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iDeCo(イデコ)は海外赴任中も運用できる?海外居住による資格喪失について

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こちらの記事では、iDeCo(イデコ)加入者の海外赴任における運用の継続について解説します。iDeCo(イデコ)に加入しており、海外赴任が決まった方は、資格を喪失する恐れがあります。ただし、一定の条件を満たした方は引き続き運用を継続することができます。iDeCoの加入条件、資格喪失条件を理解し、今後どのように運用していくのか判断しましょう。

海外赴任が決まり、イデコをどうするか迷っている人

iDeCo(イデコ)の加入条件と資格喪失条件

iDeCoには、加入の条件と資格喪失条件が定められています。加入条件に関しては、以下の通りです。

  • 20歳以上60歳未満である
  • 国民年金保険料を納付している
  • 日本国内に在住している
  • つまり、海外在住の方はiDeCoに加入することができません。では、すでにiDeCoに加入している方で、海外在住になる方はどうなるのでしょうか? その方は、iDeCoの資格喪失条件が関わってきます。

    iDeCo(イデコ)の資格喪失の条件

    iDeCoの資格喪失条件は、以下の通りです。

  • 60歳以上
  • 国民年金保険料が未納
  • 企業年金規約で加入を認められていない
  • 非居住者
  • 条件の4つ目に、非居住者が挙げられています。つまり、海外在住の加入者はiDeCoの加入資格を喪失します。ただし、海外に居住している方でも、様々な理由で海外に居住している方がいらっしゃると思います。非居住者についてもう少し掘り下げましょう。

    所得税法において、非居住者は以下のように定義されています。

    我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。

    引用:国税庁 No.2875 居住者と非居住者の区分

    要約すると、住民票の住所が日本でない方、もしくは1年以上日本に居住する予定がない方が非居住者となります。

    iDeCo(イデコ)を継続できる非居住者の条件

    海外赴任で、非居住者に該当する方はiDeCoの資格を喪失します。ただし、以下の条件を満たす場合はiDeCoの加入を継続することができます。

  • 企業の厚生年金を継続できる
  • 企業に企業型年金が導入されてない、または加入対象となっていない
  • 海外移住者と上述の条件を満たさない場合

    海外赴任以外で海外に移住、転出する方や上述した条件を満たさない海外赴任の方は、iDeCoの資格を喪失します。iDeCoの資格を喪失した場合、iDeCoへ掛金を拠出することができません。

    ただし、iDeCoの資格は喪失しますが、運用指揮者として運用することは可能です。運用指揮者とは、掛金の拠出を行わずに、運用のみ行う運用者です。iDeCoの口座を保有したまま、運用指揮者として運用を行うことができます。海外在住のiDeCo口座の管理、維持に関しては、利用している金融機関に問い合わせましょう。

    帰国後は再開可能

    iDeCoの資格は喪失後も、国内に居住を開始した場合は運用を再開することができます。ただし、掛金を拠出できなかった期間を遡って追納することはできません。iDeCoの掛金は毎月26日に引き落とされ、26日以外に支払うことができないためです。

    金融機関の非居住者への対応

    非居住者に対して、各金融機関はどのような措置を講じているのでしょうか? 以下の金融機関を例に見てみましょう。

    1. SBI証券
    2. 野村證券
    3. SMBC日興証券
    4. 楽天証券

    SBI証券

    SBI証券では、非居住者の対応に関して、以下のように明記しています。

    当社に証券総合口座をお持ちのお客さまが、海外勤務等の理由により一時的に出国「(本邦)非居住者」 される場合、原則「帰国されるまでの間」も当社の証券総合口座(お客さま名義)にて有価証券等をお預けいただくことができます。

    引用:SBI証券 海外転勤等の理由により出国(非居住)される方の対応について

    つまり、非居住者は運用指図者として、運用を行うことができます。ただし、永住する場合は、口座が閉鎖されます。

    野村證券

    野村証券では、非居住者の対応に関して、以下のように明記しています。

    一時的な出国につきましては、引き続き、当社の証券口座で有価証券等をお預けいただけます。「住民票」や「在留証明」など、出国先や出国予定日を記載した書類をご用意の上、お取引店までお問い合わせください

    引用:野村證券 よくあるご質問

    野村證券も非居住者は口座を維持、管理することができます。ただし、手続きは必要のため、出国前に必ず行いましょう。

    SMBC日興証券

    SMBC日興証券では、非居住者の対応に関して、以下のように明記しています。

    日本国内の居住者ではなくなってしまうことから、ご転居前に速やかにお取引店にご連絡いただき、お取引口座をご解約ください。
    ただし、当社が定める口座の取り扱いについてご承諾いただき、所定のお手続きをしていただいて、かつ当社が承認した場合には、規定の範囲内で口座を継続して保有することができます。

    引用:SMBC日興證券 よくあるご質問

    SMBC日興証券では、口座を維持には一定の条件を満たす必要があります。なお、条件の詳細については、取引店まで問い合わせましょう。

    楽天証券

    楽天証券では、非居住者の対応に関して、以下のように明記しています。

    国内非居住者の場合、弊社でお取引を行うことはできません。
    そのため、国外に転出なさる場合、弊社でお預りしているご資産をなんらかの方法(売却、出金、他社へ移管等)により、すべての残高をなくしていただき、総合取引口座の解約のお手続きをお願いいたします。

    引用:楽天証券 よくあるご質問

    楽天証券は、国内居住者のみ取引することができます。つまり、国内非居住者は取引ができないため、口座解約手続きを行う必要があります。

    口座解約は、インターネットではなく書面で行います。楽天証券の公式サイトから「口座解約依頼書」をダウンロードし、記入のうえ郵送します。

    海外赴任時には自身の状況を確認しましょう

    今回は海外赴任におけるiDeCoの継続に関して解説しました。

    iDeCoの資格喪失の条件の1つに、非居住者であることが挙げられます。しかし、海外赴任の方に関しては、一定の条件を満たすことで、引き続き掛金の拠出、運用を行うことができます。一方で、条件に該当しない海外赴任や海外移住の方は、海外在住期間は拠出を行うことができません。

    なお、iDeCoの資格を喪失してしまう方も口座を維持することは可能です。海外に移住する予定の方は、出国する前に利用している金融機関に問い合わせ、必要な手続きを行うようにしましょう。

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