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iDeCo(イデコ)から年払いが誕生。メリットを理解してから変更手続きを

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iDeCo(イデコ)の支払いには月払いと年払いがあることをご存知でしょうか? 今回はそのうちの年払いについて解説します。年払いは2018年にできた新しい制度であり、年払いならではのメリットがあります。もし、支払い方法の変更を検討されている場合は、手続きや年末調整、確定申告などの注意点もあるので、必ず確認しておきましょう。

イデコの支払いを計算している

iDeCo(イデコ)の年払いとは

これまでiDeCo(イデコ)の支払いは月払いに限られていました。しかし、2018年に新たに年払い制度が導入され、月払いと年払いのどちらかを選べるようになりました。

では、なぜ年払いが導入されたのでしょうか? 年払いのメリットとは何なのでしょうか?

2018年より年単位の支払い開始

iDeCo(イデコ)では、支払い制度として2018年1月に年単位拠出が採用されました。

これまでの月払いでは毎月決まった金額を支払う必要がありました。しかし、新たに誕生した年単位拠出は12ヶ月を一区切りに、その12回の支払いを限度額内で自由に支払い額を決められるようになりました。つまり、月ごとに支払い額を変更できるようになったのです。

年単位拠出の導入により、余裕のある月は多く支払い、逆に家計が厳しい月は支払いを抑えるなど、支払い額を自由に決められるようになりました。

年払いのメリット

年払いには、支払い額を自由に決められること以外にもメリットがあります。それは手数料の削減と限度額の活用です。

手数料削減

iDeCo(イデコ)の掛金の支払いには手数料として103円徴収されます。月払いの場合は103円の手数料が12ヶ月分、1,236円徴収されます。

一方で、年単位拠出では1度に数ヶ月分の支払いを済ますことができます。例えば、半年分の掛金を年に2回に支払う場合は手数料を206円に抑えられます。月払いと比べると、1年に1,030円、10年で10,300円も節約することができます。

限度額の活用

月払いで限度額いっぱいまで支払えず、限度額が余ってしまった経験はないでしょうか? 年払いの場合、限度額まで支払えます。

例えば、月々の限度額が20,000円の方が1〜5月までを10,000円支払い、余った50,000円(10,000円×5ヶ月)をボーナス期の6月に一気に支払うことができます。また、1〜5月分は0円に抑え、6月に一気に掛金を支払うことも可能です。

つまり、年払いでは1年の限度額の枠を活用することができます。

年払いのデメリット

自由に支払い金額が指定できる年払いですが、デメリットもあります。年払いのデメリットとして、以下の3点が挙げられます。

・ドルコスト平均法
・拠出額
・確定申告

ドルコスト平均法のメリットが受けられない

ドルコスト平均法とは、毎月一定金額を購入する方法です。毎月定額で支払うため、安い価格の時には多く、高い価格の時には少なく購入できるメリットがあります。

しかし、年払いでは月によって支払い額が変動します。万が一高い価格の時に多く支払ってしまうと、高値で投資してしまうことになります。投資の効率が下がってしまうというデメリットが生まれます。

拠出額の把握が困難

年払いは拠出額をきちんと把握しなければいけません。たとえば、年末で50,000円を支払うと予定していても、予想外の出費で支払時期に払えないという事態も発生します。

年払いを選択した場合は、必ず拠出額を把握し、計画的に口座に掛金を残しておきましょう。

確定申告が必要な場合もある

年払いは掛金を一括で支払うこともできます。その掛金を10〜12月の間に支払った場合、確定申告が必要になります。

確定申告をしなければ、所得控除を受けることができません。所得控除は所得税や住民税を安く抑えられるため、確定申告は必ず行うようにしましょう。なお、確定申告は毎年2月15日から3月15日の間です。

年払いの手続き

年払いを利用する場合は加入者月別掛金額登録・変更届を提出しなければいけません。届け出には以下の3点を記入します。

①申出者情報
②当年の掛金額
③翌年の掛金額

①の申出者情報には基礎年金番号が必要になるため、必ず用意しておきましょう。また、新規加入の場合は、個人型年金加入申出書の「納付月と金額を指定して納付します」にチェックマークを入れてください。

SBI証券や楽天証券を利用している方は公式サイトで手続き方法を確認してください。

SBI証券
楽天証券

注意点

iDeCo(イデコ)の支払いにおいて、以下のような際には注意が必要です。利用を検討している方は必ず確認しておきましょう。

・拠出期間
・拠出回数
・前納
・途中加入
・支払いの変更

拠出期間

掛金は毎月26日に引き落としされます。26日に引きとされるのは前月分の掛金です。つまり、1月の掛金は2月26日に引き落としされます。

掛金の拠出月と実際の納付月は異なることを把握しておきましょう。

拠出回数

年払いを選択した場合、拠出を年に1回に抑えることもできます。ただし、この1回は12月引き落としに設定しなければいけません。年1回の支払いを12月以外の4月や9月などの月に指定することはできません。

前納

掛金を前納することはできません。たとえば、1〜4月の支払いを1月にまとめるのではなく、4月にまとめて支払うこととなります。掛金をまとめて支払う場合は、まとめる期間のもっとも最後の月に支払わなければいけません。

途中加入

iDeCo(イデコ)の支払いは1月〜12月を1単位とします。この間で途中加入した場合は、加入日以降の残りの月数分のみ納付することができます。つまり、加入日よりさかのぼって追納することはできません。

支払いの変更

掛金の拠出を月払いや年払いに変更できるのは1年に1度が原則です。掛金の変更に関しても同様です。1~12月の間で1度変更した場合は、次に変更できるのは翌年となります。

ただし、職業による上限額の変動に合わせて掛金を増額、減額する場合は支払いの変更に含まれません。

年払いの詳細を理解して判断しましょう

今回はiDeCo(イデコ)の年払い制度について解説しました。年払いは手数料削減や限度額の活用ができる一方で、ドルコスト平均法のメリットが受けられないなど、運用面でデメリットもあります。

安易に年払いにするのではなく、きちんと制度について理解し、自分に適している支払い方法を選びましょう。

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