銀行のNISA(ニーサ)・つみたてNISA口座について詳しく解説します。おすすめの銀行6行のNISA口座について、投資できる投資信託の銘柄数、手数料などを比較します。また、銀行と証券会社それぞれでNISA口座を開設した場合のメリットとデメリットも説明しますので、どっちで口座開設を行うか判断する際に活かしてください。
NISA(ニーサ)・つみたてNISAにおすすめの銀行比較
NISA(ニーサ)やつみたてNISAを利用した投資を行う際に利用したい、おすすめの銀行を比較します。比較する銀行は以下の6行です。
上述の銀行のNISA口座について、取扱商品数・手数料・口座開設・取引など様々な項目で比較します。銀行でのNISA口座開設を検討している方は、以下の情報を参考にして、銀行選びの参考にしていきましょう。
NISA(ニーサ)口座開設におすすめの銀行ランキング
NISA(ニーサ)やつみたてNISA制度を利用した投資を行う際におすすめの銀行をランキングでお伝えします。
以下の点数は、各銀行で取扱のある商品数や手数料、など様々な項目ごとに点数付けをした合計の数値となります。点数が高いほど投資家にメリットが多い、よりおすすめの銀行となります。
自身の投資スタイルと各銀行の特徴を踏まえて、NISA制度を利用した投資に最適な銀行を選びましょう。
1位.イオン銀行 20点
NISA(ニーサ)口座の開設に最もおすすめなのが、イオン銀行です。イオングループの銀行として全国各地にあるイオンの中に店舗があります。
イオン銀行のNISA口座では、250本を超える数の投資信託の取扱があります。また、つみたてNISAでは20の銘柄に対応しており、銀行のNISA口座の中で最高水準の取扱本数を誇ります。
さらに、つみたてNISA口座では、毎月1,000円から積立投資を行えるため、まとまった投資資金を用意できない方にも便利です。手数料については、買い付け手数料が最大で3.24%となっています。全国にあるイオン銀行の店舗で取引注文を約定でき、ネット・電話・スマホ注文にも対応しているため、幅広い投資家のニーズに対応しています。
2位.みずほ銀行 16.5点
イオン銀行に次いでおすすめなのが、みずほ銀行のNISA(ニーサ)口座です。みずほ銀行では、NISA口座を開設することで通常預金口座を利用する際のATM取引手数料が無料になるなどのキャンペーンがあります。
24時間365日、預金口座での取引手数料が無料になるため、非常に嬉しいポイントです。しかし、取扱投資信託の取引を行う際には最大で3.78%の購入時手数料がかかる可能性があります。
また、NISA口座から投資できる投資信託の本数は非算出となっているため、実際に利用してみないと分からない難点があります。
3位.新生銀行 15点
新生銀行のNISA(ニーサ)口座では、180本の投資信託の中から投資先を選択できます。つみたてNISA口座では6本の投資信託の取扱があり、購入時手数料は最大で3.24%と比較的安い点が特徴です。
しかし、電話注文に対応しておらず、インターネットもしくは店頭での注文しか行なえません。また、つみたてNISA口座では毎月5,000円からしか積立投資できなくなっています。
4位.三井住友信託銀行 13点
三井住友信託銀行のNISA(ニーサ)口座では、88本の投資信託の中から投資先を選択できます。つみたてNISA口座では6本の取扱があります。
投資信託の購入時にかかる可能性がある手数料が3.24%と比較的安い点も魅力のひとつです。しかし、電話注文には対応しておらず、近くに店頭がなく、相談しながら投資を判断したい方にはデメリットとなる可能性があります。
5位.三井住友銀行 10点
三井住友銀行のNISA(ニーサ)口座では、約80本の投資信託へ投資できます。つみたてNISA口座では3本しか取扱がなく、様々な銘柄の中から投資先を選択したい方には不便です。
購入時手数料については最大で3.78%がかかる可能性があります。また、ネット上のみで口座開設手続きを完了できないため、時間がかかります。
5位.ソニー銀行 10点
ソニー銀行のNISA(ニーサ)口座では、223本の投資信託に対応しています。しかし、つみたてNISA(ニーサ)に対応していません。
投資信託の購入時手数料は、最大で3.24%しかかかりませんが、ネット専業の証券会社としてインターネット注文以外の注文方法を行えないため、相談しながら投資を判断したい方には不便です。
取扱商品数
まずは、銀行ごとの取扱商品数を確認しましょう。NISA(ニーサ)口座では、つみたてNISAに比べて投資可能な商品対象が豊富ですが、銀行では株式の取引が行えないため、投資信託取引しか行なえません。
さらに、つみたてNISAについてはそもそも投資可能な商品が金融庁によって指定された162本の投資信託に限定されていますので、注意が必要です。上述の6行で取引できる投資信託の商品数を確認しましょう。
銀行名 | NISA | つみたてNISA |
イオン銀行 | 250超 | 20 |
みずほ銀行 | 100超 | 5 |
三井住友銀行 | 80超 | 3 |
三井住友信託銀行 | 88 | 6 |
ソニー銀行 | 233 | 取扱無し |
新生銀行 | 180 | 3 |
NISAでの取扱数は、イオン銀行の250超が最多で、その次にソニー銀行の229本となっています。また、つみたてNISAでは、イオン銀行以外は一桁のファンド数しか取扱がありません。
証券会社のNISA口座では、一般NISA口座では2,000本を超え、つみたてNISAでは150本の取扱がある証券会社があるのと比較すると、銀行NISA口座の投資信託の取扱数は非常に少ないと言えます。
ただし、投資信託は本数が多くても、運用実績が悪いファンド(*1)が混在している可能性があるため、一概に本数が多い金融機関が良いとは言えません。しかし、投資対象を投資家が自由に選択したい場合は、選択肢が多い方がメリットと言えます。
(*1:投資信託の一銘柄の総称です。)
手数料
次に、銀行のNISA(ニーサ)口座の投資信託の購入手数料を比較しましょう。手数料は投資の利益から差し引かれるため、投資の利益に直接影響がある非常に重要なポイントです。きちんと確認しておきましょう。
投資信託の購入手数料はファンドごとに設定されているケースが多いため、銀行ごとに手数料が明示できません。そのため、取扱ファンドの中で最大の売買手数料率を記載しています。
また、つみたてNISAについては、投資対象となる条件に「ノーロードファンドであること」があるため、購入手数料がかかることはありません。
銀行名 | 売買手数料(最大) |
イオン銀行 | 3.24% |
みずほ銀行 | 3.78% |
三井住友銀行 | 3.78% |
三井住友信託銀行 | 3.24% |
ソニー銀行 | 3.24% |
新生銀行 | 3.24% |
みずほ銀行・三井住友銀行以外の銀行では、最大で3.24%の申込手数料が、みずほ銀行と三井住友銀行では最大3.78%の購入手数料がかかる可能性があります。
購入手数料が0.54%高いと、例えば1万円を1ファンドに投資する際には5,400円の手数料が生じます。1万円の投資資金に対して5,400円の手数料差になるため、投資金額が高くなるとさらに高くなる可能性があり、非常に大きな手数料差と言えます。
ただし、上述の手数料はあくまで最大値で、投資家自身で投資ファンドを選択して投資を判断できますので、参考程度に確認しておきましょう。
口座開設
ここからは、銀行でのNISA(ニーサ)口座開設について説明します。口座開設手続きが簡単な銀行や、お得なキャンペーンが実施されている銀行を選ぶことで、投資家の負担が軽減されます。
自身の投資スタイルや、手続きが複雑ではない銀行がどこか確認して、NISA口座の開設を検討しましょう。
ネットのみでの口座開設
各銀行の公式サイトから口座開設を行えるかどうかを確認しましょう。ネット上の手続きのみで口座を開設できることで、書類作成のためにまとまった時間が
なかなか取れない方も、いつでも手続きできて非常に便利です。自身の生活スタイルと比較して、以下の情報を確認しましょう。
銀行名 | 対応 |
イオン銀行 | ◯ |
みずほ銀行 | ◯ |
三井住友銀行 | × |
三井住友信託銀行 | × |
ソニー銀行 | ◯ |
新生銀行 | ◯ |
三井住友銀行と三井住友信託銀行では、ネット上で手続きを完了できません。必ず口座開設の際に郵送での書類提出が必要になり、手間がかかります。一方で、新生銀行ではスマホアプリから写真にて本人確認書類のアップロードが可能なため、非常に便利です。
NISA口座開設には税務署審査を通過する必要があり、税務署審査は約1〜2週間の時間がかかります。そのため、できるだけ手続きにかかる時間を短縮しないと、NISA口座開設までに1ヶ月ほどの時間がかかる可能性があります。
早めにNISA口座開設を完了させたい方は、ネット上で口座開設手続きが完了する銀行の利用がおすすめです。
キャンペーン
次に、NISA(ニーサ)口座の開設や利用によって、キャンペーン特典を受け取れるかどうかで各銀行を比較します。キャンペーンは期間限定で開催されるため、上手に利用することで賢い投資に役立ちます。
以下より、各銀行が2019年3月17日時点でNISA口座に関するキャンペーンを実施しているかを確認して、金融機関選びの参考にしてください。
銀行名 | キャンペーン |
イオン銀行 | ◯ |
みずほ銀行 | ◯ |
三井住友銀行 | × |
三井住友信託銀行 | × |
ソニー銀行 | × |
新生銀行 | ◯ |
イオン銀行では、投信自動積立を購入した25歳以下の投資家を対象に、抽選で最新家電がプレゼントされるキャンペーンが実施されています。25歳未満の投資家が人数が少なく、当選確率も比較的高いため、該当する方は是非参加してみましょう。
みずほ銀行ではキャンペーン期間中につみたてNISAを申し込み、毎月1万円以上の積立を継続することで1,000円がプレゼントされるキャンペーンが開催されています。また、新生銀行では投資信託口座を開設するだけで500円を受け取れるキャンペーンが実施されています。
キャンペーンは、上手く利用することで同じ投資を他の金融機関で行う場合よりもお得に投資できる可能性があります。また、口座開設のタイミングによって利用できるキャンペーンが異なる場合や、キャンペーン対象外となる可能性があります。逐一キャンペーン情報を確認して、対象となる場合には申し込んでメリットを享受しましょう。
取引
NISA(ニーサ)口座での取引についても、銀行ごとに比較していきましょう。銀行によっては電話注文が行えないケースや、NISA口座を開設することで通常口座よりも特典を享受しながら投資を行える可能性があります。
利用できる注文方法を確認して、自身の投資スタイルに合わせて最適な金融機関選びの参考にしてください。
注文の種類
各銀行のNISA(ニーサ)口座で利用可能な注文方法を確認しましょう。対応している注文方法が豊富なことで、幅広い投資家のニーズに対応している銀行であることが分かります。また、自身が投資を行う中で様々な注文方法を利用できることで、投資経験やその時々で最適な注文方法を自由に選択できます。
銀行名 | ネット注文 | スマホ注文 | 店頭注文 | 電話注文 |
イオン銀行 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
みずほ銀行 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
三井住友銀行 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
三井住友信託銀行 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ソニー銀行 | ◯ | ◯ | × | × |
新生銀行 | ◯ | ◯ | ◯ | × |
イオン銀行やみずほ銀行、三井住友銀行など店舗を持つ銀行では基本的に店頭や電話での注文に対応していますが、ソニー銀行はネット銀行サービスを専業としているため、インターネット上で取引注文を約定する必要があります。
また、新生銀行では電話で取引注文を約定できません。コールセンターとして投資相談やサービスの利用に関する問い合わせは可能ですが、売買注文を出すことはできません。
口座優遇
次に、NISA(ニーサ)口座を利用することで、通常証券口座よりも優遇を受けられるかどうかを比較しましょう。NISA口座を利用して、非課税メリット以外に総合証券口座以上の利点がある場合は、投資家に大きなメリットとなります。
銀行名 | 優遇 | 優遇内容 |
イオン銀行 | ◯ | 購入時手数料が全額WAONポイントとして還元 |
みずほ銀行 | ◯ | 預金口座の取引手数料が24時間無料など |
三井住友銀行 | × | - |
三井住友信託銀行 | ◯ | ATM時間外出金手数料無料など |
ソニー銀行 | × | - |
新生銀行 | ◯ | 投資信託の申込手数料が無料に |
イオン銀行では、イオングループの銀行として、投資信託の購入手数料が全国のイオンで利用できるWAONポイントで還元されます。日常的にイオングループの店舗を利用する方には最適な口座優遇と言えます。
みずほ銀行では、NISA口座開設によって以下の4種類の手数料が無料になります。
- みずほ銀行・イオン銀行ATM時間外手数料
- みずほ銀行本支店振込手数料
- コンビニATM利用手数料・時間外手数料
- 他行宛振込手数料
みずほ銀行でNISAもしくはつみたてNISA口座を開設するだけでATMを24時間無料で利用でき、本支店振込手数料を無料で行えます。コンビニATMの利用手数料は月に4回まで、他行宛振込手数料は月1回の利用まで無料になります。
さらに、みずほ銀行のNISAもしくはつみたてNISA口座内に投資信託残高がある場合、上述の特典を2年間全て利用できます。また、他行宛振込手数料は月4回まで無料になり、みずほ銀行の預金口座を保有している方には非常に便利です。
新生銀行では、NISA口座から投資信託を申し込む際に希望金額を一度に申し込むと、申込手数料が無料になる「NISAプラス」というプログラムが開催されています。
情報
ここからは、投資を行う際に非常に重要な情報収集に関して、各銀行の機能を比較してみましょう。投資は情報戦とも言われ、株価に影響がありそうなニュースや情報をできるだけ早く収集することがポイントになります。
また、株価市場は世界情勢に影響を受けて変化する可能性があるため、投資情報は日本国内だけでなく世界中から収集する必要があります。利用する金融機関によっては、投資情報の収集が簡単にまとまっているケースなどがあるため、事前に情報収集の便利さを確認することが大切になります。さらに、投資に関する知識を身に着けて行きたい方には、金融機関が開催する無料セミナーや勉強会などの情報を知った上で口座開設を判断することも1つの手です。
以下では、投資や資産運用について相談できるサービス配信の有無と、セミナーの実施について各銀行の情報をまとめました。口座開設を検討する際の参考にしてみてください。
銀行名 | 投資相談 | セミナー |
イオン銀行 | ◯ | ◯ |
みずほ銀行 | ◯ | ◯ |
三井住友銀行 | ◯ | ◯ |
三井住友信託銀行 | ◯ | ◯ |
ソニー銀行 | ◯ | ◯ |
新生銀行 | ◯ | ◯ |
上述の6行では、全ての銀行で投資相談サービス、セミナーが開催されています。イオン銀行では、全国各地にあるイオンモールで定期的にセミナーが開催されており、地方の方でも近くのイオンモールに行けばセミナーに参加できて非常に便利です。みずほ銀行では、セミナーが開催されていますがほとんどが首都圏などの都市圏になるため、地方の方は参加しにくデメリットがあります。
三井住友信託銀行とソニー銀行では、相談サービスとして特に住宅ローンや相続に関する相談サービスが充実しています。新生銀行ではセミナー開催が過去にあったものの、現時点で開催予定がなく、参加の際には電話での予約が必要になります。しかし、来店での資産運用相談をWeb予約でき、さらにTポイントが貰えるサービスがあり、店頭で投資や資産運用に関して専門家に相談したい方は新生銀行の利用が最適と言えます。
つみたてNISA(ニーサ)の最低積立額と投資頻度
次に、つみたてNISA(ニーサ)口座からの投資を検討している方に役立つ、各銀行の最低積立可能額と選択できる投資頻度をご紹介します。投資頻度とは、毎月や毎週といった積立投資を行う頻度のことです。
投資頻度を投資家が自由に選択できることで、少額での分散投資を好きな頻度で行えます。積み立てたい頻度やそれに合った最低積立可能額を確認しましょう。
銀行名 | 最低積立額 | 投資頻度 |
イオン銀行 | 1,000円 | 毎月 |
みずほ銀行 | 1,000円 | 毎月 |
三井住友銀行 | 1万円 | 毎月 |
三井住友信託銀行 | 1万円 | 毎月 |
ソニー銀行 | 取扱無し | 取扱無し |
新生銀行 | 5,000円 | 毎月 |
イオン銀行とみずほ銀行では、毎月1,000円から積立投資を行えます。少額投資が可能なため、まとまった投資資金を用意できない投資家や、少額での分散投資を行いたい方には非常に嬉しいメリットです。
新生銀行では5,000円からとこちらも比較的少額から投資できますが、三井住友銀行と三井住友信託銀行では1万円からしか投資できません。少額投資を行いたい方には不向きです。
投資頻度については全6行とも毎月単位でしか積立投資できません。毎週などの頻度で積立投資したい方は銀行でのつみたてNISAの利用には不向きです。
銀行でのNISA(ニーサ)の始め方
ここからは銀行でのNISA(ニーサ)を利用した投資の始め方を説明します。上述の情報を踏まえて、銀行でのNISA口座開設を検討している方は始め方を確認しておきましょう。
NISA(ニーサ)口座を開設する
NISA(ニーサ)制度を利用して投資を行う際には、NISA専用口座を開設する必要があります。まずはNISA口座の開設手続きについて説明します。
NISA(ニーサ)口座は1人1つまで
NISA(ニーサ)口座は、投資家一人につき1口座しか開設できません。1口座とは、全ての金融機関と、つみたてNISAやジュニアNISAといったNISA制度の種類を含めた中で1口座です。
既に他の金融機関でNISA口座を開設している場合には、口座を閉じてから別の金融機関で口座開設手続きを行う必要があります。
投資信託口座を開設する
銀行でNISA(ニーサ)口座を開設するには、NISA口座を開設したい銀行に、通常の預金口座と投資信託口座を開設してから手続きを行うこととなります。まずはNISA口座を開設したい銀行で預金口座を開設しましょう。
NISA(ニーサ)口座開設の流れ
銀行によって細かい手続きは異なりますが、まずは預金口座を開設後、投資信託を取引できる投資信託口座を開設して、投資信託口座からNISA制度の利用を申請できます。
例えば、インターネットで口座開設手続きを行う場合には、投資信託口座へログインして、「NISA」メニューから手続きを行えます。店頭で直接申し込むことも可能ですので、利用したい方法で口座開設手続きを行いましょう。
NISA(ニーサ)口座での商品の買い方
ここからは、NISA(ニーサ)口座から商品を買い付ける方法をご紹介します。口座開設完了後、資産の買い付けを行わないと実際に投資を開始できません。
まずは以下の買い付け手順の流れを簡単に理解して、自身で実際に買い付ける際に役立てていきましょう。
銘柄を選ぶ
NISA(ニーサ)口座から資産買い付けを行う前に、買い付ける資産を選択する必要があります。銀行のNISA口座の場合、NISA口座で取扱のある投資信託の中から投資するファンドを選択して、買い付けを注文を出す仕組みです。
銘柄選びの際には、購入手数料や信託報酬といった運用にかかるお金や過去の運用実績を確認して判断することが大切です。
注文の流れ
投資するファンドが決定したら、NISA(ニーサ)口座から買い付け注文を出しましょう。買い付け注文の細かい流れは銀行ごとに違いますが、基本的に以下の手順で行われます。簡単に手順を知って、実際に注文してみましょう。
- 自身のNISA(ニーサ)口座へログインする
- 銘柄を検索して選択する
- 「確認」をクリック
投資信託一覧や検索メニューなどから自身が投資したいファンドを検索して、購入する数を入力します。
注文内容を確認した上で、確認ボタンをクリックして注文を完了させましょう。
ご紹介した全ての銀行で、ネット注文が可能となっていますので、上述の6行でNISA口座を開設した場合には、手順に従って注文を約定することができます。
また、店頭の場合はネットや電話で来店予約を取り付けて、銀行の方と相談しながら投資対象を選択できます。
銀行口座と証券口座の違い
ここまで、銀行のNISA(ニーサ)口座について解説しました。ここからは、証券会社のNISA口座と比較して銀行のNISA口座はどのような違いがあるのかを比較します。
様々な金融機関で口座開設が可能なNISA口座ですが、証券会社と銀行ではどっちを選択すべきなのでしょうか。以下より、銀行と証券会社それぞれの利用のメリットとデメリットを解説しますので、NISA口座開設の金融機関選びの参考にしてみてください。
銀行口座のメリット
まずは、銀行でNISA(ニーサ)制度を利用した投資を行うことのメリットを説明します。上述の情報と合わせて確認して、口座開設を検討しましょう。
投資資金の入金が楽
銀行口座でNISA(ニーサ)口座を開設した際には、預金口座とNISA口座内の資金の移動が簡単なメリットがあります。証券会社でNISA口座を開設した際には、銀行の預金口座と別で証券口座を管理して、証券口座から投資する際には投資資金を入金する必要があります。
しかし、銀行口座であれば同じ金融機関内での管理になるため、手間が減り、自身の資産を一括で管理できて非常に便利です。
使い慣れた銀行でワンストップ資産管理
銀行でNISA(ニーサ)口座を開設するメリットには、精神的ハードルが低くなることがあります。
証券口座の開設にハードルの高さを感じる投資初心者の方は、日常的に利用している銀行でのNISA口座開設であればハードルが低くなります。また、同じ金融機関であることから資産を一括管理できるため、非常に便利です。
対面で説明が聞ける
銀行のNISA(ニーサ)口座で投資を行うメリットには、直接で相談をしながら投資判断できるメリットがあります。ご紹介した6行のうち、ソニー銀行以外の銀行は店舗を持つ銀行です。そのため、店舗に訪問して銀行の方の意見を聞きながら投資を行いたい方には最適です。
証券口座のメリット
次に、証券会社でNISA(ニーサ)口座を開設した際のメリットを説明します。銀行と比較してどのような違いがあるのでしょうか。メリットを確認した上で、自身のNISA口座開設の際の参考にしていきましょう。
運用商品が豊富
証券会社のNISA(ニーサ)口座は、銀行のNISA口座に比べて取扱商品数が豊富なメリットがあります。例えば、上述の6行の中で最も投資信託の取扱数が多いイオン銀行では、250超のファンドの中から投資対象を選択できますが、大手ネット証券のSBI証券では2,590本の取扱があります。
10倍以上の数を誇り、非常に多いことが分かります。投資対象の選択肢が多いと投資家自身で自由に投資先を選択できるため、投資経験の豊富な方にはメリットと言えます。
手数料が安い
証券会社のNISA(ニーサ)口座のメリットの2点目に、手数料が安いことがあります。銀行のNISA口座では、例えばみずほ銀行の場合最大で3.78%の投資信託購入時手数料がかかります。しかし、ネット証券会社の大手、松井証券ではキャンペーンによって取扱のある投資信託全ての売買手数料が無料になります。
一取引にかかる手数料の差は小さくても、何回も取引することで結果的に多額の手数料が差し引かれる可能性があります。また、手数料は投資の利益から差し引かれるため、投資家が獲得できる利益額に直接影響があるため、非常に大きなメリットと言えます。
銀行口座のデメリット
NISA(ニーサ)口座を銀行で開設することで、上述のメリット以外に以下の2点のデメリットが発生します。自身の投資スタイルに合わせて、銀行のNISA口座のデメリットを理解した上で、NISA口座を開設する金融機関選びの参考にしていきましょう。
運用商品が少ない
銀行のNISA口座では、取扱商品が少ないデメリットがあります。銀行では、そもそも株式などの有価証券を取引することができません。そのため、NISA口座であっても投資信託にしか投資できない仕組みになっています。
さらに、銀行では証券会社に比べて取扱のある投資信託の本数についても少ない傾向にあります。証券会社のメリットと反対に、銀行のNISA口座では証券の10倍近く少ない本数にしか投資できません。様々な銘柄へ分散投資したい方にとっては、取扱商品数が少ないことで幅広い投資を行えないデメリットが生じます。
手数料が高い
銀行のNISA(ニーサ)口座のデメリットの2点目に、証券会社のNISA口座に比べて手数料が高いことがあります。上述の6行では、基本的に投資信託を購入する際にはおよそ3%の手数料がかかります。しかし、証券会社によっては投資信託の購入手数料がキャンペーンによって無料になるケースがあります。
例えば、10万円の投資信託を買った場合には、約3万円が手数料としてかかるため、手数料の安さは非常に重要なポイントです。
証券口座のデメリット
証券会社のNISA(ニーサ)口座のデメリットとして、投資初心者には銘柄選びのハードルが高いことがあります。
上述の通り、証券会社のNISA口座では、商品の取扱数が非常に多くなっています。非常に多くの候補の中から投資先を選択できて幅広い投資を実現可能な一方で、投資初心者にとってはどの銘柄へ投資して良いのかが分からないデメリットがあります。
自身の投資スタイルに合った銘柄を選択することは非常に難易度が高く、また投資の損得の結果を大きく左右するものです。そのため、数千もある銘柄の中から、投資初心者が最適な銘柄を選択することは非常に難しく、デメリットとなります。
銀行口座でNISA(ニーサ)を始めるべき人
銀行でのNISA口座開設によるメリットとデメリットを踏まえた上で、銀行でのNISA口座開設に向いている方の特徴は以下です。
- 預金と投資資産を一括管理したい方
- 投資初心者で、銘柄選びに迷ってしまう方
銀行では、通常預金口座とNISA口座内の資産を同じ金融機関で一括管理できるメリットがあります。また、取扱商品が限定されているため、銘柄選びに迷ってしまう方にはぴったりです。多くの銀行では店舗で投資相談が可能な点も、投資初心者に最適なポイントと言えます。
証券口座でNISA(ニーサ)を始めるべき人
一方で、証券会社のNISA(ニーサ)口座開設にぴったりな方は以下の特徴があります。
- 様々な商品へ投資したい方
- 手数料を抑えた投資をしたい方
証券会社のNISA口座は、銀行よりも非常に多い取扱商品数を誇り、取引時にかかる手数料も非常に安い特徴があります。そのため、豊富な取扱商品数の中から、最適な投資対象を自身で選択して投資できる投資経験者にとっては、証券会社のNISA口座は銀行のNISA口座に比べてメリットが多くなります。
コストを抑えながら幅広い金融商品へ投資したい方には証券会社でのNISA口座開設がぴったりと言えます。
自身に合った口座でNISA(ニーサ)を始めましょう
銀行のNISA(ニーサ)口座について解説しました。各銀行ごとに細かな特徴があり、利用する銀行によって投資できる投資信託の数も大きく違います。また、証券会社に比べて初心者向けの銀行のNISA口座は、預金と投資資金を一括管理できることや、銘柄選びに悩む可能性が低くなるメリットがあります。
しかし、投資経験者にとっては運用商品数が少ないことで幅広い投資を行えず、取引手数料も高い銀行のNISA口座は、デメリットが多く、利用には不向きと言えます。
自身の投資スタイルや経験に応じて銀行でのNISA口座開設を検討することが大切です。メリットとデメリットをきちんと理解した上で、銀行での口座開設を判断しましょう。