券ではインターネット上での手続きのみで簡単に外国株取引口座を開設できます。
- 手数料:約定代金の0.45%
- 取扱市場数:9カ国
手数料は最低5ドル、最大20ドルの上限があります。そのため、何度取引しても20ドル以上の手数料がかかることはありません。
米国はもちろん、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシアなどの株式を取引可能です。取引可能な市場数が非常に多く、幅広く分散投資を行いたい投資家にとって非常にメリットです。
楽天証券
楽天証券は、楽天グループのネット証券会社です。
- 手数料:約定代金の0.45%
- 取扱市場数:6カ国
最低5ドル、最大20ドルの上限があり、SBI証券同様、業界最高水準の手数料を誇ります。
米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアの6カ国の株式に投資することができます。
楽天証券の外国株取引口座では、外国株式の買付けを日本円で行うことができ、為替変動リスクを抑えることができます。
マネックス証券
マネックス証券は、SBI証券や楽天証券と同様に、代表的なネット証券会社です。
- 手数料:約定代金の0.45%
- 取扱市場数:2カ国
マネックス証券も、上述2社と同様の手数料の安さを誇ります。
市場数は米国と中国の2カ国ですが、銘柄数では上述2社を圧倒する5,000銘柄に対応しています。米国株もしくは中国株への投資のみでよい場合には、マネックス証券を利用することで多数の投資対象のなかから自由に投資先を選択できます。
時差を利用した効率的な取引
米国株投資の取引時間を解説しました。アメリカと時差があることで、日本国内株式をリアルタイムで取引することができない投資家の方でも、米国株であれば夜間にリアルタイム取引を行うことができます。また、世界一の規模を誇るニューヨーク市場には世界中の有名企業が集まっていることでそのような優良銘柄へ投資することもできます。手数料体系や取引可能な銘柄が通常証券口座と異なり、外国株式取引口座という専用の証券口座を開設する必要があります。外国株投資についてきちんと理解して、取引時間の時差を活かした効率的な投資を行っていきましょう。