NISA口座での外国株への投資についてまとめました。
外国株の購入方法や確定申告についての注意点もお伝えします。
外国の税制が適用される外国株と、非課税の利点があるNISAの組み合わせで非常にややこしい取引ですが、きちんと理解して正しく運用、納税しましょう。
NISA口座での外国株投資
投資の利益が非課税となるNISAは、外国株へ投資することも可能です。
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NISA口座での外国株投資での課税
海外株には日本の税制が適用されないため、NISAから購入しても海外で税金を取られてしまいます。
NISA口座で外国株を購入した場合、非課税対象は国内株式の場合とどう異なるのでしょうか。
売却益
海外の税制が適用されていても、売却益については非課税の対象になります。
配当金
一方で配当金には税金が課されます。
例えば、米国株を購入し、配当金を得た場合には米国税制によって現地で10%課税され、日本では非課税となります。
為替差益
為替差益(かわせさえき)とは、外国株を売却して得られる外貨を日本円に換金したときに、為替の変動から発生する利益です。
この為替差益にも税金が課され、確定申告の対象になります。
外国株の課税率
税金のかってしまう配当金ですが、国によってかかる税率が異なります。
例)
・米国:10%
・英国:10%
・シンガポール:0%
・韓国:15%
・タイ:10%
・ドイツ:15%
国によってばらつきがあります。
一般口座ではこの税率に加えて日本の税金が約20%引かれてしまいますが、NISAを利用することで非課税になります。
手数料
NISAで外国株を購入した場合、手数料はどのようになるのでしょうか。
売買手数料
売買の際には、1取引について毎回手数料がかかってしまいます。
また、国内株式に比べて外国株の売買手数料が高い場合がほとんどです。
為替スプレッド
日本の証券口座から外国株を購入するには、円を外貨に交換する必要があります。
為替スプレッドとは、外貨と円の交換の際の差額のことです。
外貨と日本円を交換する度に、この差額分が引かれることになります。
差は、少ないほど交換の際に引かれる金額が少なくて済みます。
つまり、取引の際の一種の手数料のようなもので、スプレッドが狭いほど、投資家は有利になります。
確定申告
NISAでの投資でも、外国株については確定申告が必要となる場合があります。
ややこしい仕組みのため、最低限きちんと理解しておきましょう。
NISA口座での配当金は、控除対象外
通常の証券口座から外国株を購入した場合には、外国と日本の両方から二重で税金が取られてしまうため、日本の税金の控除を受けることが可能となっています。
しかし、NISA口座で買付した場合、外国株の配当金には外国税金がかかりますが、日本の税金はかかりません。
そのため二重課税の心配がなく、外国税金の控除は受けることができません。
為替差益がある場合
為替差益には日本の税金が課されるため、確定申告の必要がでてきます。
雑所得として扱われ、他の雑所得と合算して相殺することも可能です。
配当金で買い付けした場合
為替差益・差損がある場合、どちらの場合でも確定申告の対象になります。
配当金を円転した場合
円転とは、外貨を日本円に交換した場合のことを言います。
円転を行った場合に、為替差益があるときには確定申告が必要になります。
差損があったときは確定申告は不要です。
また、他の雑所得と合算して相殺することができます。
NISA口座での外国株投資のデメリット
NISA口座から外国株へ投資することのデメリットはあるのでしょうか。
損益通算ができない
NISA口座は基本的に非課税なため、損益通算を行うことができません。
これは、投資先が日本国内株式、外国株に関わらず不可能です。
手数料が割高
例えば、楽天証券のNISA口座では、国内株式に関する取引手数料は無料です。
一方で、米国株式の取引は代金の約0.45%、中国株式の場合には約0.5%の手数料が1回の取引ごとにかかってしまいます。
ちなみに、海外ETFについては買付手数料が全額キャッシュバックによって実質無料となっています。
従来に比べ、安くなったと言われる外国株の取引手数料ですが、まだまだ高い印象です。
外国株取引までの流れ
ここからは、実際にNISA口座から外国株を購入し、取引を行うまでの一連の流れを見て行きます。
1)NISA用外国株口座へ入金
はじめに、NISA口座から外国株の管理が可能な場所へ、外国株の購入資金(日本円)を移動します。
この移動はリアルタイムで実行されます。
2)外国株取引口座にログイン
外国株の取引は、外国株が取引されている取引サイトから行う必要があるため、専用口座へログインします。
3)為替振替
はじめに移動させた購入資金(日本円)を金額を指定して外貨に為替振替します。
4)NISA用外国株口座へ割当
外貨が外国株口座へ振り込まれていると、買付用の資金が反映されます。
5)買い付け
外貨資金が反映されているのを確認し、取引専用サイトから行うことが可能です。
外国株の取扱いが多い証券会社
証券会社によって商品の取扱い数や種類は様々ですが、商品数が多い証券会社を3つ紹介します。
SBI証券
主要ネット証券のなかで最も多い9カ国の外国株の取扱いがあります。
米国・香港などから、タイやインドネシア、マレーシアなどの株式も購入することができます。
また、海外ETFについては買付手数料が無料となるためお得です。
SBI証券を始める
参考:NISA対象商品(株式会社SBI証券公式サイト)
楽天証券
米国・中国・ASEANに加えて海外ETFの取扱いがあり、こちらも豊富なラインアップです。
買付手数料も無料になっています。
楽天証券を始める
参考:取扱商品(楽天証券株式会社公式サイト)
マネックス証券
外国株、特に米国株について高い評価を受けるマネックス証券です。
米国株については3,000銘柄以上、さらに中国株も香港市場のほぼ全銘柄を購入することができます。
最大の特徴は、日本のネット証券会社で唯一、外国株の国内取引手数料が無料になる点です。
NISAから外国株の取引を中心に行いたい場合には最適な証券会社です。
マネックス証券を始める
参考:NISAのラインナップ(マネックス証券株式会社公式サイト)
NISA口座での外国株取引のルールを理解し、正しく運用しましょう
NISAでの外国株の取引は、仕組みがややこしくなっています。
特に税金に関しては、NISA利用時でも確定申告が必要になる場合もあります。
きちんと理解してから運用を始めることが大切です。