2006年に開始したジャパンネット銀行のJNB-FXは、一般タイプと初級タイプの2つのコースから取引ができます。通貨ペアや取引単位数においては違いはありませんが、レバレッジは一般タイプでは25倍、初級タイプでは1倍に設定されています。こちらでは、ジャパンネット銀行の2つのコースの違いや評判、使いやすさについて解説します。
ジャパンネット銀行FXとは
ジャパンネット銀行で利用できるFXコースは、JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプの2種類あります。JNB-FXPLUS一般タイプは、最大レバレッジが25倍のスタンダードなコースです。
一方、JNB-FXPLUS初級タイプは、レバレッジが1倍に設定されています。レバレッジは、少額資金でも取引ができるメリットがある反面、過剰なレバレッジはハイリスクを伴う可能性があります。JNB-FXPLUS初級タイプでは、レバレッジのリスクを抑えたコースとなっています。リスクを抑えたい、スワップポイントで利益を出したいという方におすすめのコースです。
参考:JNB-FXPLUS初級タイプ(ジャパンネット銀行公式サイト)
ジャパンネット銀行FXの特徴
FX業者は、サービス内容や取引において、強みや特徴があります。それぞれの特徴を把握し、「コストを抑えたい」「使いやすい取引ツールがいい」など、ご自身のトレードスタイルと相性の良いFX業者を選びましょう。
メリット
ジャパンネット銀行のメリットは、安全性が高く、少額から取引ができる点です。
ジャパンネット銀行の財務体制は、JCRによる長期優先債務格付にてA+を獲得しており、自己資本比率は25%以上を維持しています。健全な財務体制が確立されているため、FX業者として高い信頼と安全性が期待できます。
FX業者によっては、出金に数日かかることもありますが、ジャパンネット銀行の入出金はリアルタイムです。すぐに入金できるため、証拠金が不足した場合にもすぐに対応することができます。また、FXの利益をその場で出金できることもポイントです。
ジャパンネット銀行の取引単位は1,000通貨です。例えば、米ドル/円で取引する場合、わずか4,000円から投資を開始することができます。ジャパンネット銀行では、少額から取引ができるため、初期投資を安く抑えることができます。
デメリット
ジャパンネット銀行のデメリットは、スプレッドが広く、通貨ペアが少ない点です。
ジャパンネット銀行のスプレッドは、比較的広く設定されています。さらに、変動スプレッドを採用しているため、相場の動きに応じてスプレッドがさらに広まる可能性があります。DMMFXやGMOクリック証券など、狭いスプレッドのFX業者を利用したことのある方にとっては、コストが高いと感じるかもしれません。
ジャパンネット銀行の取り扱い通貨ペアは全16ペアです。FXを取り扱う金融機関の中では比較的多めですが、FX専業業者に比べると取り扱い数は少なめです。また、高金利のメキシコペソやトリコリラも取り扱っておらず、スワップもそれほど高くありません。
ジャパンネット銀行FXの詳細
ジャパンネット銀行について、取扱商品やコスト、機能ごとに解説します。ジャパンネット銀行のメリットとデメリットだけでなく、詳しいサービス内容も確認してから口座を開設するようにしましょう。
取扱商品
ジャパンネット銀行では、JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプの2つのコースから取引することができます。必ずコースごとにサービス内容を確認しましょう。
通貨ペア数
ジャパンネット銀行では、JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプ共に、全16通貨ペアを取り扱っています。FX業者の通貨ペア取扱数が20前後であるなか、ジャパンネット銀行の取り扱い数はそれほど多くはありません。
米ドル/円 | ユーロ/円 |
ユーロ/米ドル | 豪ドル/円 |
ポンド/円 | NZドル/円 |
カナダドル/円 | スイスフラン/円 |
香港ドル/円 | ポンド/米ドル |
米ドル/スイスフラン | 南アフリカランド/円 |
ノルウェークローネ/円 | シンガポールドル/円 |
豪ドル/米ドル | NZドル/米ドル |
最低取引単位数
最低取引単位数とは、FXの1度の取引における取引単位です。
ジャパンネット銀行は、JNB-FXPLUS一般タイプ、JNB-FXPLUS初級タイプ共に1000通貨単位から取引することができます。取引単位数が少ないほど少額資金で取引ができ、1000通貨単位は比較的低い取引単位数となっています。
上限取引単位数
上限取引単位数とは、1度の取引における最大取引数量です。
ジャパンネット銀行は、JNB-FXPLUS一般タイプで200万通貨、JNB-FXPLUS初級タイプで50万通貨の上限が設けられています。
コスト・利益
FXでは、口座開設の際には口座開設費が、取引の際にはスプレッドと呼ばれるコストが発生します。コストはFX業者で異なり、コストの違いは得られる利益にも大きく影響します。必ず各FX業者のコストを確認しましょう。
FXのスプレッドはトレーダーにとって手数料。変動要因や計算方法を理解しましょう
手数料
ジャパンネット銀行では、口座開設や口座維持に手数料は発生しません。以下は、JNB-FXPLUS一般タイプ、JNB-FXPLUS初級タイプの手数料です。
手数料 | 料金 |
口座維持費 | 無料 |
取引手数料 | 無料 |
日本円の入金手数料 | 無料(*1) |
日本円の出金手数料 | 無料(*2) |
(*1:定額自動入金サービスのみ無料。ATM、振込入金の場合は手数料が発生します。)
(*2:ATMで出金する場合、月1回まで無料です。)
スプレッド
スプレッドとは、取引におけるコストです。スプレッドが狭い(低い)と、取引にかかるコストを安く抑えることができます。
ジャパンネット銀行では、変動スプレッドが採用されています。変動スプレッドとは、相場の変動に応じてスプレッドが変わるため、取引ごとにスプレッドが異なります。
変動スプレッドに対して、固定スプレッドもあります。固定スプレッドとは、決まったスプレッドで取引でき、大幅な相場変動がない限り原則固定です。
スリッページ(約定力)
FXでは、注文価格と実際に確定した価格に差が生じることがあります。この差をスリッページと言います。スリッページを最小限に抑えるためには、約定力が高いFX会社を選ぶことが大切です。(*1)
ただし、約定力は公式サイトで公表されるものではないため、利用者の評価や口コミから自己判断する必要があります。一度ご自身で評価や口コミを調査し、できるだけ利用者の評判が高いFX業者を選ぶようにしましょう。
以下は、ジャパンネット銀行の利用者の口コミや評価を一部抜粋したものです。
とにかく滑る。約定するタイミングでお客に有利に働く事は無いです(悪い方にはかなり滑る)
引用元:価格.com
引用元:価格.com
引用元:マネフルFX
入金出金は即時にできるし、安定性も高い。滑りも特に無いと思う。
スプレッドが少し大きいのが残念。
(*1:約定力とは、投資家の希望通りに注文が通る割合や確率のことを指します)
スワップポイント
スワップポイントとは、取引する通貨の金利差で、業者ごとに異なります。
ジャパンネット銀行では、スワップポイントは非公開となっています。そのため、実際に取引するまでスワップポイントを確認することはできません。
キャッシュバック/キャンペーン
ジャパンネット銀行では、期間限定でキャッシュバックやキャンペーンが開催されています。ただし、他のFX業者や金融機関と比べると、それほどキャンペーン数は多くありません。
以下は、過去のジャパンネット銀行のキャンペーンを抜粋したものです。
キャンペーン名 | 内容 | 期間 |
FX取引すると93,000円分が当たるキャンペーン | 取引量に応じて最大93,000円をプレゼント | 第一弾:2018/9/3~2018/9/29 第二弾:2018/10/1~2018/11/1 第三弾:2018/11/1~2018/12/1 |
機能
FXは、利用する業者ごとに取引ツールが異なるため、ツールに搭載されている注文機能も異なります。自身のトレードスタイルに合わせて、利用できる注文機能を確認しましょう。
注文機能
ジャパンネット銀行では、以下の7種類の注文機能を利用できます。なお、JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプ共に利用できる注文方法は同じです。
成行
リアルタイムのレートで買いや売りの注文を出す方法です。あらかじめ価格を指定するのではなく、その瞬間の価格で売買します。
指値
あらかじめ設定したレートに到達した場合に注文を確定する方法です。
逆指値
あらかじめレートを設定し、予想外の値動きをした場合に、損失を拡大させないために注文(ロスカット)を確定する方法です。
IFD
新規注文と決済注文の2つの注文を同時に出す方法です。通常、注文と決済は別で発注しますが、IFDは両方同時に行います。
OCO
2つの注文(指値と逆指値)を同時に発注する方法です。1つの注文が約定すると、もう1つの注文は自動でキャンセルされます。
IFDOCO(IFO)
IFDとOCOを組み合わせた注文方法です。
ストリーミング
成行注文において、許容スリッページを指定して注文する方法です。
取引
ジャパンネット銀行では、自動売買サービスがありません。自動売買とは、あらかじめ搭載された自動売買プログラムにもとづいて、売買注文を行う方法です。システムトレードと呼ばれることもあります。
最大レバレッジ | 25倍 |
自動売買 | × |
追証 | |
スリッページ設定 | ◯ |
デモトレード | ◯ |
入出金
JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプの入金、出金方法については以下の通りです。
クイック入金(対応銀行数) | ◯(対応銀行:1行)(*1) |
ネット出金 | ◯ |
米ドルの証拠金換金 | 記載なし |
現受け | 記載なし |
初回入金額 | 規定なし |
(*1:ジャパンネット銀行)
トレードスタイル
ジャパンネット銀行では、バイナリーオプションが認められていません。なお、スキャルピングに関しては、明確に禁止していませんが、ヒロセ通商のように公認をしているわけでもありません。
システムトレード | × |
スキャルピング | 明記なし |
バイナリーオプション | × |
両建て | ◯ |
通知
FXでは、注文が確定した際やロスカットが行われた場合に通知が届くようになっています。以下は、ジャパンネット銀行で利用できる通知機能です。
ロスカットメール | ◯ |
レートプッシュ(*1) | ◯ |
注文受付通知 | ◯ |
約定通知 | ◯ |
ウィジェット(*2) | ◯ |
(*1:あらかじめ設定したレートに到達した場合に、通知が届く機能)
(*2:アプリを起動しなくても、スマホ画面上にニュースやレートの通知が確認できる機能)
為替情報
ジャパンネット銀行で利用できる為替情報は、以下の2種類です。
なお、ジャパンネット銀行では過去にWEBセミナーが開催されていましたが、2011年以降はFXに関するセミナーは開催されていません。
取引環境
JNB-FXPLUS一般タイプとJNB-FXPLUS初級タイプに、パソコン、スマホ、携帯電話から取引することができます。
ウェブブラウザorインストール | ◯ |
mac対応 | ◯ |
モバイル対応(アプリ) | ◯ |
ガラケー対応 | ◯ |
日本語対応 | ◯ |
運営会社
ジャパンネット銀行は、2000年に日本で初のインターネット専業銀行として創業されました。
口座数 | 389万口座 |
自己資本規制比率 | 25.55%(※2018年9月) |
資本金 | 372億5,000万円 |
証拠金残高 | 記載なし |
証拠金の信託先 | 三井住友銀行 |
決済の公開 | ◯ |
上場 | 非上場 |
サポート(24時間) | × |
取引時間/注文受付時間 | 月曜日〜金曜日 午前7:10~翌6:55 (夏時間 月曜日:午前7:10~翌5:55、火曜日~金曜日:午前6:10~翌5:55) |
電話受付時間 | 平日、祝日9:00~17:00(土日を除く) |
月間取引額 | 非公開 |
最短口座開設日数 | 記載なし |
申し込みの流れ
ジャパンネット銀行でFXの取引をするためには、先に普通預金口座を開設し、その後FX口座の開設手続きを行います。
まずは、普通預金口座の口座開設の手続きを解説します。普通預金口座は、アプリもしくは郵送で開設手続きを行います。
アプリでの申し込み方法
アプリでの普通預金口座の開設は、以下の手順で行います。最短で5日で口座を開設することができます。
- ジャパンネット銀行のアプリをダウンロード
- アプリから「初めて口座開設登録を行う方」を選択
- 普通預金口座を申し込む
- 提出する本人確認書類を選択&撮影
- 必要情報を入力
- 後日郵送されるキャッシュカードを受け取る
郵送での申し込み方法
郵送での普通預金口座の開設は、以下の手順で行います。郵送の場合、口座開設までに約2週間程度かかります。
- WEBの申し込みフォームに必要情報を入力
- 本人確認書類を郵送にて提出
- 後日郵送されるキャッシュカードを受け取る
利用可能な本人確認書類
ジャパンネット銀行では、以下のものを本人確認書類として利用できます。
FX口座を開設
普通預金口座の開設完了後、FX口座の開設手続きを行います。FX口座の開設は、以下の手順で行います。
- WEBにログイン
- FX口座開設の申し込みフォームに情報を入力
- マイナンバーを提出
マイナンバーは、郵送もしくはアプリにて提出します。
こんな人はジャパンネット銀行を
今回は、ジャパンネット銀行のメリットやデメリット、特徴について解説しました。
ジャパンネット銀行は、いち早くFXサービスを開始した老舗のインターネット専業銀行です。自己資本比率は25%を超え、確固たる財務体制を築いているため、信頼性に定評があります。さらに、コースにはレバレッジを1倍に抑えた初級タイプがあり、サービス面においてもリスクを考慮した内容となっています。
ただし、他のFX業者と比べるとスプレッドが広く、その分取引コストが高くなる可能性があります。また、取り扱い通貨ペアが少なく、高金利のメキシコペソやトルコリラが含まれていません。スプレッドやスワップポイントを重視する方にとっては、使いにくく感じる可能性があります。
ジャパンネット銀行FXを検討されている方は、メリットとデメリットを把握し、ご自身のトレードスタイルに合っているか確認しましょう。