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FXのレバレッジ10倍は導入されるか?導入された場合に想定される影響は?

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日本の最大レバレッジは25倍と上限が設けられています。しかし、この最大レバレッジが10倍へ引き下げられる可能性があります。実際、過去に金融庁が10倍への引き下げを検討したと報道されています。レバレッジ10倍の規制が導入されるのでしょうか? また、導入された場合、どのような影響が起きるのでしょうか?

レバレッジ10倍の規制について報道している新聞

国内及び海外のFXレバレッジ

FXでは、レバレッジを利用することで、少額資金からでも投資が開始できます。しかし、同時にレバレッジは損失も倍になるリスクも伴います。レバレッジのリスクを考慮し、日本ではレバレッジの規制が行われています。

日本

現在、日本の最大レバレッジは25倍までとされています。過去には、レバレッジ400倍までかけることができましたが、2010年8月には50倍、そして2011年には現在の25倍と、年々レバレッジの上限が引き下げられています。

レバレッジ規制の強化の理由は、金融庁による投資家の保護が目的だと言われています。金融庁の役割の1つに、金融取引における投資家の保護があります。FXにおける過剰なレバレッジは、投資家の財産に大幅な損害を受ける可能性があるため、規制を強化していると言われています。

海外

上述したレバレッジ25倍とは、国内FX会社を対象としたレバレッジ規制です。海外FXに関しては規制対象外のため、25倍以上のレバレッジをかけることも可能です。例えば、海外FXであるFOREX.comは200倍、XMは888倍、SEVENFXにいたっては1,000倍ものレバレッジをかけることができます。

FXレバレッジ10倍への引き下げは?

現在、日本の最大レバレッジは25倍の上限が設けられています。しかし、金融庁は最大レバレッジ10倍への引き下げを検討していると発表しました。

レバレッジ強化の報道

日本経済新聞にて、以下のニュースが報道されました。

金融庁は2018年春にも外国為替証拠金取引(FX)の規制を強化する方針だ。個人投資家が預けたお金の何倍まで取引できるかを示す証拠金倍率(レバレッジ)を、現行の25倍から10倍に引き下げることを検討する。外国為替相場が急変動した際、個人投資家や業者が想定を超える損失を抱えるリスクを減らす。

引用元:FX規制強化へ 金融庁、証拠金倍率10倍に下げ(日本経済新聞)

この報道により、金融庁がレバレッジ10倍への引き下げを検討していることが明らかになりました。

レバレッジ規制で想定される影響

レバレッジ規制の強化が実施された場合、以下のような影響が想定されます。

  1. FX会社の業績悪化
  2. ロスカット

1.FX会社の業績悪化

レバレッジの規制が強化された場合、日本人投資家の海外FXへの流入が懸念されます。FXと株式投資の違いは、ハイレバレッジがかけれるかどうかです。レバレッジの強化が進むと、ハイレバレッジをかけられないFXの魅力が失われ、結果ハイレバレッジがかけられる海外FXに顧客が奪われる可能性が高いと言われています。

さらに、FX会社のキャンペーンも減少する恐れもあります。FX会社の業績悪化に伴い、キャンペーンの条件悪化やそもそも実施されない可能性も考えられます。

2.ロスカット

もし、レバレッジ規制が実施された場合、強制ロスカットが行われる恐れがあります。規制前から保有しているポジションは、規制後にも継続されます。その際、10倍以上のレバレッジで保有していた場合、規制後にロスカットが行われる可能性があります。

規制は現状見送り

金融庁によるレバレッジ規制が報道されましたが、実際の導入は見送られました。規制を見送った理由として、投資家による反対意見が続出したことが原因と言われています。そのため、現状はレバレッジ25倍の上限が維持されることとなりました。

レバレッジ10倍でのトレード

もし、レバレッジ10倍の規制が実施された場合は、どうなるのでしょうか? 今回は規制が見送られましたが、再び引き下げを検討する可能性もあります。レバレッジ10倍になった場合に備えて、想定しておきましょう。

ロスカットが起こりにくい

10倍に規制された場合、ロスカットのリスクが抑えられます。そもそもロスカットとは、取引に必要な証拠金が失われる可能性がある際に、FX会社が強制ロスカットを行います。ロスカットが行われると損失が確定されます。このロスカットは、レバレッジが高ければ高いほど、ロスカットがされやすい傾向にあります。最大レバレッジが10倍に引き下げられた場合、ロスカットのリスクも抑えられると考えられます。

利益率

レバレッジ10倍で取引した場合、比較的高い利益率が求められると考えられます。1年間における米ドルの変動は10円前後です。トレード方法にもよりますが、10%前後の動きがある場合に10倍のレバレッジを利用すれば、高い利益率が見込めます。ただし、初心者のハイレバレッジは危険です。スキルや知識がない間は、レバレッジのかけ過ぎに注意しましょう。

精神的に安定できる

ハイレバレッジのトレードでは、すぐにロスカットされる恐れがあるため、精神的な負担が大きくなります。一方、レバレッジが低すぎると、損失の増加が鈍化するため、なかなか損切りに踏み出せない場合があります。10倍のレバレッジであれば、高過ぎず低すぎることがないため、比較的安定してトレードを行うことが可能です。しかし、上述しましたが、初心者がいきなりハイレバレッジで取引することはリスクが高いため注意しましょう。

シミュレーション

実際にレバレッジ10倍で取引した場合、どれぐらいの利益が獲得できるのがシミュレーションしましょう。FX戦略研究所の「FX複利運用計算シミュレータ」では、無料でFX運用を算出します。一度、ご自身でレバレッジ10倍の時の利益や必要証拠金を確認してみましょう。

FX戦略研究所

規制されても問題ないようにハイレバレッジは避けましょう

今回はレバレッジ規制について解説しました。日本では、最大レバレッジが50倍、20倍と引き下げ傾向にあり、2018年にはレバレッジ10倍への引き下げも懸念されました。金融庁がレバレッジの規制を強化する背景には、投資家の保護が目的だと言われています。しかし、実際には投資家による反対意見が続出し、引き下げが見送られました。

今回はレバレッジの引き下げは見送られましたが、再び10倍への引き下げが検討されないとは言い切れません。万が一、規制が導入された場合、ロスカットを受ける投資家が続出すると考えられます。規制された場合のリスクに備え、ハイレバレッジはできるだけ避けるようにしましょう。

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