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iDeCo(イデコ)はパートや専業主婦(夫)も加入すべき?加入のメリットとは

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2017年より、iDeCo(イデコ)はパートや専業主婦(夫)の方も加入できるようになりました。今回は、パートや専業主婦(夫)のみなさんが、iDeCoへ加入することのメリットについて解説します。iDeCoのメリットは、節税効果を受けられることです。しかし、パートで働いている方のなかには、年収額によってその恩恵を受けられない場合もあります。ご自身の年収額を考慮し、iDeCoへの加入を検討しましょう。

イデコの加入を検討しているパートの人

パートの方にとってのiDeCo(イデコ)

2001年に開始した個人型確定拠出年金、通称iDeCoは会社員や公務員だけでなく、自営業や専業主婦(夫)、パートの方も加入できる私的年金として話題を呼びました。

実際、パートの方がiDeCoに加入するメリットはあるのでしょうか?

iDeCo(イデコ)の税制優遇の仕組み

iDeCoのメリットは大きな節税効果です。拠出、運用、受け取りのタイミングで税金を節約することができます。今回は以下の条件で、30年間iDeCoに加入した場合、どれぐらい税金が節約できるのか見てみましょう。

Aさん パート
年齢 30歳
年収 100万円
掛金 8,000円
期間 30年
利率 3%

iDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーション

掛金が所得控除

拠出のタイミングで節約できる税金は、所得税および住民税です。iDeCoに拠出した掛金は、全額所得控除の対象となります。通常であれば、所得税や住民税は年収に税率をかけて算出します。iDeCoの場合、年収から掛金を差し引いてから税率をかけるため、税金を安く抑えることができます。

ただし、Aさんの場合は、所得控除が適用されません。なぜなら、所得税や住民税が課税されるのは、年収が103万円以上の場合です。Aさんはパートで年収が103万円以下のため、そもそも所得税を支払う必要がないのです。

運用益が非課税

運用のタイミングで節約できる税金は、運用益にかかる税金です。iDeCoの資産運用で発生した利益には、税金が課されません。通常の株式投資であれば、投資で出た利益に20.315%の税金が課されます。iDeCoの場合、信託投資で出た利益は非課税対象です。つまり、利益のすべてを運用に回すことができます。

Aさんの場合、30年間で356,379円の税金を節約することができます。これは、通常の株式投資では支払う税金ですが、iDeCoは支払う必要がありません。

受け取り時の税負担が軽減

受け取りのタイミングでも税金を節約することができます。iDeCoの運用が終了し、資産を受け取る際に、一括もしくは分割で受け取ることができます。一括として受け取る場合は、一時金とみなされ退職所得控除が適用されます。分割として受け取る場合は、年金とみなされ公的年金等控除が適用されます。つまり、どちらの受け取り方法を選択しても、税金の負担を軽減することができます。

パートの年収が103万円以上の場合

所得控除のメリットを受けられるのは、年収が103万円以上の場合です。では、先ほどのAさんの年収が120万円の場合で、所得控除でどれぐらい節税できるのか見てみましょう。

以下の条件で30年間加入した場合、年間で14,400円、30年間で432,000円の所得税、住民税が節約できます。所得が高いほどiDeCoの所得控除の恩恵を受けやすくなります。

Aさん パート
年齢 30歳
年収 120万円
掛金 8,000円
期間 30年
利率 3%

パートの掛金上限と税控除

iDeCoの掛金上限額は、各職業ごとによって異なります。iDeCoの上限額は以下の表の通りです。

パートや専業主婦(夫)の方は、月額23,000円まで支払うことができます。23,000円分は全額所得控除のため、たとえ年収が103万円以上であっても、130万6,000円(103万+2万3,000円×12)まで所得に税金が課されません。

職業 上限額 最低額
自営業 68,000円 5,000円
会社員(*1) 23,000円 5,000円
会社員(*2) 20,000円 5,000円
会社員(*3) 12,000円 5,000円
専業主婦・専業主夫 23,000円 5,000円
公務員 12,000円 5,000円

(*1:企業型確定拠出年金や確定給付企業年金に加入していない方)
(*2:企業型確定拠出年金のみ加入している方)
(*3:確定給付企業年金のみ、または企業型確定拠出年金と確定給付企業年金を併用している方)

所得控除がないパート、専業主婦(夫)は積立NISAも

年収が103万円以下で、今後もパートの勤務時間を増やす予定のない方は、積立NISAも視野に入れみてはいかがでしょうか? 積立NISAとは、少額からできる積立投資制度です。積立NISAでは、iDeCoと同じく運用益にも税金がかかりません。

iDeCoは原則60歳になるまでは、資産を引き出すことができませんが、積立NISAであればいつでも引き出すことができます。積立しながら将来に備えつつ、万が一の出費には引き出すことのできるNISAは、所得の少ないパートや専業主婦(夫)の方にもメリットの多い制度です。

パートの方は年収に応じて検討が必要

今回はパートの方にとってのiDeCoのメリットについて解説しました。

iDeCoのメリットは、所得控除、運用益の非課税、受け取りの減税など、節税対策ができることです。しかし、そもそも所得税のかからない103万円以下のパートの方は、所得控除を活用することができません。また、iDeCoは一度拠出した掛金は60歳になるまで引き出すことができません。所得が少なく、万が一の場合にすぐに引き出したいという方は、iDeCoだけでなくNISAの加入も考慮に入れましょう。

iDeCoへの加入を検討されている方は、まずは自身の年収や掛金額をきちんと把握しましょう。また、加入前にシミュレーションを活用することもおすすめします。

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