税制優遇制度である、idecoとNISAの併用は可能なのでしょうか。
NISAとideco、どちらの方がより効率的に運用ができるのか、それぞれの特徴と違いを説明し、具体的な使い分けのケースも解説します。
それぞれの制度についてきちんと理解して、お得な資産形成に役立ててください。
NISA・積立NISAとidecoの併用
投資の利益が非課税になるNISAや積立NISAと、自身で年金を拠出するidecoの併用について解説していきます。
NISA・積立NISA・idecoの3つを解説。お得な併用と使い分けについて
参考:idecoとは?[idecoナビ]
NISA・積立NISAとidecoの併用は可能
NISAはひとり1つしか保有作成することができません。また、idecoもひとり1つしか口座を保有することはできません。
しかし、NISAとidecoであれば、一緒に並行して使うことができます。
それぞれの特徴を生かして、併用によって効率的な運用を実現することが可能です。
優先すべきはどちらか
では、NISAとidecoはどちらを優先的に使う方が効率的に運用を行えるのでしょうか。
それぞれを比較してみましょう。
途中引き出し可否
・NISA:いつでも可
・積立NISA:いつでも可
・ideco:60歳まで不可
NISAでは、引き出しに関する制限はありません。
しかし、idecoでは加入者が60歳になるまでは一切引き出すことができません。
運用期間
・NISA:5年
・積立NISA:20年
・ideco:加入者の年齢が60歳になるまで
idecoは、20歳以上であれば誰でもいつでも加入することができます。
60歳まで毎月積み立てで資産を形成し、60歳以降から受け取ることができます。
受給開始の年齢についても加入期間によって個人差があり、最も遅いひとで65歳からになります。
掛け金
idecoの掛け金は、NISAでは投資可能額になります。
・NISA:年間120万円以内
・積立NISA:年間40万円以内
・ideco:毎月5,000円〜6万8,000円(加入者ごとに異なります。)
idecoでは、公式サイトで加入資格の有無を診断することも可能です。
所得控除
・NISA:運用益について非課税
・積立NISA:運用益について非課税
・ideco:運用益の非課税、掛け金が所得控除
運用益の非課税に加えて、掛け金の所得控除が、ideco最大のメリットです。
毎月積み立てた、掛け金の所得税・住民税が運用実績に関係なく控除されるため、非常に便利です。
NISA・積立NISAとidecoの使い分け
NISAとidecoを併用する場合に、それぞれの特徴を加味して場合ごとの使い分けが必要になります。
制度の目的が異なり、加入者・投資家の資産形成の目的や状況によっても最適な制度は異なってきます。
ここからは、具体的なNISAとidecoの使い分けを解説します。
60歳以前に資金が必要な場合
idecoは原則、60歳にならないと資産を引き出すことができません。
そのため、いつでも資産の引き出しが可能なNISAの利用が適しています。
税制優遇を活用したい場合
引き出しの制限が関係なく、すぐに使うお金を形成したい場合以外は、ideco利用が最適でしょう。
NISAもidecoも、どちらも税制優遇のメリットを享受できる制度ですが、掛け金も所得控除の対象となるidecoの方が、よりお得に運用を行うことが可能です。
所得が少なく、所得税控除の恩恵が受けづらい場合
そもそも、課税対象となる収入が少ないケースです。
このような場合、掛け金を積み立てても、大きな節税効果は期待できません。
また、拠出した年金の受取時には、所得として扱われ、税金がかかってしまう可能性もあります。
さらに、idecoの維持費としてかかる、毎月の手数料負担も軽くはありません。
そのため、年間の収入が多くない場合にはNISA枠を利用しての投資がお得な運用を行うことが可能です。
開設口座は自由
NISAも積立NISA、idecoは、対応している金融機関であれば、どこで開設しても問題ありません。
取引によってかかる手数料や投資可能な商品についても様々です。
自身の行いたい投資スタイルに合わせて自由に選んで開設することができます。
NISA同士の併用は不可
NISAはひとり1つしか保有することができず、NISAと積立NISAの併用はできません。
idecoについても、ひとりにつき1つの金融機関からしか加入することができません。
「NISAとideco」、この組み合わせのみが併用可能です。
相性抜群のNISA・積立NISAとidecoを有効活用し、資産形成をしていきましょう
NISAとidecoは上手に活用し、状況に応じて使い分けることで大きな税制優遇を受けることが可能です。
それぞれを有効利用して、お得に資産形成を行っていきましょう。