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iDeCo(イデコ)は加入すると損をする?元本割れを起こさない方法とは

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iDeCo(イデコ)は、掛金が全額所得控除や運用益の非課税など、加入するメリットの多い年金制度です。しかし、きちんと仕組みについて理解しないと、加入後の運用において損失を生み出してしまうこともあります。iDeCoへ加入を検討している方は、iDeCoの損失が出る仕組みを理解し、節税効果を最大限に活かした運用を行いましょう。

イデコで損失が出て悩んでいる人

iDeCo(イデコ)で損をする可能性は?

iDeCoは拠出額の全額所得控除、運用益の非課税など節税効果が大きく、さらに会社員の場合は転職した場合でも、同じ口座で運用を継続できるメリットがあります。

しかし、iDeCoは誰にでも最適な年金制度とは言えません。人によっては、加入を検討した方がいい場合もあります。

iDeCo(イデコ)のデメリット

将来の備えのためにiDeCoに加入したはずなのに、逆に損失を出してしまった。そんな方は、もしかしたら以下のケースに当てはまっているかもしれません。

  1. 元本保証型の商品ばかり購入
  2. 信託報酬の高い投資信託を選んでいる
  3. 手数料の高い金融機関を選んでいる
  4. 資金が少ないのにiDeCoを使っている

元本保証型の商品ばかり購入

元本保証型の商品とは、定期預金や保険など元本割れのリスクを伴わない運用商品です。資産を減らすリスクを背負いたくないために、元本保証型の商品を選んでいる方も多いかもしれませんが、元本保証型ばかりでは逆に損失を生み出してしまいます。

iDeCoは運用中に手数料が発生します。利率の低い元本保証型の商品はただ預けているのと同じです。手数料を払ってまでお金を預けて入れば、利率よりも手数料の金額の方が上回り、結果損をしていることになります。

信託報酬の高い投資信託を選んでいる

投資信託は金融のプロが運用を行う投資手法です。そのため、プロへの報酬として信託報酬が発生します。この信託報酬は運用商品によって異なります。

信託報酬は運用期間中は毎月発生するものです。つまり、信託報酬の高い投資信託ばかりでは手数料が利益を上回ってしまい損失を生み出すことになります。

手数料の高い金融機関を選んでいる

iDeCoは加入、運用、受け取りの際に手数料が発生します。この3つの手数料のうち、もっとも注意しなければいけないのが、運用期間中の手数料です。

運用期間中には、口座管理手数料と呼ばれる手数料が毎月発生します。この口座管理手数料は金融機関によって値段が異なります。運用成績によっては、手数料でマイナスになることもあるため、一度ご自身の手数料を確認しましょう。

資金が少ないのにiDeCo(イデコ)を使っている

iDeCoは将来の年金を増やすための制度です。しかし、資金が少なく余裕がない場合は、将来の備えの前に現在の生活費を確保することが最優先です。iDeCoへの拠出が困難な方は、運用指図者へ変更することをおすすめします。

運用指図者とは、拠出を行わず運用のみ行う人を指し、iDeCoでは運用指図者として運用を継続できます。ただし、運用指図者には手続きが必要です。

iDeCo(イデコ)の損益通算

iDeCoで投資信託で損失が発生した場合、損益通算をすることはできません。損益通算とは、所得同士の損失と利益を合算することができる制度です。税金は所得額に応じて課されますが、損益通算を活用すると損失の出た所得を利益の出た所得の損益を相殺することで、税金を安く抑えることができます。

しかし、iDeCoは損益通算の対象外となるため、たとえ損失が出た場合でも他の所得と相殺することができません。そのため、損失を抑えた運用が重要となります。

iDeCo(イデコ)の損益分岐点

投資の世界では、損益分岐点を把握することが重要です。iDeCoでは、損は手数料、利益は税制優遇のことを指します。

iDeCoのメリットとして、掛金全額を所得控除として差し引くことができることが挙げられます。ただし、掛金を拠出できるのは60歳までです。加入期間が長いほど、所得控除の恩恵も多く受けることができますが、加入が短いと所得控除を利用できる期間も短くなります。特に、50代で加入を検討している場合は、注意しましょう。

iDeCo(イデコ)の運用をやめたほうがいい人

年齢以外の理由で、iDeCoへの加入を検討すべき人はいます。それは、以下に当てはまる人たちです。

  1. 収入が低く、所得税が低い人
  2. 控除されるものが多い人
  3. 年金・退職金が多い人
  4. 貯蓄が少なく、余剰資金が少ない人

1.収入が低く、所得税が低い人

そもそも所得税が低い方は、iDeCoのメリットがあまりありません。iDeCoのメリットは、掛金を所得控除できることです。しかし、年収が103万円以内の場合は所得税を支払う必要がありません。所得のない専業主婦(夫)は、iDeCoによる所得控除の恩恵を受けにくい立場にあります。さらに、iDeCoは毎月手数料が発生するため、収入が少ない方にとっては負担になることもあります。

2.控除されるものが多い人

所得控除が多い場合も、iDeCoのメリットを受けにくい立場にあります。iDeCoの掛金は所得控除の対象となりますが、iDeCo以外にも扶養控除や社会保険料控除、生命保険料控除も所得控除として所得から差し引くことができます。つまり、そもそも控除が多い場合、iDeCoで所得控除をする必要がないのです。

3.年金・退職金が多い人

年金や退職金が多い方は、iDeCoの加入に注意しなければいけません。iDeCoの資産を受け取る際、分割であれば公的年金等控除、一括であれば退職所得控除が受けられます。しかし、これらの控除は、iDeCo以外の年金や退職金を含めた控除額です。つまり、iDeCoに加入したことにより控除枠を超えてしまうこともあります。iDeCoの受け取る場合は、年金や退職金も考慮して受け取り方法を決めましょう。

4.貯蓄が少なく、余剰資金が少ない人

貯蓄が少なく、iDeCoに拠出する余裕のない方は、iDeCoへの加入はあまりおすすめできません。iDeCoは将来の年金を増やすための制度です。余剰資金のない方は、将来の資産を増やすのではなく、現在の生活費を確保することが最優先です。

さらに、iDeCoは原則60歳になるまで資産を引き出すことができません。万が一の出費があった場合、iDeCoに拠出した資産を活用できないのです。貯蓄が少なくても資産を残したいのであれば、いつでも引き出すことのできるNISAがおすすめです。

自身の場合をシミュレーション

iDeCoに加入を検討している方は、まずはシミュレーションをしましょう。iDeCo公式サイトや各金融機関では、シミュレーションツールを公開しています。年収、掛金、年齢などを入力するだけで、将来の受け取り額や節税額を確認することができます。無料で利用することができるので、一度シミュレーションしてみましょう。

iDeCo公式サイト
ろうきん
楽天証券

iDeCo(イデコ)を始める前に、まずはシミュレーションを試しましょう

手数料のデメリットを軽減する金融機関

iDeCoの損失を抑える方法として、口座管理手数料の安い金融機関を利用することが挙げられます。以下は、口座管理手数料が無料の金融機関です。ただし、りそな銀行に関しては、新規加入もしくは資産を移換した方を対象に2年間限定で口座管理手数料が無料となります。

損失リスクを考慮した選択が重要

今回はiDeCoの損失について解説しました。iDeCoは厚生年金や企業年金と比べて、加入のハードルが低く、幅広い職業の方が利用できます。さらに、iDeCoは掛金全額が所得控除、運用益が非課税、受け取りの際の控除が受けられるなどのメリットがあります。

しかし、運用方法次第では資産を減らしてしまう恐れもあります。個人で加入する年金制度のため、手数料は自己負担となり、運用益が手数料を下回ると損失となってしまいます。また、収入が少ない人や拠出の余裕がない方は、iDeCoの加入自体検討する必要があります。iDeCoに加入する場合は、ご自身の状況とiDeCoのメリットを比較し、損失を抑えた運用を心がけましょう。

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