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海外FXの税金の計算方法とは。納税対象者、税率、税金対策、メリットについて解説

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海外FXで利益が発生した場合、日本に居住している限り、国内FXと同様に所得税や住民税が課されます。ただし、税金の計算方法や税率は国内FXと異なります。さらに、国内FXでは利用できる損失繰越も海外FXでは利用することができません。海外FXの利用者は、税率や税金の計算方法、税金対策についてきちんと学びましょう。

海外FXの税金の計算方法を調べている人

そもそも納税の義務がある人とは

日本国民の義務の1つに、納税の義務が挙げられます。では、この納税の義務は、海外に居住している日本国民にも適用されるのでしょうか?

日本国居住者は納税の義務

FXで発生した利益には、所得税や住民税などの税金がかかります。日本国内居住者は、この税金を支払う必要があります。FXで利益が発生した場合は、確定申告にてきちんと申告しましょう。

海外FXの場合

海外FXで発生した利益にも税金が発生します。日本では、国内に居住している者は、所得の発生場所が海外であってもその所得に対して税金を支払わなければいけません。つまり、日本に居住している限り、海外FXで発生した利益は、日本の税務署に納税しなければいけません。

参考:納税義務者となる個人(国税庁)

海外FXにかかる税金とは

日本居住者は、海外FXで利益が発生した場合、日本に納税しなければいけません。では、海外FXではどの種類の税金が発生するのでしょうか?

国内FXと海外FXの税制の違い

国内FXと海外FXでは、税制度が異なります。そのため、同じ金額の利益が発生しても、支払う税金の金額も異なってきます。

申告分離課税と総合課税

国内FXは、申告分離課税を採用しています。申告分離課税とは、給与などのほかの所得とは合算せず、個別に税金が課せられる税制度です。国内FXは、利益に対して一律20.315%の税率が課せられます。

一方、海外FXは総合課税を採用しています。総合課税とは、各所得を合算し、合算した合計金額に対して税金が課される制度です。つまり、海外FXの利益とそのほかの利益を合算し、税金を計算します。

税金発生のタイミング

税金の発生するタイミングは、ポジションのタイミングです。基本的には含み益に対して税金は課されません。ただし、FX会社によっては含み益に税金が課される場合があるため、必ずFX会社で税金が発生するタイミングを確認してください。

なお、FXは1月1日から12月31日の1年間の利益を翌年の2月16日から3月15日の確定申告にて申告します。

海外FXのメリット

海外FXのメリットとして、以下の2点が挙げられます。

  1. 経費を計上できる
  2. ボーナスが課税対象外

1.経費を計上できる

海外FXの費用は、経費として認められます。FXでは、利益に対して税金が課されますが、経費が発生した場合は、利益から差し引くことができます。例えば、80万円の利益が発生した場合、80万円×税率で税金が算出されます。その際、10万円の経費がかかった場合は、(80万円-10万円)×税率で算出されるため、税金を安く抑えることができます。

2.ボーナスが課税対象外

海外FXは、国内FXと比べて入金ボーナスが多く開催されています。例えば、100%入金ボーナスでは、初回の入金が10万円だった場合、20万円の証拠金で取引することができます。これらのボーナスは、課税対象外となるため、税金が発生しません。

海外FXのデメリット

  1. 損失繰越ができない
  2. 利益が増えるほど多く課税される

1.損失繰越ができない

海外FXでは、損失繰越を利用することができません。損失繰越とは、前年に発生した損失を翌年に繰り越すことです。FXでは、税金対策として利益から損失を差し引くことができ、損失繰越を利用することで翌年に利益が発生した場合には、税金を安く抑えることができます。

ただし、損失繰越が利用できるのは国内FXのみであり、海外FXでは損失繰越を利用することができません。つまり、損失が発生した場合でも、その損失を翌年に繰り越すことができないのです。

2.利益が増えるほど多く課税される

国内FXは、利益に対して一律20.315%の税率が課せられます。一方の海外FXでは、利益額に応じて税率が引き上げられます。つまり、海外FXで稼げば稼ぐほど、支払う税金も多くなる仕組みとなっています。

海外FXの税金計算

海外FXは、国内FXと異なり、FXの利益とそのほかの所得を合算して税金を計算します。サラリーマンの方は、税金を計算する際には給与もきちんと考慮しましょう。

なお、海外FXでは、所得税、復興特別所得税、住民税が発生します。それぞれの税率と計算方法を解説します。

所得税

海外FXの税率は以下の通りです。なお、上述したように、所得金額は海外FXだけでなく、そのほかの所得も合算した金額です。

所得金額 税率 控除額
〜195万円 5% 0円
195〜330万円 10% 97,500円
330〜695万円 20% 427,500円
695〜900万円 23% 636,000円
900〜1,800万円 33% 1,536,000円
1,800〜4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円〜 45% 4,796,000円

復興特別所得税

復興特別所得税は、以下の計算式で求められます。例えば、FXの収入が500万円の場合、所得税は572,500円、復興特別所得税は12,022円です。

  • 所得税額×2.1%
  • 住民税

    海外FXの住民税は所得の10%です。国内FXは所得の5%のため、海外FXは国内FXと比べて住民税が高くなります。なお、10%の内訳は、都道府県民税が4%、市区町村民税が6%です。

    海外FXと確定申告

    海外FXで発生した税金は、確定申告にて申告し、納税します。ただし、FXの収入の金額によっては、確定申告が不要な場合があります。

    確定申告をすべき人

    確定申告の対象者は、給与所得者と非給与所得者で条件が異なります。学生であっても、FXの収入によっては税金を支払う必要があるため、必ず確認しましょう。

    給与所得者

    給与が2,000万円以下で、FXの収入が20万円以上ある方は、確定申告を行わなければいけません。つまり、給与所得2,000万円以下で、FXの収入が20万円を下回る場合は確定申告は不要です。

    非給与所得者

    自営業者や主婦、学生など、非給与所得者は、FXの収入が38万円以上ある方は、確定申告を行わなければいけません。なお、年金受給者の方は、年金の収入が400万円以下でFXの収入が20万円以上の場合に確定申告が必要です。

    申告漏れは脱税になることも

    FXで税金が発生した場合は、必ず確定申告にて申告しなければいけません。もし、申告を行わなかった場合でも、税務署はあなたの取引利益を把握しています。なぜなら、法律で税務署に対して、FX会社の顧客情報の提出が義務付けられているからです。万が一、申告漏れが判明した場合は、脱税行為とみなされ、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処される可能性があります。

    海外FXでも正しく納税しましょう

    今回は、海外FXの税金について解説しました。海外FXでは、総合課税を採用しており、FXの収入とそのほかの所得を合算して税金が計算されます。税率は、利益の金額に応じて引き上げられるため、利益が多ければ多いほど、高い税率が課されます。税金を安く抑えるためにも、経費などを利用して税金対策を行いましょう。

    なお、FXの収入は、確定申告にて必ず申告しなければいけません。万が一、申告漏れが判明した場合は、脱税行為とみなされる場合があります。納税は国民の義務のため、必ず確定申告にて申告しましょう。

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