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証券会社口座は複数保有できる?配当金や税金・確定申告とNISAについて

更新日:

証券会社の複数口座を持つ場合のデメリットや使い分け、税金や配当金の受け取りに関して説明します。
確定申告の際に複数証券口座を持っていることで、ひとつの証券口座に集中させるときとどのような違いがあるのかもお教えします。
既に証券口座を持っていて新たに複数口座を開設しようと思っている場合におすすめのネット証券も紹介しますので、参考にしてみてください。

証券口座を複数保有する人の画像

複数の証券会社で口座開設するメリット、デメリット

証券口座は、ひとつの証券会社だけでなく、ほかの証券会社でも持つことができます。
ひとつの証券口座を持っているだけで取引はできますが、様々な証券会社の口座を複数保有している、という投資家も多くいるようです。
では、複数の証券会社で口座を持つことでどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

複数の証券会社で口座開設をするメリット

まずは、メリットについて紹介します。

投資対象が増えて、バリエーションが広がる

投資は、株式投資やFX、不動産投資、投資信託などたくさんの金融商品の種類があります。
それぞれ金融商品についても多くの銘柄があり、証券会社によって取引に対応している投資や銘柄が限定されています。

そのため、ひとつの証券会社でのみ口座を持っているときに比べて、2個や3個と口座を持っている場合には投資対象が増え、投資のバリエーションが広がります。

IPOの当選確率が上がる

IPOとは、新規公開株です。
株式を新たに証券取引所に上場させ、証券市場において誰でも売買が行える状態にすることです。

IPOでは、抽選によって上場前の株を安い値段で手に入れることができ、上場によって株価が急上昇し、大きな利益が得られる可能性が高いことから非常に人気があります。

このIPOの抽選では、証券会社ごとに割り当てがあるため、口座を持っている分だけ気になるIPOの抽選に申し込むことができます。
そのため、複数の口座を持っている方が当選確率が上がり、非常に有利となります。

商品によって適切な手数料で取引できる

投資の商品によって、証券会社ごとで手数料が異なります。
そのため、自分の購入したい投資商品によって利用する証券会社を変えることで、よりお得に取引を行うことができます。

例1)現物の売買の成立時の価格(約定代金)が10万円以下のケース
・マネックス証券:108円
・SBI証券:97円
・松井証券:無料
となります。

例2)1日の定額プランの手数料
・マネックス証券:300万円以内の取引であれば2,700円
・SBI証券:10万円以内は無料、20万円以内は206円
・岡三証券オンライン:20万円以内の取引では無料、20万円以上・30万円以内お取引では378円

どの投資商品をいくらでどの量購入するのか、によってお得に取引できる証券会社が変わってきます。

参考:手数料・費用[マネックス証券公式サイト]
参考:国内株式の手数料[SBI証券公式サイト]
参考:手数料[松井証券公式サイト]
参考:手数料[岡三証券オンライン公式サイト]

口座をもつことで、有益な情報や独自のサービスを得られる

投資は情報戦です。
より早く、有益な情報を得ることが重要なポイントとなります。

各証券会社によって、配信している情報が異なるため、複数の証券会社で口座を開設することで、多方面から様々な情報を得ることができます。

手数料が高い分、投資家にきちんと情報を提供することでサービスの質を高めている場合もあります。
また、オンラインセミナーや分析ツールなど、提供サービスも証券会社によって違います。

基本的に口座の開設は無料で管理費もかからないので、大きなメリットと言えます。

システム都合など、不測の事態に強くなる

システムエラーや、株価の大暴落が起きた場合に、証券会社へのアクセスが集中し、システムエラーによって自身の証券口座が機能しなくなる可能性があります。

取引が行えなくなることで、大きな損失を生む危険性もあります。

そこで、ひとつの証券口座に絞らず、複数の証券口座にリスクを分散させることができます。

複数の証券会社で口座開設をするデメリット

一方で、デメリットはあるのでしょうか。

税金面の手続きが手間

複数の証券口座を持つことで、口座によって利益と損失が様々に発生します。
複数口座の利益や損失は、確定申告を行うことによって損益通算を行うことができ、払いすぎた税金を取り戻すことができます。

しかし、確定申告によって収入を申告することになるため、そこから計算される保険料など(*1)が高くなる可能性がでてきます。

確定申告を行わない方がよい場合もあり、自身で計算する手間が発生します」。

(*1:個人事業主の健康保険料、75歳以上の健康保険料、医療費負担など)

複数口座の管理が面倒

口座を複数持つことで、管理がややこしくなります。
自身の金融資産がいくらで、利益や損失がどの程度のものなのか、把握して管理する大変さがあります。
また、それぞれの口座にお金をきちんと入れておくだけの資金力も必要です。

取引の際には口座によって画面を切り替える手間も出てきます。

一つの証券会社で複数口座をもつことはできない

「複数の証券口座」とは、異なった複数の証券会社での口座開設を意味しています。
ひとつの同じ証券会社でいくつも証券口座を開設することはできないので注意が必要です。

複数口座をもっている場合の配当金の受け取り方(複数の証券会社で同じ銘柄をもっている場合等)

複数の証券会社で口座を作った場合、配当金はどのように受け取ればよいのでしょうか。

株式数比例配分方式

配当金を受け取る権利が確定した際の残高によって、配当金を証券口座に入金してもらう方式です。
似たの方法で「個別銘柄指定方式」(*1)もあります。

1つの同じ銘柄を複数の証券会社の口座で保有しているケースでも、それぞれの証券会社での保有株式の数に応じて各口座に配当金が入金されます。

(*1:銘柄ごとに指定した預金口座へ振り込まれる方法です。)

参考:株式数比例配分方式[SMBC日興証券公式サイト]
参考:個別銘柄指定方式[大和証券公式サイト]

登録配当金受領口座方式

投資家の指定した金融機関から配当金を受け取れる方式です。

複数の証券口座を持っている場合には、どこか1つの証券会社で指定口座の変更を行うと、全ての証券口座にて有効となります。

つまり、例えば証券会社Aで銀行口座Pでの入金を指定したあとに、証券会社Bで銀行口座Qでの入金に変更した場合には、証券会社Aで新たに手続きを行わなくても、銀行口座Qへの入金先の変更が適用されます。

参考:登録配当金受領口座方式[楽天証券公式サイト]

従来方式

株式の発行会社が配当金を出した際に株主へ配当金領収証などの書類が郵送され、その書類を郵便局などで換金して配当金を受け取る方式です。

従来方式は、配当金受領証方式と言われています。
株式の電子化が進んでからは、手間のかかる方法としてあまり一般的ではなくなりました。

複数口座をもっている場合の税金は?

複数口座に対しての税金はどのようになるのでしょうか。

確定申告をするとお得になることもある

証券口座では、投資家自身が税金の計算から確定申告までの全てを行う口座と、証券会社が投資家に代わって税金を納めてくれる確定申告の不要な口座があります。

複数の口座を保有している場合、証券口座Aでは利益があっても、証券口座Bでは損失となっている場合があります。
証券会社などが代わりに確定申告を行ってくれる口座を複数持っている場合には、利益と損失を合算させ、損益通算を行うことで払いすぎた税金が戻って来ることがあります。

確定申告によって他の税額に影響を及ぼす可能性もあります。

確定申告によって必ずしもプラスになるとは限らず、手間をかけたのに結果的にマイナスとなる場合もあります。
個々の状況によって、確定申告を行うべきかどうかは変わるため注意が必要です。

NISA口座は1人1口座

投資によって得られた利益に対してかかる税金を非課税としてくれるNISAですが、このNISA口座は「1人1口座」と決められています。
全ての証券会社で1つです。

複数の金融機関に対して同時にNISA開設を申し込んだ場合、申請の受理が早いところでNISA口座が1つでも開設されると、他の金融機関に対してNISA口座開設の申請を受理しないよう通知が行くようになっています。
この場合には、勝手に開設する証券会社を決められてしまうため、注意が必要です。

普通の証券口座からNISA口座へ商品を移動することはできず、損益通算も行えないため注意が必要ですが、NISAの非課税制度を上手く使って、自分自身の投資の幅を広げることも可能です。

複数ネット証券会社の使い分け

ここからは、複数の証券口座を持つ際にどのように使い分けていけばよいのか、大手ネット証券会社を比較していきます。

SBI証券

まずは、日本国内で口座開設数No1で430万人に利用される「SBI証券」です。
非常に安い手数料と充実したサービス、使いやすさから初心者でも安心して使うことができます。
株初心者であれば、まずはこのSBI証券での口座開設がおすすめです。

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松井証券

100年という長い歴史をもつ老舗の証券会社のネット証券会社です。
1日の取引代金が10万円以内であれば手数料が無料です。
ネットストック・ハイスピードというパソコン専用のアプリから株式のスピード注文が可能で、初心者から上級者まで幅広い用途に対応しています。

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マネックス証券

取扱い商品の数が多く、特にIPO(新規公開株)の取扱いはトップクラスで、IPOの抽選に応募したい場合には最適です。
また、米国株の取扱い数も非常に多く、米国の大手有名企業AppleやFacebookへの投資を安い手数料で行うことができます。

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楽天証券

SBI証券に続いて口座開設数でNo2の地位を占める楽天証券です。
人気ツール「MarketSpeed」によってスピードの早い取引が可能で、アクティブトレーダーからも高い評価を受けています。
取引によって楽天ポイントが貯まることも大きなメリットです。

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証券口座を複数もつことのメリット、デメリットを理解し、自身にあった運用を始めましょう

複数の証券会社の口座を持つことで多くのメリットが得られることが分かりました。
しかし、確定申告の際に手間がかかるなどのデメリットもあるため、自身の投資スタイルに合わせて判断していくことが大切です。

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