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FXのレバレッジなしの利益は?レバレッジ1倍の利益額やリスクについて解説

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FXでは、レバレッジを利用することで、少額資金でも投資が始められます。しかし、このレバレッジは倍率が高ければ高いほど、ハイリスクになるデメリットもあります。リスクを抑えたいという場合は、レバレッジなしでトレードを行うこともできます。しかし、レバレッジなしのFXでは利益は出るのでしょうか? レバレッジがない場合の利益やメリット、デメリットについて解説します。

FXに必要な資金

FXのレバレッジとは

FXでは、株式投資と比べて少額資金から投資を開始することができます。その理由は、レバレッジです。レバレッジとは、資金にかけることで、資金額以上の金額で取引できる仕組みです。例えば、1,000円の資金に2倍のレバレッジをかけることで、取引金額が2,000円になります。

レバレッジのメリットは、上述したように少額資金で投資が始められることです。株式投資を始める場合は、最低でも10万円程度の資金が必要です。しかし、FXの場合は、レバレッジを利用することで数万円の資金から取引をすることができます。

しかし、レバレッジにはデメリットもあります。それは、レバレッジをかければかけるほど、ハイリスクになることです。先ほどの2倍のレバレッジをかけた場合、万が一負けると損失額も2倍になります。こうしたリスクを背景に、金融庁では規制が強まっています。以前は最大400倍のレバレッジまで利用することができましたが、2010年には最大50倍、そして2011年には現在の25倍まで上限が引き下げられました。

参考:FXのレバレッジ規制、強化見送り 投資家らの反対強く(朝日新聞)

FXのレバレッジなし取引

FXで取引する際、必ずレバレッジをかける必要はありません。レバレッジ1倍、つまりレバレッジなしで投資することも可能です。では、レバレッジがない場合はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

FXと外貨預金

レバレッジなしのメリットをご紹介する前に、外貨預金との違いについて解説します。レバレッジをかけないFXは、日本円を外貨に替え預金する外貨預金と同じだと思う方もいるかもしれません。しかし、実際にはレバレッジのないFXと外貨預金には、いくつか異なる点があります。

FXとは

FXの正式名称は、外国為替証拠金取引であり、その名の通り証拠金をもとに外貨を取引する投資です。つまり、証拠金を担保に日本円を借り、その日本円を利用して外貨の売買を行います。日本円を借りているため、FXは金利を支払う必要があるのです。

外貨預金とは

外貨預金とは、日本円で外貨を購入し預金することです。FXとの違いは、担保が不要で外貨を購入できることです。保有している日本円をそのまま外貨に替えるため、担保が必要ありません。そのため、FXのように金利を支払う必要がないのです。ただし、FXのようなレバレッジの制度はありません。そのため、資金以上の取引を行うことはできません。

レバレッジなしのメリット

レバレッジのないFXのメリットとして、強制ロスカットのリスクが抑えられることが挙げられます。強制ロスカットとは、取引の損失額が証拠金を上回る可能性がある際、FX会社が強制的に損失を確定することです。レバレッジが2倍の場合は、損失額も2倍になるため、レバレッジなしの時よりも強制ロスカットがされやすくなります。強制ロスカットがなされると、損失が確定するために、損失額を必ず支払わなければいけません。レバレッジなしでは、強制ロスカットのリスクを抑えることができます。

外貨預金と比較したレバレッジなしのメリット

外貨預金と比較した場合、レバレッジなしのFXでは以下の4点のメリットが挙げられます。

  1. 金利の利率が高い
  2. 1日単位で金利が発生
  3. 手数料が低い
  4. 満期がない

1.金利の利率が高い

FXでは、スワップポイントと呼ばれる金利を受け取ることができます。スワップポイントとは、通貨間の金利の差であり、外貨預金の金利と比べて利率が高い傾向にあります。

2.1日単位で金利が発生

上述したスワップポイントは、毎日受け取ることができる金利でもあります。通常の銀行の金利は1年に一度であり、外貨預金の場合も多くて半年に一度です。しかし、FXのスワップポイントは、毎日受け取ることができる金利のため、外貨を売買しなくても利益を得ることができます。

3.手数料が安い

外貨預金とFXともに、通貨を売買する際には手数料が発生します。外貨預金の場合は、一度の取引で1〜2円程度の手数料が徴収されます。一方のFXの場合、一度あたりの取引手数料は1円以下であり、手数料は年々引き下げられつつあります。

4.満期がない

外貨預金では、満期に達するまで途中解約できないのが一般的です。しかし、FXの場合は満期が設定されていません。FXをやめたい場合は、いつでもやめることができ、すぐに日本円に換金することができます。

レバレッジなしのデメリット

レバレッジなしのFXのデメリットとして、以下の2点が挙げられます。

  1. 資金効率が悪い
  2. まとまった資金が必要

1.資金効率が悪い

レバレッジが低い、つまりトレードできる資金額が少ないため、資金効率が下がります。資金効率が下がった場合、同時にFXで獲得できる利益も少なくなります。レバレッジはリスクは抑えられるものの、その分大きなリターンも見込めません。

2.まとまった資金が必要

レバレッジは、少額資金でもトレードができる仕組みです。もし、レバレッジをかけずに大きな利益を獲得したいのであれば、まとまった資金が必要になります。つまり、レバレッジなしは少額資金で開始することができないのです。

FXのレバレッジなしは儲かるのか

レバレッジなしで運用した場合、資金効率が悪くなり、ハイリターンを期待することができません。では、レバレッジなしでは儲けることができないのでしょうか?

ローリスク・ローリターン

レバレッジなしで、どれぐらい利益を出すことができるのでしょうか?以下は、投資の教科書より引用した、レバレッジなしの運用シミュレーションの結果内容です。

・運用期間:260営業日(1年間でのFX取引が可能な日数です)
・通貨ペア:ドル円
・元本:30万円
・スタート時の取引枚数:2,000通貨(0.2枚)
・1,000通貨あたりの必要証拠金:109,000円
・1日の利益:+10pips
・レバレッジ:なし(1倍)
・枚数増加方法:1,000通貨を追加できる必要証拠金まで利益が出たら増やす
この条件でトレードすると、結果は次のようになります。ちなみに、10日とは「10営業日後」、30日とは「30営業日後」のことです。

10日:301,000円(取引枚数2,000通貨)
50日:309,000円(取引枚数2,000通貨)
100日後:319,000円(取引枚数2,000通貨)
150日後:330,500円(取引枚数3,000通貨)
200日後:345,500円(取引枚数3,000通貨)
260日後:363,500円(取引枚数3,000通貨)

引用元:FXのレバレッジなしから考える|トレードする目的と稼ぎ方(投資の教科書)

つまり、約3ヶ月後には19,000円、5ヶ月後には30,500円、9ヶ月後には63,500円の利益を獲得することができると言われています。

レバレッジなしの稼ぎ方

ローリスク・ローリターンのレバレッジなしの運用する場合は、以下の3つのポイントをおさえましょう。

  1. 超長期投資
  2. スワップ金利
  3. 複利

1.超長期投資

レバレッジなしのFXは、短期トレードと相性が悪いと言われています。レバレッジが低い場合、相場が大きく変動しない限り、短期間で大きなリターンを期待できないからです。ただし、レバレッジが低いと含み損が大きくても強制ロスカットがされにくくなります。つまり、レバレッジなしでは、損失が出た場合でも持ちこたえることができるため、長期投資と相性がいいのです。

2.スワップ金利

FXのメリットは、毎日スワップ金利を受け取れることです。特に、レバレッジなしのFXでは、強制ロスカットがされにくいため、長期にわたってポジションが保有でき、その分スワップ金利も獲得できます。レバレッジなしで運用する場合は、スワップ金利の高い通貨を狙いましょう。

3.複利

複利とは、資金によって生じた利益を元本に組み入れることで、さらに大きな利子が期待できる効果です。複利は、長期投資のメリットであり、短期投資では複利効果は期待できません。レバレッジなしのFXは、長期投資と相性が良く、さらに複利も期待できるトレードです。

おすすめのFX会社

FX会社の中には、少額資金と相性の良いFX会社と悪いFX会社があります。FX会社によって、通貨単位やコストが異なるためです。こちらでは、少額投資におすすめのFX会社をご紹介します。

SBI FXトレード

SBI FXトレードは、2018年オリコン顧客満足度(R)調査にて、FX取引手数料で第1位を獲得しています。ドル円のスプレッドは0.27銭と業界トップの低コストとなっています。さらに、SBI FXトレードの積立FXでは、1〜3倍のレバレッジの低リスク運用を行うことができます。

GMOクリック証券

GMOクリック証券は、利用者数が多く、月間取引高世界第1位を獲得しています。特徴は、取引コストの低さと高水準スワップポイントです。ドル円のスプレッドは0.3銭であり、高金利のトルコリラや南アフリカランドなどのスワップポイントも充実しています。さらに、サポート体制も整っており、HDI格付け調査の問合せ窓口/Webサポート部門で最高評価の3星を獲得しています。

DMMFX

DMMFXは、初心者からプロトレーダーまで高く評価されているFX会社です。DMMFXも低スプレッドで知られており、ドル円0.3銭からトレードすることができます。さらに、サポート体制も充実しており、月曜AM7:00〜土曜日AM6:50(夏時間は土曜AM5:50)まで24時間対応の相談窓口と、LINEでの問い合わせが可能です。

レバレッジなしのメリット・デメリットを把握してからトレードを

今回はレバレッジなしのFXについて解説しました。FXでは、レバレッジと呼ばれる仕組みがあり、レバレッジを利用することで、少額資金でもトレードを開始することができます。ただし、レバレッジをかけ過ぎると、その分ハイリスクになり強制ロスカットを受ける恐れがあります。リスクをおさえたいという場合には、レバレッジをなしで取引することも可能です。

ただし、レバレッジをかけない場合は、その分ハイリターンも期待できません。さらに、レバレッジは少額資金で投資ができる仕組みのため、レバレッジを使用しない場合はその分まとまった資金が必要になります。レバレッジをかけないでFXを検討している方は、メリットとデメリットの両方を把握してから、判断するようにしましょう。

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