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FXのレバレッジのかけ方とは。レバレッジの計算方法から設定方法までご紹介

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FXのレバレッジは、必要証拠金にかけることで、資金以上の金額で取引ができます。初心者の方の中には、このレバレッジの概要については知っていても、かけ方や計算方法について知らない方が多くいます。レバレッジについて知識不足のままに、安易にハイレバレッジをかけてしまうことは非常に危険です。レバレッジのかけ方やリスクについてきちんと学ぶようにしましょう。

FXのレバレッジを計算している数式

レバレッジの概要

レバレッジをかけ方を学ぶ前に、まずはレバレッジの仕組みについてきちんと把握しましょう。特に初心者の方は、仕組みを知らずに安易にレバレッジをかけることはリスクを伴います。

レバレッジとは

レバレッジは、資金にかけることで資金額以上の取引ができる仕組みです。例えば、1,000円の資金にレバレッジ2倍をかけることで、2,000円分の取引ができるようになります。

そもそも、レバレッジには「てこ」という意味があり、てこの原理を利用してFXの取引額を大きくします。つまり、レバレッジが大きければ大きいほど、取引額も大きくなります。

仕組み

レバレッジとは、資金にかけるものだと解説しました。では、実際にどのように使用するのかを解説します。

必要証拠金

資金にかけると言いましたが、この資金とは必要証拠金のことです。必要証拠金とは、取引に必要な担保金です。FXは、この証拠金を担保にし為替取引を行うため、外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)と呼ばれ、通称FXと言います。

強制ロスカット

レバレッジと同時に考えなければいけないことがあります。それは強制ロスカットです。強制ロスカットとは、必要証拠金が不足する可能性がある場合に、FX会社がトレーダーの取引を強制決済し、損失額を確定させる仕組みです。

この強制ロスカットは、レバレッジをかけるほどされやすくなります。その理由は、レバレッジが大きいほど資金も増えますが、一方で損失額も大きくなるためです。損失が大きいと、必要証拠金が早くなくなるために、強制ロスカットを受けやすくなります。

レバレッジのかけ方

レバレッジの仕組みについては、理解していただけたでしょうか? では、実際にレバレッジの計算方法を解説します。

レバレッジの設定

FXのレバレッジの計算方法の前に、まずはどのようにレバレッジを設定できるか学びましょう。実は、レバレッジはトレーダーが自由に入力できないのです。

実効レバレッジは自動計算

FXで取引する場合、必要証拠金を入金し、入力したレバレッジの取引額に応じてトレードすると思っていませんか? 実は、FX会社ではレバレッジを入力する項目はありません。実際に取引をした金額でレバレッジが決定します。つまり、取引額からレバレッジが自動計算されるのです。実際に取引したレバレッジを実効レバレッジと言います。

実効レバレッジの計算

実効レバレッジは、以下の式で算出できます。例えば、1ドル100円の相場において、必要証拠金10,000円を入金し、1,000ドルの買い注文をした際のレバレッジは10倍です。

取引金額(日本円)÷必要証拠金

例) 1ドル=100円の相場
取引金額  1,000ドル×100円=100,000円
必要証拠金 10,000円

100,000円÷10,000円=10

レバレッジ変更

レバレッジを変更する場合は、取引金額もしくは必要証拠金を変更する必要があります。先ほどの例で、必要証拠金のみ20,000円にした場合、レバレッジは5倍になります。(式1)一方、取引金額のみ2,000ドルにした場合、レバレッジは20倍になります。(式2)

つまり、必要証拠金を増やせばレバレッジを下げることができ、取引金額を増やせばレバレッジを上げることができます。

例) 1ドル=100円の相場
式1
取引金額  1,000ドル×100円=100,000円
必要証拠金 20,000円

100,000円÷20,000円=5

式2
取引金額  2,000ドル×100円=200,000円
必要証拠金 10,000円

200,000円÷10,000円=20

レバレッジ設定の標準搭載

レバレッジの設定は、実効レバレッジで計算する方法とレバレッジ設定の標準搭載を利用する方法の2種類あります。実効レバレッジとは、上述したように取引金額と必要証拠金から自身で計算する方法です。一方、レバレッジ設定の標準搭載とは、あらかじめ決まったレバレッジで取引する方法です。つまり、自身でレバレッジを計算する必要がありません。

レバレッジ設定の標準搭載は、設定されているレバレッジの倍率がFX会社ごとに異なります。こちらでは、各FX会社のレバレッジ設定の標準搭載についてご紹介します。

レバレッジ標準搭載

レバレッジ標準搭載のあるFX会社は以下の通りです。

会社 倍率
DMMFX 10倍 20倍 25倍
楽天FX 1倍 2倍 5倍 10倍 25倍
SBI証券 1倍 3倍 5倍 25倍

すべてのFX会社が標準搭載されているわけではありません。以下のFX会社は標準搭載のないFX会社です。

会社 倍率
GMOクリック証券 最大25倍
マネックスFX 最大25倍
FXTF 最大25倍
XM 最大888倍

レバレッジによるリスクとリターン

過剰なレバレッジは、ハイリターンが期待できますが、一方でハイリスクも伴います。では、実際にハイレバレッジをかけた場合のリスクとリターンはどうなるのでしょうか?

レバレッジ1倍と10倍の違い

レバレッジ1倍と10倍におけるリスクとリターンの違いを考えてみましょう。以下の条件で、1,000ドル購入した場合、1倍のレバレッジで10万円、10倍のレバレッジで100万円分保有することになります。

条件
1ドル100円
必要証拠金 10万円

1円値上がりした場合

1ドル101円に上がった場合、1倍の場合は1,000円の利益が発生します。(式1)一方の10倍の場合は10倍の利益が発生し、1万円の利益が発生します。

式1
101,000-100,000=1,000円

1円値下がりした場合

1ドル99円に下がった場合、1倍の場合は1,000円の損失となり、一方の10倍の場合は1万円の損失が発生します。つまり、レバレッジが高ければ高いほど、相場変動の影響を大きく受けることになります。

式1
100,000-99,000=1,000円

レバレッジ1倍の特徴

レバレッジ1倍とは、レバレッジをかけない取引です。では、レバレッジ1倍における特徴とは一体何なのでしょうか?

FXのレバレッジなしは利益は?レバレッジ1倍の利益額やリスクについて解説

メリット

レバレッジをかけないメリットは、強制ロスカットのリスクを抑えられることです。上述したように、強制ロスカットとは、必要証拠金が失われる可能性がある際に、FX会社に強制的に決済されることです。しかし、レバレッジをかけない場合、その分損失額を抑えることができるため、結果強制ロスカットを受けにくい特徴があります。

デメリット

レバレッジをかけないデメリットは、大きな利益を獲得できないことです。レバレッジ1倍で取引した場合、リスクは抑えられるものの、ハイリターンは期待できません。また、レバレッジをかけない取引でハイリターンを求める場合は、まとまった資金が必要です。レバレッジをかけない分、資金を準備する必要があるためです。

日本国内のレバレッジ規制

現在、日本ではレバレッジが最大25倍までと制限されています。しかし、2017年の日本経済新聞の報道により、金融庁が10倍までの引き下げを検討していたことが明らかにされました。引き下げの理由として、投資家の保護とFX会社のリスク管理が目的だと言われています。実際、韓国などレバレッジ10倍に規制している国もあります。2018年においては、引き下げは見送りになりました。しかし、今後引き下げが実施されないとは言い切れません。

参照:「レバレッジ比率の枠組みの見直し」の概要(金融庁)

FXのレバレッジ10倍は導入されるか?導入された場合に想定される影響とは?

法人口座の特徴

現在の国内最大レバレッジは25倍と解説しました。しかし、この最大レバレッジは個人口座が対象です。法人口座に関しては、25倍以上のレバレッジをかけることができます。では、法人口座の特徴とは一体何なのでしょうか?

100倍のレバレッジ

法人口座のレバレッジは、25倍以上かけられると上述しました。実際、法人口座では100倍のレバレッジをかけることができます。ただし、法人口座のレバレッジの上限もFX会社ごとに設けられています。法人口座は、50〜100倍前後のレバレッジが基本ですが、中には400倍のレバレッジを利用できるFX会社もあります。

損失の繰越

法人口座では、損失の繰越を行うことができます。FXや株式投資の資産運用では、運用益に対して税金が課されます。この税金は、利益があるほど多く支払わなければいけません。しかし、損失の繰越を行うことで、税金対策を行うことが可能です。FXの個人口座では損失の繰越期間は3年ですが、法人口座に関しては9年まで繰り越すことが可能です。

損益通算

法人口座では、損失の繰越の他にも節税方法があります。それは、損益通算です。複数のFX会社にて口座開設している場合、それらの損益を合算することで税金を安く抑えることができます。例えば、A会社で10万円の利益、B会社で10万円の損失が発生した場合、AとBの損益を相殺することで節税することが可能です。

経費処理

先ほど、FXの利益には税金が発生すると解説しました。実は、経費として認められた費用は、利益から差し引くことができます。つまり、必要経費が多ければ多いほど、税金も安く抑えることができます。必要経費の対象は、個人口座と法人口座で異なります。特に法人口座は、必要経費の対象が広いため、個人口座よりも節税が可能です。

おすすめのFX会社

FXでは、過剰なレバレッジはハイリスクです。特に初心者はリスクを抑えた運用を心がけることが大切です。リスクを抑えた運用には、トレード手法だけでなく、FX会社選びも重要です。こちらでは、FX初心者にもおすすめのFX会社をご紹介します。

DMMFX

DMMFXは、国内FX口座数第1位を誇る人気FX会社です。特徴は、業界最水準の低スプレッドです。スプレッドとは、通貨の売値と買値の差であり、取引を行うたびに発生するコストです。つまり、スプレッドが低い(狭いと)は、コストを安く抑えられるということです。さらに、サポート体制が充実しており、24時間対応のコールセンターだけでなく、LINEでも相談することができます。

GMOクリック証券

GMOクリック証券は、FX取引高において2012〜2017年まで世界第1位を獲得したFX会社です。特徴は、取引ツールの使いやすさです。高性能ツールをパソコン、スマホ、さらにはモバイルから使用することができ、自由にレイアウトを変更することができます。さらに、GMOクリック証券では、デモトレードを提供しています。実際の取引の前に、デモトレードでツールの操作性を確認することができます。

YJFX!

YJFX!はYahoo! JAPANが提供するFXサービスです。特徴は、スマホアプリで高い評価を得ていることです。YJFX!のトレードツールアプリ「Cymo」は、デザイン性操作性ともに評価が高く、注文から決済までスムーズに行うことができます。スプレッドに関しても業界最水準であり、ドル円だけでなく、ユーロ円や豪ドル円も取引コストも安く抑えられます。

初心者は低レバレッジがおすすめ

今回はFXにおけるレバレッジの計算方法や設定について解説しました。レバレッジとは、てこの原理を利用し、少額資金でも投資ができる仕組みです。取引額と必要証拠金よりレバレッジを算出することができますが、実際の取引においては自動計算されます。また、レバレッジが標準搭載されているFX会社もあります。初心者の方は、レバレッジの仕組みをきちんと理解してからトレードを開始するようにしましょう。

ただし、レバレッジの仕組みを理解したからといって、最初からハイレバレッジで取引することは危険です。過剰なレバレッジは、膨大な損失額を抱える要因にもなります。初心者のうちは、低レバレッジでリスクを抑えたトレードを心がけましょう。

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