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iDeCo(イデコ)を会社に拒否され加入できない。会社の拒否は認められるのか

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会社員の方がiDeCo(イデコ)に加入する際、最大の問題となるのが企業への申請です。iDeCo(イデコ)の加入手続きの際には、勤め先の承認を得てから申請書を提出する必要があります。しかし、企業側が証明書を書いてくれないというトラブルも発生しています。実際、企業の拒否は認められているのでしょうか?

イデコに加入しようか迷っている会社員

iDeCo(イデコ)と所属会社の手続きにおける関係性とは

会社員の方がiDeCo(イデコ)に加入するうえで気をつけることは、加入条件の確認と申込書の記入です。

加入している企業年金の有無で加入条件が異なります。また、会社員の方が加入する際には会社の承認が必要です。まずは加入条件から確認しましょう。

iDeCo(イデコ)はサラリーマンに必要?加入資格・メリット・上限額などを解説

個人型と企業型の確定拠出年金

そもそも確定拠出年金とは、運用によって年金の受け取り額が決定する年金制度です。確定拠出年金とは対照的に、確定給付年金の場合は受け取り額があらかじめ決まっています。掛金以上の資産を増やしたい方が確定拠出年金、コツコツと地道に貯えたい方が確定給付年金を選択します。

さらに、確定拠出年金には個人型と企業型の2種類があります。iDeCo(イデコ)は個人型に該当し、企業で加入している確定拠出年金は企業型に該当します。

では、この2つの年金の違いとは何なのでしょうか?

iDeCo(イデコ)とは

個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、職業に関係なく加入できる私的年金です。拠出全額が所得控除、運用益が非課税、受け取り時も控除など節税効果が大きいというメリットがあります。その一方で月々の運用や年金の受け取りの度に手数料が発生するというデメリットもあります。

会社員の方もiDeCo(イデコ)に加入することは可能です。ただし、企業年金の加入の有無で掛金の上限額が異なります。上限額に関しては以下の通りです。

1)23,000円 企業年金に加入していない
2)20,000円 企業型確定拠出年金のみ加入
3)12,000円 確定給付企業年金もしくは確定給付企業年金と企業型確定拠出年金を併用

企業型確定拠出年金とは

企業型確定拠出年金は誰でも加入できるわけではありません。年金制度が整備されている企業に勤めている会社員が対象です。

企業型確定拠出年金の掛金は企業が拠出します。そのため加入者である会社員が負担することはありません。なお、企業の掛金に上乗せで加入者も拠出することができます。その制度をマッチング拠出と言います。

その一方で、加入者が金融機関を選べないデメリットもあります。金融機関によって運用商品は異なりますが、企業型確定拠出年金の場合は企業が金融機関を選び、その金融機関で加入者は運用商品を選びます。自分が希望する運用商品がないことも起こりえるのです。

会社員はiDeCo(イデコ)に加入できない?

前述したように、会社員もiDeCo(イデコ)に加入することはできます。ただし、すでに企業型確定拠出年金に加入している方は、以下の条件に該当する場合は加入できません。

1)企業がiDeCo(イデコ)の加入を認めていない
2)マッチング拠出を採用している

iDeCo(イデコ)の加入条件を満たしている場合でも、勤め先が加入を認めていない場合は加入できません。また、マッチング拠出を採用している場合も加入できません。

会社員のiDeCo(イデコ)加入手続き

通常、iDeCo(イデコ)の加入手続きには個人型年金加入申出書を提出します。

その一方で会社員の場合は、個人型年金加入申出書と事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書の2つを提出しなければいけません。

会社に書類記入をしてもらう

先ほど申出書と証明書の2つを提出すると言いましたが、事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書には企業側の記入項目があります。

記入項目は、企業の認印だけでなく、企業年金の加入状況、掛金納付方法、厚生年金適用事業所の住所など複数あります。iDeCo(イデコ)の申し込みには、企業側にもいくらか負担がかかってしまうのです。

会社に記入を拒否される

イデハラという言葉をご存知でしょうか? イデハラとはiDeCo(イデコ)ハラスメントのことを指し、会社員のiDeCo(イデコ)の申請に企業側が応じない、証明書を書いてくれないことをイデハラと言います。

最近増えつつあるイデハラですが、確定拠出年金法第78条には以下のように明記されています。

第七十八条 厚生年金適用事業所の事業主は、当該厚生年金適用事業所に使用される者が個人型年金加入者である場合には、当該個人型年金加入者に対し、必要な協力をするとともに、法令及び個人型年金規約が遵守されるよう指導等に努めなければならない。

引用元:確定拠出年金法-厚生労働省

つまり、企業の証明書の拒否は認められていません。企業の判断で会社員のiDeCo(イデコ)への加入を妨げることはできないのです。

掛金の支払い方法

掛金の支払いに関して、事業主払込と個人払込のどちらかを選ぶことができます。

事業主払込とは、給与天引きで掛金を支払う方法です。企業が支払いを行うため、年末調整の手続きは不要です。ただし、企業によっては事業主払込を受け付けていない場合があります。その際は個人払込を選びましょう。

個人払込は指定口座から掛金を引き落としする方法です。年末調整をしなければいけない一方で、転職や退職した際にも口座を変更することなく、運用を継続できるというメリットもあります。

iDeCo(イデコ)に加入済みで転職する場合

すでにiDeCo(イデコ)に加入しており、会社を変更する場合には手続きが必要です。今回は以下の2つのパターンについて解説します。

1)転職先でiDeCo(イデコ)が認められている場合
2)転職先の企業型確定拠出年金に変更する場合

転職先でiDeCo(イデコ)が認められている場合

転職先でiDeCo(イデコ)が認められている場合は、運用を継続することができます。その際は、加入者登録事業所変更届と事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を提出しましょう。

また、自営業者や専業主婦(夫)の方が会社員や公務員になった場合は国民年金の種別も同時に変更となります。その際は、加入者被保険者種別変更届と事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を提出しましょう。

転職先の企業型拠出年金に変更する場合

転職先でiDeCo(イデコ)の併用が認められておらず、企業型確定拠出年金に変更する場合は、資産を移換する手続きを行わなければいけません。まずは加入者資格喪失届を提出し、人事部もしくは担当部署に従って企業型確定拠出年金の加入手続きを行いましょう。

転職をしてから6ヶ月以内に手続きを行わなかった場合は自動移換がされます。自動移換は資産を国民年金基金連合会に移動、管理される手続きで手数料が発生します。転職や退職の際は、すみやかに手続きを行いましょう。

iDeCo(イデコ)は会社の協力が必要

今回は会社員のiDeCo(イデコ)加入について解説しました。会社員は企業型確定拠出年金とiDeCo(イデコ)の両方に加入することができますが、その際は企業の加入条件を確認しましょう。

また、加入手続きの際には企業の認印や記入が必要です。企業の記入がないと加入できないため、不備の無いように準備しておきましょう。

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