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初めての株式投資。株初心者でも失敗しない安心の銘柄選びをするためのポイント

更新日:

株初心者の方で、これから株式投資を始めようとする際に「どのような銘柄に投資するべきかわからない」と悩む方も多いと思います。
現在、株式市場で自由に売買ができる、国内の証券取引所に上場している企業は3600社以上あり、そのなかから好適なものを見つけることは非常に難しいものです。
そこで今回は、初めて株式投資を考えている方向けに最適な銘柄を見つけるためのポイントをまとめました。

株初心者におすすめな銘柄のレートの画像

株初心者の銘柄選びの考え方

「銘柄(めいがら)」とは、証券取引所で売買されている会社ごとの株式を指しています。
これは、株式の総称であるため、株券1枚に対して使うことはせず、株式対象としての会社を言いたいときに「銘柄」と表現します。

株初心者の銘柄選びのポイント

では、投資先である銘柄を選ぶ際には、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。

身近で知っている銘柄、好きな業界の銘柄を選ぶ

自分に馴染みのある業界や会社の株から選ぶことが有効です。
例えば、よく行く飲食店や好きな車のメーカー、よく使う交通機関などの会社も上場企業であれば購入できます。

株式投資は情報戦とも言われ、その会社の情報(*1)を常に知っておくことが重要とされています。
情報が即座に手に入ることで、売買などで非常に有利になるため、常にアンテナを張っておく必要があります。

そこで、自分の興味のあるものであれば、親近感が湧き、情報を得やすいため、まずは馴染みのある会社から選ぶのも1つの手です。

(*1:新製品や売上高の減少などの情報。)

営業利益・経常利益が伸びている銘柄を選ぶ

「いい株」を買うには、「業績が良く、今後も伸びが期待できる」銘柄を選ぶことが非常に重要です。
株価は、その会社の業績がどう推移しているかによって大きく左右されます。

そこで、2つ目のポイントとして、その会社の営業利益(*1)や経常利益(*2)を見ることが挙げられます。
これらが安定して伸びている会社は、利益をきちんと稼ぎ、これからも増やしてくれる会社であることが分かります。

株式を買うということは、その会社の一部を買うということになります。
その会社の人気が無ければ株式は買われず、株価も上がりません。
財政状況が安定している会社は安定して人気があり、その後の伸びも期待できます。

これらの情報は会社のHPや四季報、さらには証券会社で口座を開設することで様々な情報を見ることができます。

また、決算情報だけでなく、経営計画なども見ておくことで、中長期的な展望を見る事ができるため、将来像の推測にも非常に役立ちます。

(*1:会社の本業による純利益を指します。売上高です。)
(*2:営業利益に対する本業以外の活動による収入や費用のこと。)

少額で買える銘柄を選ぶ

投資とは、リスクを買い、リターンを得ることで利益を上げるものです。
しかし、知識や経験の無い中で手当り次第にリスクを買っても、投資資金だけが減っていく事態に陥ってしまいます。

そこで、初めての方におすすめしたいのが少額でも購入できる銘柄(*1)です。

本来定められている売買の単位(100株や1,000株)といった単位ではなく、より小さな単位から始められる株式投資です。
少額のリスクで実際の取引を経験できることから、初心者向けの株式と言えます。

購入可能な単位は銘柄毎に異なりますが、基本的に1/10の枚数から、銘柄によっては1万円から購入できるため、多くの投資資金がなくても手軽に始めることができます。

しかし、取扱のある証券会社や対応銘柄が限られているため、注意が必要です。

(*1:ミニ株、単元未満株とも言われています。)

興味のある株主優待がある銘柄を選ぶ

次のポイントとして、株主優待(*1)を基準に選んでいく方法です。

贈り物は、会社のサービスが金券として渡される場合もあれば、現物支給の場合など、会社毎に異なります。
株主にとっては株主を保有する上で安定的な利益となります。

特に、初心者であれば、身近な商品やサービスを提供している会社を選ぶことで、自分自身が日常生活で株主優待を使うことができ、さらに株式投資の知識をより深めることができます。
また、投資金額とのバランスを考慮するために、優待利回り(*2)をチェックすることも有効です。

(*1:ある一定数以上の株式を保有している株主に対して、会社側から感謝の気持ちを込めて配当金とは別に優待品が提供される制度。)
(*2:投資金額に対する株主優待の割合)

株初心者が理解するべき銘柄を判断する指標

株式を購入する際に、会社の価値に対して株価が割安か、将来的に成長が見込めるか、を財務状況や業績などの基礎的な要因から会社を分析することを「ファンダメンタルズ分析」と言います。
この分析から、株の売買を判断する際の指標として「PBR」、「PER」、「コンセンサスレーティング」の3つを理解することが大きなカギとなります。

割安感の目安:PBR

「PBR」(*1)とは「株価純資産倍率」のことで、会社の純資産と株価の関係を表しています。
純資産に対して株価が高い(割高)のか、安い(割安)のかを判断するときの投資尺度です。

基本的には「PBR1倍」を基準にして、高ければ株価は高く(割高)、低ければ株価は安い(割安)となります。

PBRは、
PBR=(株価)÷(1株あたりの株主資本[BPS])
で求められます。

例えば、
・株価1,000円
・1株あたりの株主資本が500円

[1,000円÷500円]
=[PBR2倍]

その後、株価が500円へ下落した場合:PBRは1倍
資産の増加でBPS1,000円になった場合:PBSは1倍

このように株価が下がることや、一株当たりの株主資本が上がることで、PBRは下がり、株価は割安になります。

PBRが1倍ということは、株価と資産価値がイコールの関係であるので、会社が倒産しても、投資家が損をすることはないという意味になります。

そのため、長年PBR1倍が基本的に株価の底値とされてきましたが、近年は1倍を下回ったままの銘柄も多くあり、絶対的な基準とは言えなくなっています。

(*1:「Price Book-value Ratio」の略称)

参考:PBR[日本証券業協会公式サイト]

利益と株価の関係の目安:PER

「PER」(*1)は「株価収益率」と言われ、会社の利益と株価の関係を表しています。
企業の利益に対して株価が何倍であるかを表す指標で、株価が割高なのか、割安なのか、を利益から判断できるというものです。
株価が1株当たりの純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度です。

「20倍」を基準に、PERが高ければ株価は高く(割高)、PERが低ければ株価は安い(割安)と判断されます。

株初心者は、まずこのPERが一般的に20倍を超えると割高であるということを覚えておくと便利です。

PERは
PER=株価÷(株価1株当たり純利益[EPS])
で求められます。

例えば、
・株価が1,000円
・純利益が100円

[1,000円÷100円]
=[PER10倍]

株価の10倍まで株式が購入されているため、投資資金の回収までに10年かかるという意味になります。
そのため、PERの高い株式に投資すると、購入時に既に割高であるため、投資資金の回収に時間がかかってしまいます。

その後、株価が500円に下落:PER10倍
純利益が100円に増加:PER10倍

どちらの場合も割安になります。

このPERは、業界によって成長力が異なることや、安定力にも差があるため平均値が業界によって大きく異なります。
「20倍」という数値はあくまで目安として、同業他社のPERと比較することが大切です。
また、PERの数値だけで割安と判断するのではなく、他の指標も見て判断することが重要です。

(*1:「Price Earnings Ratio」の略)
(*2:「Earnings Per Share」の略)

参考:PER[日本証券業協会公式サイト]

コンセンサスレーティング

株価レーティング(*1)を様々なところから収集し、平均したものから判断する方法です。

レーティングの結果が証券アナリスト(*2)によって異なるデメリットに対応して、投資のプロの分析とレーティングの結果の両方が分かる「コンセンサス・レーティング」(*3)が出来ました。

コンセンサス・レーティングは、アナリストによる評価をスコア(数字)に換算し、そこから平均を出します。
評価が高いものが買いとなり、評価が低ければ売りという判断になります。
証券アナリストなどの期待値が示されただけのものになりますが、後の株価に影響を与えるケースもあります。
あくまで銘柄選びの参考とすることが大切です。

(*1:個別の銘柄に対して企業調査などを行い、格付け調査を行う投資判断のこと。)
(*2:証券市場を分析し、調査する専門家)
(*3:「コンセンサス予想」とも言われています。)

参考:レーティング[SMBC日興証券公式サイト]

株初心者が投資を始める際の注意点

株式投資においての失敗は、株初心者の経験不足以外にも様々な要因が考えられます。
まずは株初心者が注意すべき点を3つ紹介します。

分散投資をする

分散投資は、投資資金を複数の銘柄や商品に分散させることで、リスクを軽減させる方法です。
株式の購入回数を複数に分ける場合には、購入額の平均価格を下げることができ、相場をあまり気にせず投資を進めることが可能です。

(保有銘柄が多いケース)
[メリット]
・リスク分散が可能
1銘柄に集中して投資を行うと、不測の事態から株価が下がってしまった場合に、投資資金がほとんどなくなってしまいます。
そこで、保有銘柄を分散させることで、リスクを分散に加えて安定的な収益を得ることができます。

・様々な株主優待を受けることができる

[デメリット]
・大きな利益は得られない
大きな資金を1つの銘柄に集中させることができないため、大きな利益を得ることができません。

・管理の手間がかかる
複数の銘柄を同時に保有することになるので、管理の手間もかかります。

・優待を受けられる株式数の購入が必要になる
様々な優待が受けられる一方で、優待が受けられる最小単元で購入する必要があります。

(保有銘柄が少ないケース)
[メリット]
・管理が簡単
保有銘柄が少ないということは、管理がしやすく、会社の情報に対して素早く対応できるということになります。

・1銘柄の大量保有が可能で、大きなリターンが期待できる
保有株式を部分的に売ることも可能になため、売るタイミングの選択肢が増えます。

[デメリット]
・リスクが大きい
投資商品が大幅下落した場合に大きな損失となります。

・保有銘柄の利回りが悪い場合に他でカバーできない

それぞれのメリット、デメリットも考慮してそれぞれの投資スタイルに合ったやり方を行うことが重要です。
株初心者は、投資経験が少ないため、まずはリスクを分散させることのできる分散投資を行うのも1つの手です。

値上がり率ランキングで判断しない

簡単に銘柄の現状を知ることができるのが、値上がり率ランキング(*1)です。
これは単純に前日比の値上がり率を示しているだけなので、ここから購入を判断することは非常に危険です。

例えば、株価が1円の銘柄が翌日に1円値上がりしたとすると、値上がり率は100%となります。
このような場合でも値上がり率ランキングでは上位にランクインすることになります。

このような現象が起こりうるため、本当に意味のある値上がりをしている銘柄をランキング内から精査していくことは、特に株初心者にとっては非常に難易度が高いです。

また、ここで上位にあるものは既に値段が上昇した後の掲載になります。
その時点から買うとなると、既に高い状態での買いになってしまうため、値上がり率ランキングは参考程度に見ておくことが大切です。

(*1:前日比較で銘柄ごとの株価上昇率のランキング。パーセンテージで表されます。)

余剰資金で運用する

投資資金は目的によって異なるため、いくらの投資資金を用意すべきか、は一概には言えません。

しかし、この投資資金はあくまで「余剰資金」(*1)から行うことが大切になります。
将来的に使い道が決まっている資金も株に回すには向いていないお金です。

投資にはリスクがあり、思わぬ要因によって損失を被る可能性があります。
そのため、あくまでリスクを背負っても諦められる、余裕のある部分で投資を行うことが大切です。

(*1:生活資金以外の余裕のある資金のこと。)

具体的な銘柄

ここからは、実際に上場している会社の銘柄について、上で述べた視点から幾つか紹介していきます。

営業利益・経常利益が伸びている銘柄

前述のように、個別の会社の営業利益・経常利益を見て行くことは、「いい株」を買うのに非常に重要です。
そこで、この営業利益・経常利益が伸びている銘柄を紹介します。
各会社名の後ろの括弧内の数字は、日本国内の証券取引所に上場している企業に対して与えられる識別番号、証券コードを表しています。

ドンキホーテHD(7532)

まず見ていくのは、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などの小売業をメインとするドンキホーテHDです。
2018年6月時点の本決算で、連結での営業利益が516億円(前年同時期比111.7%)、経常利益が572億円(前年同時期比125.7%)となっており、営業利益・経常利益ともに安定的に拡大しています。
さらに、2008年時点と比較し、ここ10年で見ていくと、営業利益はおよそ320%、経常利益は330%、なおかつ29期連続で営業利益の増益と、継続的に伸びていることが分かります。
さらに、1株当たりの利益を表す、EPSも見て行くと、前年同時期比で20.96円と大きく上昇しています。

参考:ドンキホーテHD(7532)の2018年の決算資料
参考:ドンキホーテHD(7532)2016年決算資料

リクルートHD(6098)

次に、人材採用や派遣等のサービス業であるリクルートHDについてです。
2018年8月時点での連結での売上利益は678億円(前年度四半期比120.4%)、2018年第一四半期時点での利益から見て475億円(前年度四半期比117.6%)と、ともに拡大しています。
EPSに関しては、前年度四半期比で4.04円の上昇があり、大きく上昇していることが分かります。

参考:2018年四半期報告書 株式会社リクルートホールディングス

ペッパーフードサービス(3053)

最後に、レストラン運営など、卸売業を提供する、株式会社ペッパーフードサービスについて見て行きます。
2018年(平成30年)における、連結営業利益は149億円(前年度四半期比124.1%)、経常利益は148億円(前年度四半期比123.0%)とこちらもともに安定して伸びています。
実際にEPSを見ても、前年度四半期比で0.16銭の上昇があり、影響があることが分かります。

参考:2018年第2四半期決算短信 株式会社ペッパーフードサービス

少額で買える銘柄

少額から始められる株式について特に、少額で高配当率の銘柄を紹介します。

みずほ(8411)

まずおすすめする銘柄は、様々な金融サービスを提供するみずほFGです。
株価が192.2円(2018年8月14日15時時点)と非常に安く、2万円以下から購入することができる点が初心者にとっては大きなメリットのある株式です。
さらに、配当利回りが3.90%とメガバンクの中で最も高く、株初心者が買うのに適した株であると言えます。
しかし、ここ10年での株価を見ると、上昇は見られず、2018年初めからは減少傾向にあるためこれからの業績に注目が必要です。

双日(2768)

双日株式会社は、航空機や自動車に強い総合商社です。
双日の株は、3万8700円から購入することができる(2018年8月14日15時時点)ことに加えて、特に注目されるのが、配当利回り(株価に対する配当の割合)がここ5年で5倍に増えている点です。
また、会社の時価総額が1000億円を超えていること、営業利益・経常利益ともに前期比で上昇していることから、安定した業績であることも伺えるため、初心者にもおすすめです。

丸紅(8002)

丸紅は、食料や繊維などの物品の売買を行う総合商社です。
最低購入価格は90,790円(2018年8月14日15時時点)と上2銘柄に比べると高くなりますが、注目すべき点としては、配当利回りが3.49と非常に高いことが挙げられます。
さらに双日同様、時価総額が1000億円を超え、営業利益・経常利益ともに前記比125%の上昇も見られます。

株価は、ここ2年で安定的に上がっており、丸紅だけでなく、双日に関しても数年後に原油価格の高騰が見込まれていることも相まって、これら総合商社の株式はこれからも株価の上昇が見込めるとして注目されています。

PBRが低い銘柄

PBRとは、1株当たり純資産の何倍の値段が付けられているかを見る割安感を測る尺度です。
基本的には「1倍」を基準にして、PBRが高ければ株価は高く(割高)、低ければ株価は安い(割安)となります。
このPBRの低い、つまり割安で購入できる株を3銘柄紹介します。

富士フイルムHLDG(4901)

富士フイルムHLDGは、カメラなどのイメージングソリューションや傘下の富士ゼロックスによる事務機器などを提供する化学業界の会社です。
PBRは、2018年8月14日時点で0.86倍でかなり割安となっています。

時価総額が23770億円と非常に大きな企業であるため、今後の急成長は期待できませんが、近年ではヘルスケアの分野にも積極的に事業を展開していることから将来的に成長の余地はあると見込まれます。
配当利回りについても1.62%と、安定的なバランスのとれた銘柄であると言えます。

AGC(5201) (旧名:旭硝子)

AGCグループはガラス製造や販売をメインに行う世界最大手のガラスメーカーです。
PBRは、2018年8月14日時点で0.81倍と同業種の平均とされる1.2倍(2017年12月時点)と比べると、こちらもかなり割安となっています。

2018年8月14時点での株価は4,345円と非常に高くなっています。つまり最低購入可能価格で43万4,500円と、初心者には難易度の高い銘柄であると言えます。
配当利回りが2.44%と高く、また、東京オリンピック後にも続くとされる建設需要の高まりも踏まえ、インフラ関連の銘柄は今後の必要性から株価の上昇が予測されるため、注目の銘柄と言えます。

国際石油帝石(1605)

国際石油帝石は、原油や天然ガスなどを採掘、精製、販売する会社です。
PBRは、2018年8月14日時点で0.58倍と上記2銘柄と比べてもかなりの割安であることが分かります。

2018年8月14時点での株価は1,152円で、10万円弱で株式の所有が可能です。
AGC同様、数年後に石油や原油の高騰が予測されているため、鉱業関連企業の株価もそれに伴って上がると予想されます。

PERが高い銘柄

PERとは、企業の利益に対して株価が何倍であるかを表す指標で、株価が割高なのか、割安なのか、を判断できる利益と株価の関係の目安です。
このPERが高ければ株価は割高、PERが低ければ株価割安である、と判断されます。
一般的な判断基準として、PER10倍以上で「割安」、15倍で「適切」、20倍を超えてくると「割高」と判断されます。

三菱自動車(7211)

自動車の製造、販売を行う三菱自動車のPERを見ていきます。
PERは2018年8月15日時点の予想で11.0倍と、比較的割安であることが分かります。
現在の株価は8.0円で、10万円以下からの株式投資が可能となっています。しかし、株価を長期的に見ていくと、下落が続いています。
配当利回りは2.09%と比較的高くなっていますが、2016年の燃費データ改ざんの不祥事の影響もあり、同業他社との差が大きく開き、株価の下落にも拍車がかかっています。

伊藤忠商事(8001)

2つ目は、繊維や機械、金属などを取り扱う総合商社、伊藤忠商事です。身近なところだと、ファミリーマートを傘下に持っています。
PERは2018年8月15日時点の予想で6.7倍と非常に低く、かなりの割安銘柄となっています。

現時点での株価は1,936円となっており、割安銘柄で配当利回りが3.61%と高くなっていますが、最低購入可能価格が高いため初心者にはあまり適していないかもしれません。
また、ここ5年の株価の変動を見ると、方向感がなく、はっきりしていない状況なので、会社としても安定していますが今後の予測が付きにくい銘柄です。

ニチイ学館(9792)

最後に紹介するのは、医療関連サービスや介護に関するサービス等を提供する、ニチイ学館です。

PERは2018年8月15日時点の予想で9.5倍とされ、10倍以下の割安な銘柄であると言えます。
現時点での株価は928円となっていますが、ここ1週間で大きく反落(上がり続けた株が急激に下がること)しました。
また、営業利益に関しても、第一四半期の決算にて発表された、前年同時期比でおよそ1.2%のマイナスとなっています。

コンセンサスレーティングが高い銘柄

次に、コンセンサスレーティングが高い銘柄を見て行きます。
個々の銘柄について複数の証券アナリストが「買い」なのか「売り」なのかを判断するレーティングの平均を取ったものが「コンセンサスレーティング」です。
株価に影響を与えることも多いため、投資の際はこまめにチェックしておくことが大切です。

ここでは、IFIS株予報のIFISコンセンサスから見ていきます。

日本電産(6594)

モーターで有名な日本電産です。
IFISコンセンサスでは、2018年8月15日現在でレーティング平均が4.7(5.0が最高評価)となっており、かなりの強気評価と見られています。
現時点の株価は15,520円となっており、いざ購入するとなるとかなり高い銘柄であることが分かります。

営業利益もここ5年で安定的に伸びており、それに比例して株価も1年程で大きく上昇しましたが、3ヶ月単位で見ると継続的な下落が続いています。
さらに、PBRが4.92とかなりの割高銘柄となっています。

参考:業績ハイライト 日本電産株式会社

TDK(6762)

TDKは半導体等の電子素材部品の製造と販売を行う会社です。
こちらもコンセンサスレーティングは4.6とかなり高くなっています。
2018年8月14日時点での株価は10,970円とかなりの高値で、株初心者が買うには難しい銘柄です。
予想PERは19.8倍と比較的割高となっています。
営業利益に関しては、2019年3月期発表の決算で、前年同時期比153.1%とかなりの好調でした。

日本電産と同様、電気機器関連の業種は、今後もiPhoneの新作が発表されると予想されるため、まだ上昇の余地はありそうです。

参考:2019年3月期 第一四半期連結決算情報 TDK株式会社

ピジョン(7956)

ベビー用品やマタニティ、女性ケア用品などの製造販売、ヘルスケアや介護事業を営む育児用品の最大手メーカーです。
こちらも強気の4.6というレーティング平均で、同業他社に比べかなり高くなっています。
現時点での株価は5470.0円となっており、ここ5年でかなり手堅く株価が上がっており好調です。
業績についても、営業利益・経常利益の前年同四半期比で、ともに110%超の成長があり、非常に優良な銘柄であると言えます。

参考:2018年1月期四半期決算短信 ピジョン株式会社

長期保有におすすめの銘柄

株式を長期保有することによってメリットとして、配当金や株主優待を長期的に受けられること、売買手数料を抑えることができる、大きなリターンを得ることができること、の3つがあります。
ここではこのポイントを踏まえて、長期保有におすすめな銘柄を3つ紹介します。

花王(4452)

1つ目におすすめする銘柄は、トイレや化粧品などの製造販売を行う花王です。
長期保有のメリットとして、配当金を長期的に受け取れることが挙げられますが、そこで有効になる銘柄が「長期間連続で増配(配当金の増額)が続く」ものです。
連続増配年数のランキングは、配当金チェッカーで逐一確認することができます。
ここから、花王が29年連続での増配を記録し長期間に渡るデフレの中でも圧倒的であったことが分かります。

売上高も緩やかに右肩上がりで、長期的に見ても株価は持続的に上昇を続けています。
10年前の株価と比較するとおよそ6倍に上がっており、これからも注目の銘柄です。

参考:2018年12月期 第二四半期決算短信 花王株式会社

東急電鉄(9005)

東急グループの中核を担う、交通や不動産事業、小売事業を展開する東急急行電鉄です。

これは、長期保有に適したディフェンシブ銘柄(*1)という銘柄です。
景気や金利、為替の変動などの外的要因に影響を受けないことで、業績の長期的な伸びに繋がる銘柄になります。
大きな下落の心配も少ないため、初心者の投資にも適していると言えます。

特に、東急電鉄はこの5年での沿線開発に従って、沿線人口が増えたことで、株価も右肩上がりとなっています。
実際に営業利益の前年同四半期比を見ても、東急電鉄の124.6%に対し、同業の私鉄、東武鉄道は102.8%、京王電鉄は107.0%と高収益であることが分かります。
ちなみに、ほか好調の大手私鉄各社は、インバウンドの急増で空港と都心を結ぶ「スカイライナー」を保有する京浜急行で118.0%、ホテルなどの不動産事業が好調の西武鉄道も118.6%となっています。

配当利回りは1.05%、PBRは1.57倍と割高で配当もまあまあといった銘柄です。
株主優待もありますが、現時点での株価(1804.0円)と比較すると、株主優待での「買い」はないと思われます。
将来的に、今後も沿線の更なる開発が見込まれ、営業利益や経常利益に関してもここ5年で常に上昇を見せていることから、長い目でみた長期保有には優良銘柄と言えます。

(*1:景気動向に左右されず、不景気でも業績を伸ばすことが可能な銘柄のこと。生活必需品を提供する会社が多い。)

参考:2019年3月期 第一四半期決算短信 東急急行電鉄株式会社

イオン(8267)

国内外の290程の企業から成る大手流通グループ、イオングループを統括するイオンです。
日本国内に多数の店舗があり、銀行などの複数の事業も展開する、「準コングロマリット」(*1)のため収益源が多方に渡っています。

優待内容が普段の生活に密着た、利用価値の高さが魅力です。
長期保有による特典は、1,000株以上の3年以上の保有で2,000円から、ギフトカードが進呈されます。

売上高8兆3,909億円は日本国内の小売業ランキングでトップ、全業種でも8位にランクインしています。(日本経済新聞 売上高ランキング[2018年1月22日更新])営業利益も前年比113.8%、経常利益は114.1%とともに、ここ4年で右肩上がりをキープしており、好調です。

国外にも事業を展開していますが、営業利益における国外比率は国内が89%を占めており、外的影響を受けにくいため、株価の安定化にも繋がります。

(*1:直接の関係を持たない、多岐に渡る業種や業界に参入している企業のこと。)

参考:アニュアルレポート2018 イオンモール株式会社
参考:イオン 財務サマリー(10年間)

株主優待が豪華な銘柄

最後に、株主優待が豪華な銘柄を3つ紹介します。

日本ハム(2282)

ハムやソーセージなどの大手食品加工メーカー、日本ハムの株主優待です。
日本ハムの株主優待は、株主であれば保有期間に関係なく誰でも優待を受けることができます。
保有期間、保有数によって優待内容の市価が変わりますが、基本的には自社グループ商品/寄付/スポーツ観戦チケット(グッズ)のいずれかから選ぶことがでます。

2018年4月に優待内容が以上のように変更され、優待を受けられる株主のハードルが大幅に下がりました。
また、長期保有者向けの優待も新たに設立されたため、日本ハムの株主優待は非常に魅力的になったといえます。

日本ハムは、売上高が1兆円を超え、2018年度の肉・食肉業界における売上高・営業利益のランキングではそれぞれ国内1位となっています。

JAL(9201)

続いて紹介するのは、航空会社、日本航空(JAL)の株主優待です。

JALでは、国内線の搭乗料金が50%引きとなる株主割引券を保有株数に応じて発行しています。
これは、普通席大人運賃の片道分が対象となり、割引券1枚について片道1区間が対象となっています。
株主の保有数に合わせて発行枚数が増えて行きます。

これは、年末年始や夏休みの時期の便でも使うことができますが、販売座席数に限りがあることや、株主優待料金の設定がないものもあるので注意が必要です。

この割引券の代わりに、海外もしくは国内のツアーの7%が割引対象となる割引券を発行することができます。
この割引券は、1枚で株主だけでなく、人数制限無く参加者全員が利用することができます。
対象となるツアーは限られますが、株主以外も使用することができ、非常にお得な株主優待であると言えます。

このほかにも「非常救難訓練センター見学会」や「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」といった企画もあります。
募集人数はどちらも80人、抽選による当選者のみ参加することができます。

参考:JAL 株主優待割引券のご案内
参考:JAL 株主特別企画のご案内

髙島屋(8233)

最後に紹介するのは、百貨店を営む小売業の大手、髙島屋です。
髙島屋についても、日本ハム同様に2018年4月に株主優待制度について変更がされました。

髙島屋では、100株未満の株主は優待の対象外とした上で、100株以上の保有者には髙島屋各店での割引対象商品の買い物について、10%の割引が適用される、「株主優待カード」が発行されます。

また、そのなかでも、500株未満の保有者には30万円以内という優待カードの利用限度額が設けられています。
500株以上を保有する株主には限度額はありません。
このカードは株主本人と日本国内に居住するその家族のみ使うことができます。

ほかにも、この株主優待カードを提示することで髙島屋各店で行われる有料の文化催に3人まで無料で入場することができます。

参考:髙島屋 株主優待制度のご案内

銘柄選びをするときの重要な情報源とは

今まで紹介したポイントや銘柄についてを考慮した上で、自分自身で様々な情報を収集してから実際に買う銘柄を決めることが大切です。
そこで最後に株式を購入する際に役に立ちそうな情報サイトやブログを5つ紹介します。

会社四季報オンライン

まずは、東洋経済が出版している会社四季報のオンライン版です。
日本国内の株式投資に関するものでは最大規模のサイトです。

本は2,000ページ近く、そこから情報を見つけるには一苦労ですが、会社四季報オンラインにて簡単に情報を手に入れることが可能です。

本の四季報の年に数回の発売回数に比べ、オンラインでは情報が毎日更新されるため、常に最新の情報が手に入ります。
また、四季報オンライン独自の業績予想やランキング、ニュース、さらには独自の銘柄絞り込み(スクリーニング)をすることもできます。

スマートフォン向けのアプリもあるので、簡単にチェックすることができ、非常に便利です。
基本的には無料で利用することができますが、ほとんどのサービスが有料会員限定のものとなっています。
月々1,080円から有料会員となって利用することができます。
初めての会員登録であれば、初月無料で申し込むことができるため、まずはお試しで使ってみるというのも有効です。

会社四季報オンライン

株ドラゴン

市場別、業種別、値動きの種類別に出来高(取引さらている株数)や株価チャート(株価の動きを見るためのグラフ)を無料で、会員登録をする必要なく誰でも見ることができます。

普通のサイトなどでは確認できないようなランキングや、特に値上がりなどのランキングは細分化されてかなりの数を見ることができます。

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株マップ.com

金融工学を使った投資分析からコンテンツを提供する、クォンツ・リサーチという会社が運営する株式投資に関する情報を総合的に集めた情報サイトです。
初心者向けに銘柄探しの指南ツールから、中・上級者向けの株式分析ツールまで、数多くのツールが揃っています。

銘柄を探し、銘柄・市場など様々な分析を行い、管理することが可能です。
株価の情報は基本的い20分遅れのものが表示されますが、プレミアム会員となり、なおかつリアルタイムでの株価が分かるサービスをオプションで申し込むこともできます。
プレミアム会員は月額2,800円でリアルタイム株価サービスは追加料金1,000円で申し込みが可能です。
銘柄検索、分析についても無料会員では使用に制限があるツールが幾つかあります。

株マップ.com

株探

このサイトは、株式関連のニュースや決算速報、投資に役立つコンテンツが多く詰まっている、銘柄探しをサポートしてくれる株式情報サイトです。

『市場ニュース』という、その日の決算発表予定銘柄を表示させ、四半期毎に業績が上がる可能性の高い、有望銘柄を事前にキャッチすることができるコンテンツがあります。
ここでは、個別の注目銘柄や決算情報の速報などの全9つのカテゴリで構成されるニュースを見ることができ、世界中の金融市場の動きやトレンドな業種など全体像をこの『市場ニュース』から得ることができます。

さらに、決算速報では決算を発表した銘柄が一覧で、新着順にて表示されます。
全ての上場企業の決算や収益の増減に関する情報がリアルタイムで国内最速で知ることができ、非常に魅力的です。

PBRやPERといった指標を用いて行う「ファンダメンタルズ分析」では、業績に注力して分析が行われるため、『銘柄探検』コンテンツの四半期毎に業績が上がる可能性の高い有望銘柄を探すことができるため、かなり有効な材料を探し当てることが可能と言えます。

ほかサイトと比較しても初心者に分かりやすく、素早い情報収集を大きくアシストしてくれるサイトです。

株探

ブログ:「かぶ1000投資日記」

株初心者におすすめな方法として、勝っている人を真似ることも非常に有効なやり方です。
ブログの運営者は2017年時点で株式投資だけで3億円以上の資産を築いている方です。

このブログの特徴として、運営者が保有銘柄を全て公開している点です。
購入時には銘柄を明かしませんが、後から公表し、なぜその銘柄を購入したのか、を示してくれます。
様々な銘柄の購入根拠を見て行くと、実際に自分が買う際にポイントとして意識すべき箇所がわかってきます。

かぶ1000投資日記

銘柄選びのポイントを抑えて、株式投資をスタート

これまで、株初心者の方が株式投資を始める際に抑えるべきポイントを見てきました。
紹介した情報は全て2018年8月時点での情報になります。
株式投資は「自己責任」になります。
ここで紹介した情報源や方法だけでなく、様々な視点から情報を集めて購入を決めることが大切です。

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