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NISA非課税期間の延長は可能?2024年以降の恒久化の可能性とは?

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NISAの非課税期間を延長することはできるのでしょうか。2023年までのロールオーバー制度の期間についてや投資可能額、一連の申請手続きを解説します。非課税期間終了に伴って行わなければならない対応、さらに2024年以降のNISA制度の恒久化にまつわる情報もお伝えしますので、きちんと理解してNISA制度を効率的に活用して運用を行っていきましょう。

NISAの期間延長を表す時計の画像

NISAの非課税期間は延長できる?

税制優遇制度として、運用益が非課税となるNISAですが、非課税期間には制限があります。
2013年に始まったNISA制度は、2018年末に初めてこの非課税期間の終了を迎えることになります。
最大で5年間の非課税期間は、延長することはできるのでしょうか。

ロールオーバーで最大10年まで延長可能

「ロールオーバー」を行うことで非課税期間の延長が可能です。(*1)
ロールオーバーは、非課税期間の終了時に新たにNISA口座を開設することで、さらに5年、非課税期間を延長することができる仕組みです。(*2)

5年後の非課税期間の終了に伴って、NISA利用者は3つの選択肢(*3)から対応することができ、そのなかのひとつになります。
非課税期間終了前に保有していた資産は、全てそのまま新しいNISA口座へ繰り越すことができます。(*4)

(*1:1度も金融機関の変更を行っていない、という条件をクリアする必要があります。)
(*2:各金融機関による、指定期限までの申込が必要になります。)
(*3:他に「売却」「課税口座へ移管」という選択肢があります。)
(*4:平成29年の税制改正によって全資産のロールオーバーが可能になりました。)

NISAのロールオーバーとは?概要やデメリットと上限撤廃のメリットを解説

ロールオーバーができる期間

NISA制度の施行期間は、2023年までとなっています。
そのため、2024年以降はNISAを利用しての投資全般を行うことができなくなります。

ロールオーバーは非課税期間の終了後にもNISA制度が施行されている状況でのみ、行うことができます。
つまり、ロールオーバーを行うには2023年になる前に非課税期間の終了を迎えていないと行うことはできません。

参考:投資可能期間[金融庁公式サイト]

ロールオーバー後の投資可能額

ロールオーバーによって新たに開設されたNISA口座も、通常のNISA口座と違いはありません。
しかし、ロールオーバーは翌年の非課税枠を使って移管が行われるため、翌年の非課税枠については注意が必要になります。
ロールオーバーする際の保有資産額によって、新たなNISA口座から行える新規投資の状況が異なってきます。考えられる2つのケースについて具体例とともに解説します。

120万円より少ない場合

このケースでは、非課税枠からロールオーバーした資産金額を引いた差額分を翌年の新規投資に回すことができます。

例)2018年末に非課税期間が終了するNISA口座にて非課税期間終了時に100万円の資産を保有しているケース
このケースでは2019年の非課税枠の100万円分を使用してロールオーバーを行うことになります。
つまり、2019年に非課税枠内での新規投資が可能なのは20万円のみとなります。(*1)

(*1:年間非課税枠120万円ーロールオーバーした資産額100万円=20万円)

120万円より多い場合

ロールオーバーする資産額が120万円を超えている場合には、翌年の非課税枠は全て使い切ったと見なされるため、翌年は新規投資を行うことができません。

例)非課税期間終了時の保有資産額が150万円のケース

参照:非課税期間終了におけるお手続きのお知らせ[日本証券業協会]

ロールオーバーの手続き

ロールオーバーの手続きは証券会社へ申請書類を送付するだけで基本的には完了します。

まずはWeb上で保有資産のなかからロールオーバーしたい銘柄を登録します。(*1)
その後、
・自身で書類をダウンロードして印刷、郵送
・証券会社へ書類の送付を依頼、記入後返送

のどちらかの方法を行うことで申請は完了します。

申請受理後、Web上にて自身の2019年のNISA口座の状況を確認して手続きは完了です。(*2)

ロールオーバーの詳細な手続きや指定期間は各金融機関ごとに異なります。
自身のNISA口座のある金融機関の情報をきちんと確認して、期限までに余裕をもって手続きを行いましょう。

(*1:手元に案内の書類が届いている場合もあります。)
(*2:翌年の口座が「積立NISA」や「未開設」などとなっている場合はロールオーバーを行えません。)

非課税期間終了後のロールオーバー以外の対応

非課税期間の終了時、ロールオーバー以外にも
・売却
・課税口座へ移管
といった対応を採ることも可能です。ここからはこの2つの対応を説明します。

自身の保有資産の状況に合った対応を行えるようにしましょう。

売却

非課税期間内に保有資産を全て売却する方法です。
期間内での売却になるため、売却益は非課税になります。
売却によって得られるお金は指定した口座へ振り込まれることになります。

課税口座に移行

NISA口座の保有資産を非課税期間終了に伴って課税口座へ移管する方法です。
非課税期間の終了までに、何も手続きを行わなかった場合も自動的に課税口座へ移管されることになります。

移管の際の資産の時価にて課税口座に移管されます。
この方法では、非課税期間終了時に資産がマイナスとなっていた場合にさらに税金が取られる可能性もあり、注意が必要です。(*1)

(*1:移管時の資産価値が当初の資産購入時よりも低く、その後の課税口座からの売却価格が移管時の価格よりも高かったケース。)

参考:NISAのポイント[金融庁公式サイト]

NISAの期間延長可能性は?

今年8月、金融庁が投資可能期間の延長を要請しました。(*1)
現時点ではNISA制度自体の施行期間は2023年となっていますが、今後期間の延長、さらには恒久化の可能性も十分に考えられます。

(*1:積立NISAも同様に延長要請がされました。)

参照:平成31年度税制改正要望項目[金融庁公式資料]

NISAの非課税期間の延長制度を有効活用して、効果的な運用をしていきましょう

2018年末に初めての非課税期間の終了を迎えるNISA制度は、今後の更なる変化が見込まれます。
現時点での期間延長や、ロールオーバーにまつわる情報をきちんと理解したうえで、非課税期間の延長という利点のあるロールオーバーを効果的に利用していきましょう。

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