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ロボアドバイザー 投資

ロボアドバイザーとは?仕組みとメリット・デメリット、具体的な利回りや実績も比較

更新日:

「ロボアドバイザー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
ここ2年ほどで一気にサービスの提供が始まり、最先端の投資サービスとして話題の「ロボアドバイザー」について、仕組みやメリットとデメリット、さらに実際のロボアドバイザーの運用実績を比較したブログも紹介します。

ロボアドバイザーについて調べる人の画像

ロボアドバイザーの概要

ロボアドバイザーとは、AIを駆使して自動で資産運用を行ってくれるサービスのことです。

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーは通称「ロボアド」とも言われる、AI(人工知能)の技術を活用した、金融機関の最先端の投資サービスです。
アメリカで誕生し、日本ではここ3年でサービスを提供する金融機関が一気に増えました。
自分に合った最適なポートフォリオを診断し、提供してくれます。
さらに、資産運用についてのアドバイスや自動で資産運用などもしてくれ、非常に便利です。

このロボアドバイザーには「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類があります。
それぞれについて見て行きます。

アドバイス型

1つ目は「アドバイス型」です。
これは、投資に関するアドバイスのみを行うロボアドバイザーを指し、パソコンやスマートフォン上から様々な質問に答えることで自動的にポートフォリオを決めてくれます。
しかし、運用方針提案後の実際の金融商品の購入や運用は投資家自身で行う必要があります。

アドバイス型のロボアドバイザーのおすすめを3つ紹介します。

投信工房

1つ目は松井証券が提供する「投資工房」です。
投資工房では、8つの質問に答えるだけで条件に合ったポートフォリオを提示・アドバイスしてくれます。
松井証券の口座を持っていれば誰でも利用でき、利用料も無料です。
また、積立投資という長期に渡る継続した積み立てが100円から可能なため、資産運用に対するリスクとハードルが下がり、積立投資が継続しやすくなります。
NISA口座も利用可能です。

購入手数料が圧倒的に安く、運用を始めたあとも、資産を保有している間の銘柄ごとの利益や損失によって起こる資産配分のズレも自動的に調整してくれます。
スマートフォンアプリも提供されており、アプリ内で全機能を行うことができるのも、大きなメリットです。
何かわからないことがあれば、松井証券チャットサービスでは、チャット感覚で質問できるサービスも充実しており、初心者も安心です。

SBIファンドロボ

2つ目におすすめするのは、ネット証券会社大手のSBI証券が提供する「SBIファンドロボ(FundRobo)」です。
こちらも無料で使えるWebサービスで、国内およそ5,000種類内でSBI証券の取扱投資信託2300種類から、運用効率の優れた最適なポートフォリオを提案してくれます。

実際の資金が動くほどの影響力を持ち、世界No1の投資評価会社であるモーニングスター社のデータをベースに診断が行われるため、非常に精度の高い中立性の保たれた診断結果が得られます。
無料で利用可能なだけでなく、SBI証券の口座の保有に関わらず誰でもすぐに利用することができ、非常に便利です。
投資工房同様、SBIファンドロボもNISA口座での利用が可能です。

野村のゴールベース

アドバイス型で最後におすすめするのは国内証券会社最大手の野村證券が提供する「野村のゴールベース」です。
野村のゴールベースでは、予めリスクに応じて分けられている「のむラップ・ファンド」という5種類のなかから適した1コースを案内する仕組みとなっています。
非常にバランスの取れたポートフォリオが提案されるため、リスク分散がきちんと行われた、着実な運用を行うことができます。
また、投資工房と同様に資産配分のズレも自動的に調整してくれ、NISA口座も利用可能です。

投資一任型

ロボアドバイザーの2種類目は「投資一任型」です。
投資一任型では、ポートフォリオの提案・アドバイスから実際の買付・運用の全てを行ってくれるサービスです。
先ほどのアドバイス型に比べると手数料も高くなりますが、資産運用に関する全てを任せることができます。
しかし、アドバイス型では可能だった運用益が全て非課税となるNISA口座との組み合わせには対応していません。

この投資一任型についても幾つか具体的にロボアドバイザーを紹介します。

WealthNavi

最初にロボアドバイザーサービスを専門に行う、株式会社ウェルスナビが提供する国内最大手ロボアドバイザー「WealthNavi」を紹介します。
WealthNaviでは、運用資金10万円から始めることができ、5段階のリスク許容度から最適なポートフォリオを提案してくれ、半年に1回自動で資産配分のズレも自動で調整してくれます。
自動的に国際分散投資も行ってくれるのでリスクの分散にも繋がります。
運用手数料は投資一任型のロボアドバイザーでは非常に安くなっており、さらに預かり資産が一定金額を超えることで手数料が引き下げられます。
「DeTAX」と言われる節税対策も自動で行ってくれるので非常に便利です。

大きな特徴として、クイック入金と言われる仕組みがあり、WealthNaviで指定した口座にすぐに入金することができます。
手数料も無料で、三井住友銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行などのネットバンクを利用していれば行うことができます。

THEO

次に紹介するのは、株式会社お金のデザインが提供する「THEO」です。
5つの質問に答え、口座開設を申し込むだけで利用を開始することができます。
最低投資額が1万円から始められ、初心者に対するハードルも低くなっています。
提案可能なポートフォリオは230種類を超え、他のどのロボアドバイザーよりも圧倒的に多くなっています。

運用手数料は預け資産についてかかり、WealthNavi同様、預け資産額が一定の金額を超えると手数料が引き下がります。
資産配分のズレを自動で調整してくれます。
世界中11,000以上の銘柄にを対象に分散した投資を行うことができ、リスク分散の点で非常にメリットとなりますが、国内の銘柄は対象外となっっています。

楽ラップ

3つ目に紹介するのは楽天証券が提供する「楽ラップ」です。
ネット証券業界でもっとも早く提供されたロボアドバイザーサービスで、楽天証券の口座を開設しておく必要があります。
運用手数料のパターンを2種類から選ぶことが可能で、個々の投資家の状況によって使い分けることができます。

最も大きな特徴として、「下落ショック軽減機能(TVT)」という機能があります。
これは、資産運用の価格変動のリスクについて、株価の急下落に対応して発生する損失を緩和することのできる機能で、資産価値の大幅ダウンを防ぐ、楽ラップにしかない特別な機能です。

しかし、解約をした場合に、お金が口座に戻ってくるのは、手続き開始から10日程かかってしまいます。

MSVLIFE

4つ目はマネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社が提供する「MSVLIFE」です。
「マネラップ」という愛称で呼ばれ、マネックス証券にて口座開設を行う必要がありますが、運用自体はマネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社が行います。

最低投資額が1,000円から可能で、他ロボアドバイザーに比べて圧倒的に安くなっています。
資産運用の目的を明確にすることで、適したポートフォリオが提案され、途中の達成状況を確認できるため、何か目的のために資産運用を行いたい場合に適しています。

マネックスアドバイザー

最後に紹介するのは、マネックス証券が提供する「マネックスアドバイザー」です。
2017年10月から提供が開始されたばかりのマネックスアドバイザーは、投資一任型のロボアドバイザーの中で最も手数料が安いサービスです。
他ロボアドバイザーの手数料が1%前後であるのに対し、0.3%と非常に安くなっており、長期に渡る資産運用では大きな差となります。

世界中に分散投資ができ、さらに資産配分は自分自身で運用プランや資産配分などを専門家の相場見通しやレポートなどの情報を反映して、変更します。自動では行ってくれません。
最低投資金額は5万円からとなっており、若干高めです。
もし、解約したいと思ったときには、いつでも解約が可能で、お金も最短でその日中には全額口座に戻ってきます。

ロボアドバイザーのメリット

初心者でも安心して始められるロボアドバイザーについて具体的にみてきました。
実際にこういったロボアドバイザーを使うことで、どんなメリットが得られるのでしょうか。

投資の知識が不要

投資一任型のロボアドバイザーは、資産運用に関する全てを自動で行ってくれます。
そのため、投資に関する知識がなくても初めのポートフォリオ提案の際の質問に答えるだけで、自動で機械がより良い方法を判断し、資産運用を行ってくれます。
しかし、用いるロボアドバイザーによっては資産配分の際には自分自身で変更する必要がある場合もあるため、全てのロボアドバイザーが完全放置で安全な資産運用が行えない点には注意が必要です。

時間を取られない

ロボアドバイザーは基本的にWebサイトやスマートフォンアプリ上でのサービス提供になるため、いつでも時間の空いたときに利用でき非常に便利です。
銀行や証券会社などの営業時間が限られている中で、実際に店頭に赴くのは非常に難しく、対してロボアドバイザーは手軽に資産運用サービスやアドバイスを受けることができ、投資に時間をあまり割くことのできない働き盛りの世代には有効です。

少額投資が可能

いくつかロボアドバイザーの例を見ましたが、多くのロボアドバイザーが10,000円などの少額でも投資が可能となっており、資産運用についてのハードルがさらに下がっていることも大きなメリットです。
なかには1,000円から運用を開始できるロボアドバイザーもあり、これからも最低投資額は引き下がっていきそうです。

個人にあった運用プランを提案してくれる

アドバイザー型、投資一任型どちらのロボアドバイザーの場合でも、サービスとして投資家の状況に基づいてポートフォリオの提案をしてくれます。
個人の状況について様々な質問がなされ、ロボアドバイザー内にある様々な情報と照らし合わして最適なポートフォリオを提供してくれます。

定期的に資産の見直しをしてくれる

株価が日々変化することによって、ポートフォリオにおける様々な資産の価値も変化し、保有資産の価値比率は乱れてしまいます。
そのため、こういった値上がりや値下がりの動きに合わせてポートフォリオの配分が崩れないよう、資産の購入や売却によって調整することを「リバランス」と言います。
リバランスはポートフォリオの効果的なメンテナンスに欠かせない運用方法で、ロボアドバイザーの場合には基本的に定期的に自動で行ってくれます。
定期的にリバランスを行うことで、保有資産のリスクが上がらないようにしてくれます。

ロボアドバイザーのデメリット

続いて、ロボアドバイザーのデメリットについて見て行きます。

自身で運用するよりも手数料が高い

ロボアドバイザーには手数料がかかります。
サービスによって若干の差はありますが、投資一任型だと年間で預け資産に対して1%が平均的です。
これは例えば10万円を運用した場合には1年間で1,000円の手数料がかかってしまいます。

また、ロボアドバイザーの発祥であるアメリカ市場では、預け資産に対して手数料がおよそ0.25%と、日本のおよそ4分の1となっており、大きな差となっています。

短期的な投資には向かない

ロボアドバイザーによる投資は、そもそも一時的に値下がりしていても、長期的に見ると値上がりしていることを見越して行われる長期的な投資を目的にしています。
そのため、短期的な値上がりを期待してサービスを利用すると、一時的な値下がりのタイミングで儲からないと誤判断してしまい、手数料や解約金などによって損失だけが残ってしまいます。

元本割れのリスク

ロボアドバイザー投資も投資であり、いくら最先端と言えども投資の1つです。
投資株式や債券の価格変動や海外の投資商品の為替変動、保有株式や債券の会社の赤字・倒産による価格下落など様々な不測の事態によって損失の可能性が潜んでいます。
そのため元本割れのリスク、投資に当てた額に対してマイナスとなってしまう危険性は付きものです。

ポートフォリオにおいて様々な方法で分散投資を行い、リバランスを定期的に行うなどリスク回避を行っていても、損失が出てしまう可能性は十分にあるのです。

nisaが使えない

投資一任型のロボアドバイザーは、運用益が全て非課税となるNISA口座と組み合わせて用いることはできません。
NISA口座とロボアドバイザーについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ロボアドバイザーに向いている人

ロボアドバイザーのサービスを利用するのに適した人とはどのようなひとなのでしょうか。

日々忙しくて時間がない

ロボアドバイザーは、いつでも、どこでも利用することのできるサービスです。
そのため、将来のために資産を作っておきたいけど、投資だけに時間を割くことのできないひとには非常に便利なサービスです。

投資の知識が少ない

投資に関する知識が少なく、どの銘柄をどんな基準から購入すればよいのか分からない場合でも、ロボアドバイザーから具体的なポートフォリオを提示されることで、知識が少ない場合でも安心して購入することができます。
特に投資一任型においては、知識がなくても購入した後もロボアドバイザーが定期的にメンテナンスを全て行ってくれます。
株初心者などで、初めて投資を行うひとが、まず実際に投資を経験するにはとても有効なツールです。

少額で資産運用を始めたい

ロボアドバイザーの最低投資額はそれぞれ異なりますが、なかには1,000円から投資が可能なものもあり、少額からでも資産を形成したいひとに適しています。

投資信託との違い

投資信託とは自分で投資する代わりに、いつ、どれくらい、どんな金融商品を購入するのかの判断を専門家に任せてしまうことです。
つまり、ロボアドバイザーではAIという機械に任せる一連の手続きを、専門家という人間に任せるのが投資信託です。

ロボアドバイザーの利回り・実績比較

ロボアドバイザーの実際の利回りと実績はどうなのでしょうか。
実際にロボアドバイザーを使って投資を行い、その際の利回りや実績について書かれた、分かりやすく参考になりそうなブログを2つ紹介します。

主要4社の運用実績比較

投資一任型のロボアドバイザーWealthNavi、THEO、楽ラップ、MSVLIFEの4つを9ヶ月間使用し、具体的数値を交えた利回りと実績が丁寧に紹介されています。
現時点では、どのロボアドバイザーを選んでも正解・不正解はないとしたうえで、今後のロボアドバイザーの改良と業界全体の伸びが期待されています。
ロボアドバイザー4社の9ヶ月間の運用実績を比較しました

人気のWealthNaviで16ヶ月

次に紹介するのは、WealthNaviを16ヶ月使用し、実際のパフォーマンスが如何なるものか、書いたブログです。
働き盛りで投資に時間を割けない世代には非常に便利なサービスですが、ただ放置しておくだけなので投資の面白さはあまり感じることはできないとしています。

評判のWealthNavi(ウェルスナビ)で16ヶ月。ブログで利回りや手数料の実績を公開!

メリット・デメリットを把握して、ロボアドバイザーで運用を始めましょう

日本での歴史がまだ2—3年と浅いことからも様々な点から改善の余地が見られましたが、今後、AIにもどんどん情報が蓄積されていくことでさらに効率的になり、利用者の利便性も向上していくと思われます。
株の知識が少ないひとにとっては、リスクを少なく投資を始められ、非常に有効です。

最先端のロボアドバイザーですが、様々なデメリットがあるのも事実です。
完全放置でも問題ないとは言え、投資の1つであることも考慮に入れて、ロボアドバイザーでの運用を始めましょう。

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