株式投資における、株の購入単位について說明します。株式投資は、株を購入しないと始められません。では、株は一体いくらから買えるのでしょうか。株の購入単位と、単元未満株についても解説します。株式投資を行う前に確認し、スムーズに株式投資を始められるよう、準備しておきましょう。
株はいくらで買える?
株は、2019年6月24日時点で、85円から購入可能です。これは、最低購入金額ランキングのデータより算出しています。
最低購入金額が100円を切る銘柄は上記時点で1種類、1,000円以下で買える銘柄は3種類あります。
初心者にもわかりやすい株の購入単位
次に、株の購入単位について、計算方法や資金が無い場合、米国株の場合について說明します。株式投資を始める際には、知らないと、投資を始められない可能性があります。
投資初心者はきちんと確認しておきましょう。
株の購入金額の計算
まずは、株の購入金額の計算方法を說明します。株式は、株価では買えず、「単元株」と言われる単位で購入可能です。概念的な株の購入単位や金額の算出方法を理解して、具体的な銘柄を参考に、実際に購入可能金額を算出しましょう。
単元株数とは
単元株数とは、株が取引される際の1単元に該当する株数のことです。東京証券取引所をはじめとする全国の証券取引所では、2018年10月に、1単元が100株として統一されました。
2007年時点では、単元株数は1株から2,000株まで、8種類に分かれていましたが、投資家の利便性を向上させるため、統一されました。単元株数が統一されたことで、もともと1,000株が1単元であった銘柄を、安く購入可能になったり、株価を見るだけで購入価格がすぐ分かったりする、投資家のメリットがあります。
株の購入金額の計算方法
株の購入金額の計算方法は、以下のようになります。
[株の購入代金]=[株価]×[100株×購入単元数]
購入時の株価に対して、実際に購入する株数をかけると、購入代金が分かります。また、最低購入可能代金を算出する際には、株価に対して100をかけるだけで簡単に計算できます。
株価の調べ方
株の購入金額を算出する際に必要な株価の調べ方は、株価情報提供サイトで確認することです。
株価情報提供サイトとは、Yahoo!ファイナンスやみんなの株式等のサイトのことを言います。株価は、1日、1時間、1分単位で変動します。購入時の株価を確認して、購入を判断しましょう。
具体的な銘柄の購入金額の計算例
ソフトバンク/オリエンタルランド/トヨタ/任天堂/東芝
実際にある銘柄の数字を参考に、具体的な銘柄の購入金額を計算してみましょう。以下の数字は全て2019年6月24日時点の数字です。
例:ソフトバンクグループ(9984)
大手通信会社、ソフトバンクグループの株を2単元購入するとすると、以下のように購入価格を計算できます。
- 6月21日の終値[株価]:10250.0円
- 購入単元数:2単元
[10250.0円]×[100株×2]
=10250.0円×200
=2,050,000円[株の購入代金]
株価は、6月24日が月曜日であったため、全営業日である6月21日金曜日の数字を例にしています。ソフトバンクグループの株を2単元購入しようと思うと、「2,050,000円」用意する必要があることが分かります。
プラスで必要な売買手数料
株式投資を行う際には、証券会社に対して、株の売買取引に関する手数料がかかります。
株の売買手数料は、上述の購入金額とは別で必要になります。多くの証券会社では、1取引に対して、取引額に応じて手数料が課せられます。株式投資を始める際には、購入金額だけを用意していればよいわけではないため、自身が利用する証券会社の手数料を確認して、資金を用意しましょう。
単元株購入の資金がない場合
購入したい銘柄があるけれど、単元株を購入する資金がない場合、単元未満株を購入して、特定の銘柄を購入できます。単元未満株へ投資すると、幅広い銘柄への投資が可能になり、自身の投資の幅も広げられます。
詳しく確認していきましょう。
単元未満株(ミニ株)
単元未満株とは、単元株数に満たない数の株数を購入可能な制度のことです。2018年以降、単元株数は100株に統一されましたが、その単元株数以下の単位で取引されます。
例えば、1単元の購入に500万円が必要な銘柄であっても、単元未満株投資によって、1株から購入可能であれば、500円から投資できます。
単元未満株への投資が行えると、まとまった投資資金を用意できない投資家や、NISA(ニーサ)のような、投資額に制限がある制度を利用している投資家が、投資可能な金額の制限内で、様々な銘柄に投資可能になるメリットがあります。
通常の株式投資と同様に、保有銘柄の値動きに応じて、利益を上げられます。
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配当と株主優待
単元未満株へ投資すると、値動きに応じて売却して利益を上げる方法以外に、配当金や株主優待で利益をあげられます。
配当金とは、一定期間保有している銘柄の企業の業績が良かった場合に、謝意から投資家に対して利益の一部が還元される仕組みです。配当金は、1株単位で支払われるため、単元未満株を保有している場合でも、持株数に応じて支払われます。
しかし一方で、一定期間株を保有している投資家に対して、企業から商品やサービスが提供される株主優待は、基本的に単元未満株投資では得られません。株主優待を受けたい場合には、単元株単位まで購入する必要があります。
ただし、配当金も株主優待も、銘柄によって無いケースがあります。各銘柄の情報をきちんと確認したうえで、投資を判断しましょう。
購入単位が異なる米国株
米国株を取引する際は、日本国内の証券取引所に上場している銘柄と異なる単位で取引する必要があります。米国株の売買取引に関する情報を確認して、米国株へ投資する際に慌てないようにしておきましょう。
1株単位で取引
米国株は、1株単位で取引されます。これは、売買取引の双方で該当します。つまり、各銘柄に関する情報を確認した際に表示される株価で取引可能になります。
具体的な銘柄の購入金額の計算例
実際に銘柄の購入金額を計算してみましょう。以下で記載している株価は、2019年6月25日のものです。
例:アマゾン・ドット・コム
米国最大手のオンライン小売業者、Amazonです。
- 6月24日の終値[株価]:1,913.90円
- 購入数:150株
米国株は、1株単位で取引可能なため、150株を購入する際には、以下の方法で購入金額を算出できます。
1,913.90円[株価]×150株[購入株数]=287,085円[購入金額]
つまり、Amazonの株式を150株購入したい場合は、287,085円が必要になります。
株の買い方
ここからは、株の買い方を說明します。選択した証券会社で口座を開設し、投資資金を入金して、投資銘柄を選択して、投資を始められます。実際の株式購入手順を確認して、自身が株式投資を始める際の参考にしてください。
証券会社を選ぶ
株を買うために、まずは証券口座を開設する証券会社を選びましょう。証券口座は、証券会社によって、購入可能な銘柄や、売買の度にかかる手数料の金額、上述の単元未満株の購入可否が異なります。
自身が投資したい株式銘柄が取り扱われているかなど、投資スタイルに合わせて最適な証券会社を選び、口座を開設しましょう。
SBI証券
ネット証券会社、最大手のSBI証券です。売買取引手数料が、業界最高水準の安さを誇ります。1注文の約定金額に応じて手数料が決まる「スタンダードプラン」、1日の約定代金合計額に応じて手数料が決まる、「アクティブプラン」の2種類から、投資家自身の投資スタイルに合わせて選べます。
外国株の取扱国数が主要ネット証券で最多で、世界各国の株式や商品に、少額から投資できる特徴があります。世界の有名企業や成長国へ投資可能です。
また、IPO取扱銘柄数も、ネット証券会社の中で最多です。成長が期待できるIPO株へ投資可能なことで、値上がりによる売却益が期待できます。さらに、単元未満株として、1株単位で少額資金での取引が可能です。
楽天証券
楽天市場や楽天トラベルなどを運営する、楽天グループの楽天証券です。SBI証券と同様に、売買手数料の安さが特徴で、1取引ごとに手数料がかかるプランと、1日の約定代金に応じて手数料が決まるプランが2種類用意されています。
また、楽天証券で行った投資から、他の楽天サービスで利用可能なポイントが貯まり、日常的に楽天のサービスの利用頻度が高い方に最適です。
さらに、楽天証券では、独自で投資情報を提供している投資情報メディアなどがあります。お得な優待が写真で探せる株主優待情報や、日経テレコンや会社四季報も無料で提供してくれるため、経済やマーケット情報も全般的にカバーできます。
単元未満株の取引も可能です。スマホ用トレードアプリ「iSPEED」は、取引スピードが早いとして、多くの投資家から高評価を受けています。
マネックス証券
米国株・中国株投資に強い、マネックス証券です。
マネックス証券では、投資タイミングの参考となる様々な投資情報を無料で提供してくれます。チーフ・ストラテジスト広樹隆氏による株式投資戦略や、チーフ・アナリスト大槻奈那氏による旬な金融市場のトピックなど、各分野のプロ達からアドバイスをもらえます。
また、投資によって貯められる「マネックスポイント」は、nanacoポイントや、JALマイルに交換できます。ポイントを使用して、効率的に投資を行えます。
単元未満株として、「ワン株」投資が行えます。保有株数に応じて、配当金や株主優待を受けられる場合があります。
松井証券
創業100年を超える、老舗の松井証券です。松井証券では、1取引ごとに売買手数料がかかるプランはありません。1日の約定代金に応じて、売買手数料が決まるプランだけという特徴があります。
また、無料の投資情報ツールが豊富です。登録した銘柄のリアルタイム株価情報を一覧できる「株価ボード」、株主優待検索などがあります。スマホ向けの取引アプリも提供されていて、いつでも売買取引可能です。単元未満株にも投資できます。
カブドットコム証券
三菱UFJフィナンシャル・グループのネット証券会社です。
業界トップクラスの売買手数料の安さを誇ります。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、三菱経済研究所から配信される、独自の価値ある詳細レポートが無料で提供されています。
「リスク管理追求型」を強化した結果生まれた「自動売買」や、株価や注文・約定の結果などをリアルタイムでメールで受信できる通知機能など、株式の売買タイミングを逃しません。
単元未満株への投資は、「プチ株」と言われるサービスで実行可能です。
口座開設して入金する
口座開設する証券会社が決まったら、証券会社で口座を開設し、投資資金を入金しましょう。投資資金の入金は、必要書類を提出して行えますが、源泉徴収に関して注意点があります。確認しておきましょう。
必要書類を提出
証券会社に証券口座の開設を申し込んだら、口座開設のために必要な書類を用意しましょう。
口座開設に必要な書類は、証券会社によって細かく異なる場合がありますが、基本的には以下3点の書類が用意できていれば手続きを行えます。
- 本人確認書類
- マイナンバーの分かる書類
- 振込先金融機関口座が分かる書類
運転免許証やパスポートなど
マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、住民票でも可能な場合があります
2016年1月1日以降、証券口座の開設時に、マイナンバーの提示が義務付けられました。そのため、どの証券会社で証券口座を開設する際も、マイナンバーの分かる書類を用意する必要があります。
また、振込作金融機関口座が分かる書類は、開設する証券口座から、出金する際の振込先になる口座のことです。
初心者は特定口座の源泉あり
投資の初心者は、証券口座の種類を源泉徴収ありの特定口座にすることがおすすめです。証券口座の開設時には、開設する証券口座の種類を選択する必要があります。
証券口座は、一般口座と特定口座の2種類に分かれ、一般口座の場合は、投資の利益に対してかかる税額を計算し、納税までを投資家自身で行う必要があります。一方の特定口座は、確定申告手続きの手間の違いによって、さらに「源泉徴収あり」の口座と「源泉徴収なし」の口座の2種類に分かれます。
源泉徴収とは、投資の利益が発生した時点で税金が差し引かれ、その後に投資家の手元に利益が渡る仕組みです。そのため、源泉徴収ありの口座を選択すると、手続きが不要で納税が完了します。そのため、確定申告手続き等に慣れていない投資初心者などは、特定口座の源泉徴収ありを選択することがおすすめです。
銘柄を選ぶ
必要書類を用意して、開設する証券口座の種類を決定したら、投資する株式銘柄を選びましょう。ここからは、株式銘柄の選び方のポイントをお伝えします。投資する銘柄を誤ると、多額の損失を被るリスクがあります。きちんと確認しておきましょう。
身近な会社・銘柄
投資銘柄を選ぶ際のポイントの1点目は、身近な会社の銘柄を選ぶことです。
投資は情報戦です。そのため、できるだけ早く、かつ多く情報を手に入れた方が、投資においては有利になります。投資初心者の場合は、情報収集のコツが分からず、不利になりがちです。そのため、自身に身近な会社の銘柄を選ぶことで、情報を得やすくなります。
営業利益が伸びている銘柄
投資銘柄を選ぶ際のポイントの2点目は、営業利益が伸びている銘柄を選ぶことです。
株式は、その企業の業績の良し悪しで、株価が変動します。業績が良い企業は株価が高騰するので、営業利益が伸びている企業は、今後の株価の高騰が見込まれます。
購入時よりも株価が値上がりした時点で売却し、利益を得ましょう。
株主優待が充実している銘柄
投資銘柄を選ぶ際のポイントの3点目は、株主優待が充実している銘柄を選ぶことです。
株主優待とは、企業が投資家に対して謝意から自社製品やサービス等を提供してくれるものです。株式を保有しているだけで、持株数に応じて優待が受けられます。
株主優待は、商品やサービスが提供されるもののため、課税されません。株主であれば、企業が提供した優待を受けられます。そのため、優待内容を確認したうえで、投資を判断するのもひとつの手です。
買い付け・売却
投資銘柄が確定したら、選んだ銘柄を買い付け、好きなタイミングで売却しましょう。以下では、注文方法について說明します。株式投資を行う際には、2種類の注文方法から自身が選んだ銘柄を買い付けられます。
実際に注文を出す前に、注文方法を確認しておきましょう。
指値
注文方法の1種類目は、指値注文です。指値注文とは、価格を指定して売買することです。投資家は、希望した価格で株式を売買取引できます。
しかし、希望額に到達しなかった場合は、取引が成立しないため、売買のチャンスを逃す可能性があります。例えば、現在の株価が550円のA銘柄を、500円にて指値注文した場合、A銘柄が530円までしか値下がりしないと、売買取引は成立しません。
成行
注文方法の2種類目は、成行注文です。成行注文とは、価格を指定せずに売買することです。投資家は、注文さえ出せば、すぐに売買可能です。
成行注文では、注文を出した時点で最も有利な相手と取引が成立し、成立した場合の値段は、注文が成立した相手によって異なります。注文時に一番高く買い注文していた人と売買が成立し、成行買い注文をした場合は一番安く売り注文していた人と売買が成立します。
しかし、想定よりも安く売れてしまったり、高く購入することとなってしまったり、想定外の価格で取引することとなる場合があります。
大金がなくても株は買える
株式投資における、株の購入単位について說明しました。2018年より、日本国内に上場している株式を取引する際は、基本的に100株を1単元とする単元株単位で取引することが規定されました。
しかし、銘柄によっては単元未満株として、1単元よりも小さい単位で取引可能なものがあります。そのため、まとまった投資資金を用意できず、単元株単位では購入できない銘柄に対しても、投資が可能となります。
ただし、株式を売買取引する際は、証券会社に手数料を支払う必要があります。同じ銘柄を同じ約定代金で取引する場合でも、証券会社によって手数料は異なるケースがあります。自身の投資スタイルを考慮したうえで、証券会社を選び、口座開設手続きを進めていきましょう。