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iDeCo(イデコ)の定期預金にメリットはあるか。加入者は手数料を考慮した運用を

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iDeCo(イデコ)とは、定期預金や投資信託の金融商品を加入者自身が運用する年金制度です。定期預金は元本割れのリスクがないことや節税ができるメリットがあります。その一方で金利が低く、手数料を下回ってしまうデメリットもあります。iDeCoへの加入を検討されている方は、定期預金の特徴を理解し、バランス良い運用を心がけましょう。

イデコの定期預金について学んでいる人

iDeCo(イデコ)における定期預金

iDeCoはさまざまな金融商品の中から、加入者自身が選定し運用を行う年金制度です。その金融商品の1つに定期預金があります。ここでは、定期預金のメリットとデメリットまた注意点について解説します。

iDeCo(イデコ)の投資対象

iDeCoの金融商品は、主に元本確保型と元本変動型の2種類あります。元本確保型とは、元本割れのリスクを伴わない金融商品であり、定期預金が該当します。一方の元本変動型は元本割れのリスクを伴いますが、掛金以上に資産を増やすこともできる金融商品で、投資信託が該当します。

iDeCo(イデコ)で定期預金を選ぶメリット

iDeCoの定期預金の最大のメリットは、節税ができることです。通常の銀行預金の金利と大きく変わりませんが、iDeCoならではの節税メリットを受けられます。

掛金が所得控除

iDeCoに拠出した掛金は、所得控除を受けることができます。これは非常に大きなメリットであり、さらにiDeCoは掛金全額が所得控除の対象です。

個人年金など、所得控除を利用できる年金制度は他にもありますが、個人年金の場合は、年間の掛金が80,000円を超えると控除額が一律40,000円になります。しかし、iDeCoの場合は、控除の上限額はなく掛金を支払った分だけ全額控除対象となります。

利子が非課税

資産運用によって得た運用益には、20.315%の税金が課せられます。しかし、iDeCoは運用益が非課税というメリットがあります。この運用益には定期預金の利子も含まれます。つまり、iDeCoの定期預金で発生した利子は税金が課されません。

iDeCo(イデコ)で定期預金を選ぶデメリット

iDeCoは節税効果のある年金ですが、一方でデメリットもあります。それは、手数料と途中引き出しができないことです。

手数料

iDeCoは加入時、運用時、受け取り時に手数料が発生します。特に運用時の手数料は毎月発生するものであり、最低でも月額167円の手数料を徴収されます。

運用期間の手数料の内わけは、収納手数料、事務委託手数料、口座管理手数料となっています。特に口座管理手数料は、運営管理機関(金融機関)によって金額が変動し、無料から400円以上と大きく異なります。これらの手数料が定期預金の利子を上回ってしまうと、マイナス利益になってしまいます。

iDeCo(イデコ)って手数料が高い?口座管理手数料が無料の金融機関を比較

60歳まで引き出し不可

iDeCoに拠出した資産は、受給可能年齢の60歳になるまで引き出すことができません。さらに、加入期間中は途中解約もできません。なお、加入者が死亡した場合や障害を負った場合は例外的に引き出すことができます。その場合は、遺族もしくは加入者が請求手続きをする必要があります。

iDeCo(イデコ)を定期預金のみで運用は得策か

iDeCoの加入を検討している方で、定期預金のみの運用を考えている方も多いかもしれません。しかし、安易に定期預金に預けてしまうのはおすすめしません。金利や手数料を考慮して、定期預金にどれぐらい預けるかを検討しましょう。

金利と手数料

iDeCoの定期預金の金利は0.01%〜0.04%であり、銀行の預金と大きく変わりません。一方、手数料は月額167円程度かかります。では、以下の例をもとにiDeCoの金利と手数料を計算してみましょう。

iDeCoの定期預金に120,000円(10,000円×12ヶ月)を預けた場合、金利は12円(120,000円×0.01%)です。一方の手数料は2,004円(167円×12ヶ月)です。つまり、以下の条件の場合は手数料が利子を上回ることになります。

例)
金利  0.01%
手数料 167円
掛金  10,000円(月額)

元本変動型と併用がおすすめ

上述したように、定期預金のみ利用すると手数料が金利を上回る恐れがあります。iDeCoに加入するのであれば、元本確保型と元本変動型を併用した運用をおすすめします。

元本変動型は、元本割れのリスクを伴いますが、分散投資でバランス良く運用することでリスクを抑えることができます。定期預金のみではマイナス利益になることもあるため、元本確保型と元本変動型を組み合わせて運用しましょう。

なお、iDeCoに加入する前にシミュレーションツールでどれぐらい資産を受け取れるのか確認することができます。年収や職業、掛金に応じた内容で調べることができるので、ぜひ一度利用してみましょう。

iDeCo公式サイト シミュレーション
ろうきん 節税シミュレーター

注意点

定期預金を運用する場合は、スイッチングと年払いに注意しましょう。

スイッチング

スイッチングとは、iDeCoの資産の商品構成を変更する手続きです。スイッチングを行うことで、iDeCoの資産のバランスを保つことができます。

ただし、定期預金をスイッチングする際、初回預け入れよりも金利を低く設定されてしまいます。金利が低いと、手数料を上回ってしまい、結果マイナス利益になることもあるので注意しましょう。

年払い

2018年1月より、年単位拠出と呼ばれる年払い制度が誕生しました。この制度により、掛金の支払い制度が月払いと年払いのどちらかを選べるようになりました。

年払いを利用することで、月々の手数料を抑えることができるというメリットがあります。ただし、初回掛金の支払いが10月以降になる場合は、確定申告の手続きが必要になります。年払いを利用する方は、確定申告の手続きについても確認しましょう。

iDeCo(イデコ)で定期預金を利用するのにおすすめの金融機関

金融機関によって、取り扱っている金融商品が異なります。今回は定期預金を取り扱っている金融機関5つのをご紹介します。

イオン銀行

イオン銀行では、「イオン銀行iDeCo定期預金5年」と呼ばれる定期預金商品があります。加入者が金融商品の指定を行わなかった場合、全額「イオン銀行iDeCo定期預金5年」にて運用されます。なお、元本変動型の商品では、バランス型を中心に初心者向けのラインナップが豊富に取り揃っています。

岡三証券

岡三証券では、「三井住友信託DC固定定期5年」と呼ばれる定期預金商品があります。さらに、定期預金に加えて「明治安田利率保証年金(5年)」と呼ばれる年金商品や「ニッセイ利率保証年金(5年保証)」と呼ばれる保険商品も取り揃えており、非常に元本確保型商品のラインナップが充実しています。

SBI証券

SBI証券では、定期預金2本、年金保険2本の元本確保型商品が揃っています。また、SBI証券では元本変動型商品が60本以上と、業界トップのラインナップ数です。さらに、2018年よりセレクトプランと呼ばれる新プランも誕生し、投資信託が初めての方でも選びやすい商品が取り揃っています。

楽天証券

楽天証券では、「みずほDC定期預金」と呼ばれる定期預金商品があります。元本確保型商品は、この定期預金1本のみであり、金利は0.01%です。なお、楽天証券の商品の選び方ガイドでは、商品の特徴から運用の仕組み、リスクやリターンについて詳しく解説しているので、ぜひ一度読んでみることをおすすめします。

iDeCo(イデコ)は元本確保型と元本変動型を組み合わせましょう

今回はiDeCoの定期預金について解説しました。iDeCoには元本確保型と元本変動型の商品があり、加入者自身で選定から運用まで行わなければいけません。定期預金は元本確保型に該当し、元本割れのリスクを伴わず、利子も非課税というメリットがあります。

しかし、定期預金のみで運用すると、iDeCoの手数料が上回った際にはマイナス利益になってしまいます。元本確保型の定期預金だけでなく、元本変動型の投資信託と組み合わせて、バランス良く運用することが大事です。

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