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ロボアドバイザーとNISAとは?積立NISAとの違いと概要を解説

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近年話題のロボアドバイザーと、非課税という大きな魅力をもったNISAを比較し、NISAのメリットやデメリットについて見て行きます。また、NISA口座でも利用可能なロボアドバイザーも具体的に紹介していきます。
ロボアドバイザー、NISA双方にメリットやリスクがありますので、それぞれを理解した上で自分に合った方法を選択して行きましょう。

ロボアドバイザーを使うひとのイメージ画像

NISAでロボアドバイザーは使用できる?

非常に便利なロボアドバイザーですが、NISA口座においても利用することはできるのでしょうか。

NISAとは

NISA(ニーサ/少数投資非課税制度)とは、株や投資信託の運用によって得られる利益に対してかかる税金を、一定額まで非課税とすることのできる制度です。
2014年から制度が始まり、いつでもこのNISA口座を開設することができます。
このNISAという名の付く制度は現在3つあります。

一般NISA

1つ目は一般NISAです。
これは、満20歳以上の日本国内在住者であれば誰でも口座を開設することができます。
すべての投資信託を対象に、一定の投資資金以内で行った投資の配当金や運用益、配当金などについて非課税とすることができます。
年間における最大投資可能額は120万円で、投資の総額は600万円までとなっています。
また、最大5年間この制度受けることができます。

NISA口座は1つの金融機関でしか開設することが出来ませんが、一般NISAではこの開設する金融機関を年単位でいつでも変更することができます。

ジュニアNISA

2つ目はジュニアNISAです。
ジュニアNISAは、一般NISAの口座を開設することのできない未成年を対象としたNISA口座です。
一般NISAに比べて投資上限額に制限がかかったNISA口座ですが、基本的には一般NISAと同じです。
1年間での投資対象上限枠は80万円、最大投資総額は400万円となっていますが、最大5年間この制度を受けることができます。
また、原則として運用や管理は親権者が代わりに行い、口座開設者である子どもが18歳になるまでは途中での支払いも制限があります。

つみたてNISA

3つ目は、つみたてNISAです。
これは、積立投資を限定としたNISA口座で、最大20年間非課税制度を受けることができます。
口座開設は一般NISAと同様に満20歳以上ですが、年間の投資対象上限額は40万円、投資の総額上限も800万円となっており、長期投資に特化した制度と言えます。

年単位でいつでも金融機関の変更も可能ですが、非課税の対象となる投資信託が限定されており、注意が必要です。

NISAのメリット

非課税という大きなメリットがあるNISA口座ですが、具体的にはどういったメリットがあるのでしょうか。

120万円までの投資で得た利益に対して非課税

一般NISA口座では、年間120万円以内を上限の投資利益が非課税の対象となります。
制度開始の2014年には年間の非課税対象上限額は100万円とされていましたが、2016年の内容改訂により年間120万円となりました。

「120万円以内の資金で行った投資から得られた利益」が非課税の対象となり、「投資によって得た利益の120万円以内」に対してではないため、注意が必要です。

確定申告が不要

所得に対してかかる税金の額を計算して、税金を支払うための手続きを確定申告と言います。
投資によって得られた配当金などの所得がある場合にはこの確定申告が必要になりますが、NISAでは配当金などの利益全般が非課税になるので、確定申告も不要です。

NISAのデメリット

一方で非課税という大きなメリットに対してデメリットもあります。

損益通算ができない

NISAにおいて最大のデメリットと言われるのが「損益通算ができない」点です。
損益通算とは、ある一定期間内における口座内で、利益と損失を合算して計算することで、片方で損失を被っていても、もう片方で利益があれば、利益と損失を相殺することができるというものです。
例えば、A株で100万円の利益があり、B株で100万円の損失がある場合に、双方を売却することで損失は0円となり、課税はされないことになります。

つまり、損益通算が行われないということはNISAを用いて投資を行い損失が出た際に、他の株の利益に対してかかる税金負担を補填する役割はありません。

さらに通常の株取引では、損失分については毎年確定申告を行えば翌年や翌々年さらに次の年、と損失を持ち越しておくことができ、翌年に利益を出せばその損失が0円となり、課税対象となりません。
この制度を繰越控除と言いますが、NISA口座では、元々NISA口座では非課税になる仕組みのためこの繰越控除も行うことができません。

短期の取引には向いていない

NISAでは、1度非課税対象の枠を使ってしまうと、そのなかから商品を売っても非課税枠は復活しません。
例えば、年間で120万円の上限枠一杯に株を購入し、そのなかから20万円分を売ったとします。
この場合、1度120万円の非課税対象枠を全て使って株を購入したため、年末に残り全ての株を保有していた場合にも、残りの100万円分の株から得られる利益に対してのみ非課税の対象となります。

そのため、短期投資やデイトレードで利益を上げたい場合には向いていません。

非課税期間は5年間

さらに非課税の対象期間に制限があります。
非課税対象期間は5年とされ、この期間が終了する際に大きなデメリットとなる懸念があります。
この5年とは、株の購入時期から計算されるものではなく、例えば2014年初に購入したひとでも、2014年末に株を購入したひとでも、双方2018年末に非課税対象が終了することになります。

この非課税対象期間内に購入した株について、この期間が終了する際に、利益が出た際に税金が発生する口座に移すという方法があります。
このケースでは、非課税期間が終了する際の価格で移管されるため、購入時よりも値下がりしている場合には大きなデメリットとなります。
例えば、NISA開設時に120万円で購入した株が、移管時の株価が80万円となっていたケースを考えます。
この場合元々120万円であった株は、80万円で買ったと扱われ、そこから100万円で売却した際には売上益の20万円に対する税金として4万円を納める必要があります。
この場合、移管の際に投資家には20万円の損失が必然的に発生してしまうにも関わらず、さらに4万円の納税を行わなければならないということになります。

つまり、投資家が自らの力量ではなく損失を被り、さらに税金を払う必要も生じてしまうというケースが発生する可能性が潜んでいます。

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、金融機関が提供する、ヒトに代わってAIがインターネットを通じて投資のアドバイスや運用を行うサービスのことです。
非常に便利なサービスで年々利用者数も増加傾向にありますが、様々なデメリットも抱えています。
ロボアドバイザーのメリットやデメリットについては記事NO42を参考にしてください。

アドバイス型ロボアドバイザー

アドバイス型のロボアドバイザーは、投資家に最適なポートフォリオを提供してくれるロボアドバイザーです。
多くのアドバイス型ロボアドバイザーは、無料で利用することができます。

投資一任型ロボアドバイザー

一方の投資一任型ロボアドバイザーは、アドバイス型のサービス提供に加えて、実際の買付などの資産運用について一通りの手続きを全て行ってくれるロボアドバイザーです。

NISAで使用できるロボアドバイザー比較(アドバイス型)

このロボアドバイザーサービスは、NISA口座を対象とする場合には、アドバイス型ロボアドバイザーのみ利用可能となっています。
ここでは具体的に3つ、NISA口座でもロボアドバイザーが使用できるロボアドバイザーを紹介します。

投資工房

最初に紹介するのは松井証券が運営する「投資工房」です。
8つの質問に答えることで、適したポートフォリオを提案してくれます。

SBIファンドロボ

2つ目はSBI証券が提供する「SBIファンドロボ(FundRobo)」です。
最新の銘柄の評価情報を基に、精度の高い診断から最適なポートフォリオを提供してくれます。

スマートフォリオ

最後に紹介するのはみずほ銀行が提供する「スマートフォリオ(SMART FOLIO)」です。
みずほ銀行が提供するロボアドバイザーなので、信用度の高いロボアドバイザーと言えます。

NISAで使用できないロボアドバイザー比較(投資一任型)

現在、投資一任型でNISA口座で利用できるロボアドバイザーはありません。

WealthNavi

まずは日本国内でNo1の預かり資産を誇る「WealthNavi」です。
自動運用やリバランスなどを日本で初めて、さらにリアルタイム入金はロボアドバイザーで初という便利な機能を積極的に導入しています。
No.1ネット証券会社であるSBI証券や住信SBIネット銀行と業務提携を結んでおり、「WealthNavi for SBI証券」などといった形で様々な提携会社から申し込むことも可能です。

THEO

次に「THEO」です。
世界に上場している投資信託のみを対象に投資を行うことができるロボアドバイザーです。
世界的に上場している会社の株を対象にしているため、世界各地に対して分散投資が可能で、安定した運用を行うことができます。

楽ラップ

「楽ラップ」は、楽天証券がサービス提供するロボアドバイザーです。
国内の銘柄にも積極的に投資してくれます。
投資に対する積極度から、適したポートフォリオを提示してくれます。

MSV LIFE(マネラップ)

4つ目は「MSV LIFE」です。
これは、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問証券会社によるサービスで、国内外の様々な投資商品を対象にしています。
資産運用の目的が非常に重視されています。

マネックスアドバイザー

「マネックスアドバイザー」は、マネックス証券が提供するロボアドバイザーサービスです。
運用手数料が非常に安く、預かり資産に対して年間1%という、日本国内の運用手数料のおおまかな平均の半分である0.487%でサービス提供を行っています。

ロボアドバイザーと積立NISAの比較

ロボアドバイザー、積立NISAともに「長期の積立投資を行うことで資産をつくる」という姿勢であるため、似た点も多くなっています。

税金

1)ロボアドバイザー
配当金なの利益はもちろん課税の対象になります。
ロボアドバイザーによっては節税対策などを自動で行ってくれるものもありますが、ゼロにはなりません。
ロボアドバイザーの税金に関する詳細は記事NO48をご覧ください。
2)積立NISA
NISAの制度上、制限はあるものの基本的に非課税です。
投資を開始してから最大20年間は非課税となります。

手数料

1)ロボアドバイザー
各ロボアドバイザーによって細かい運用手数料は異なりますが、平均で預かり資産に対して年間で1%近くの手数料が取られることがほとんどです。

2)積立NISA
積立NISAでは、投資商品の選択から運用に関しても自分自身で行う必要があります。
そのため、運用・管理費はかかりません。
また、金融機関に関わらず、取引の際の手数料は同じです。

積立可能額

積立投資とは、投資信託を毎月買い続けることで一定額積み立てる投資方法です。
この積立は、銘柄によっては少額から可能で、低いものだと100円から開始することができます。
1)ロボアドバイザー
ロボアドバイザーでは、事前に設定しておくことで毎月指定日に自動積立を行えるロボアドバイザーが多数あります。
投資一任型のロボアドバイザーの大手である「WealthNavi」や「THEO」では、1万円からこの積立が可能となっています。
積立の上限はありません。

2)積立NISA
積立NISAでは、100円から積立が可能です。
上限額は年間で40万円までと定められており、これは1ヶ月でおよそ3万円弱が最大積立可能額となります。

投資対象

1)ロボアドバイザー
ロボアドバイザーのサービス提供元である金融機関によって投資可能となる対象が異なってきます。
例えば、大手の「WealthNavi」ではETFと言われる上場企業投資信託の7つを対象としています。
このETFは、投資信託同様に数種類の金融商品を組み合わせたパック商品ですが、投資信託は非上場の株の可能性があるという点が異なっています。
一方の「THEO」は、投資対象と成り得る銘柄数は圧倒的に多くなっています。

2)積立NISA
積立NISAでは、投資対象になり得る銘柄に金融庁による一定の制限が成されています。
2018年8月20日時点で138個の銘柄が積立NISAの対象となっています。

つみたてNISA対象商品届出一覧(運用会社別)

NISA、ロボアドバイザーのメリット・デメリットを理解して、ご自身に最適な運用を進めましょう

今回は、ロボアドバイザーとNISAについて見てきました。
他の投資方法に比べて、投資に対するハードルが低く、初心者でも始めやすい制度となっています。
NISA口座によって非課税の恩恵を受けられるのに対して、享受できないサービスや将来的に損失を被ってしまう可能性も考慮して自分自身に合った運用を行いましょう。

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