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iDeCo(イデコ)と退職金の違いは?退職金所得控除は最大限に活用するためには

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iDeCo(イデコ)の資産を一括で受け取る場合、その資産は一時金(退職金)扱いとなります。一括受け取りでは、退職所得控除を受けることができますが、勤め先の退職金と合算した控除額となります。税金を安く抑えるためにも、iDeCoの資産の受け取りの際は、退職金を考慮しましょう。

イデコの退職金所得控除を計算している人

iDeCo(イデコ)と退職金

iDeCoで運用した資産を一括で受け取った場合、一時金扱いとなり、退職所得控除を受けることができます。ただし、この退職所得控除を利用する際、企業の退職金が多い方は注意が必要です。

iDeCo(イデコ)の受け取り方法

iDeCoの受け取り方法は、主に以下の3通りあります。ただし、資産を受け取る場合は受給開始年齢に達していることが条件です。iDeCoの受給開始年齢は60歳と定められています。

  1. 一括(一時金)受け取り
  2. 分割(年金)受け取り
  3. 両者の組み合わせ

1.一括(一時金)受け取り

iDeCoの加入者が受給開始年齢に到達した際、運用した資産を一括で受け取ることができます。一括で受け取る場合、資産は一時金扱いとなります。

また、iDeCoは受け取りの際に節税ができる年金制度であり、一括で受け取る場合は退職所得控除を利用して税金を節約することができます。

2.分割(年金)受け取り

iDeCoの資産を一括で受け取らず、数年にわたって受け取ることができます。分割で受け取る場合、資産は年金扱いとなり、公的年金等控除を受けることができます。

分割で受け取る場合、5年〜20年の期間内で受け取ることになります。また、1年での受け取り回数も1,2,4,6回から選ぶことができます。

回数 受け取り月
年1回 12月
年2回 6月 12月
年4回 3月 6月 9月 12月
年6回 2月 4月 6月 8月 10月 12月

3.両者の組み合わせ

加入者は、資産を一括と分割の両方で受け取ることもできます。受給開始年齢になった際、一定金額の資産を一括で受け取り、残りの資産を年金として分割で受け取ります。両者を組みわせることで、退職所得控除と公的年金等控除を利用することができます。

一括受け取りのメリット

iDeCoの資産を一括で受け取るメリットは、退職所得控除を受けられることが挙げられます。さらに、企業の退職金がない方は退職金代わりにもなります。

退職金代わりになる

iDeCoの資産を一括で受け取れば、企業の退職金がない方にとっての退職金代わりになります。ただし、通常の退職金とiDeCoの一時金は異なる点がいくつかあります。退職金とiDeCo(確定拠出年金)の違いは以下の通りです。

違い iDeCo(確定拠出年金) 企業の退職金
拠出 個人で拠出 企業が拠出
運用 個人 企業
受け取り金額 運用成績次第 事前に決定

退職所得控除

一括で受け取るメリットは、退職所得控除を受けられることです。退職所得控除の計算方法は以下の通りです。

iDeCoの退職所得控除
 加入期間が20年以内 40万円×加入期間
 加入期間が20年以上 800万円+70万円×(加入期間-20年)

例) 加入期間30年の場合

800万円×70万円×(30年-20年)=1,500万円(退職所得控除)

一括受け取りのデメリット

一括受け取りのデメリットは、企業の退職金が多い方にとっては税金が多くなる可能性があることです。企業の退職金があるiDeCo加入者は、企業かiDeCoの退職所得控除のどちらかを選び、控除枠は両者を合わせたものになります。

退職金にかかる税金の計算方法

実際に、iDeCoを一括で受け取った場合、退職金にかかる税金を計算してみましょう。退職金の税金は以下の手順で計算します。

  1. (退職金-退職所得控除)÷2=退職所得
  2. 退職所得×税率=退職金の税金

以下の条件の場合、退職所得は250万円になります。表Aより、支払う所得税は152,500円です。

退職金  1,000万円
一時金  1,000万円
加入期間 20年
勤続年数 30年

表A

退職所得金額 税率 控除額
〜1,949,000円 5% なし
1,950,000円〜3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円〜6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円〜8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円〜17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円〜 45% 4,796,000円

企業の退職金との兼ね合いに注意

上述したように、退職金とiDeCoの一時金を合わせた場合、支払い税金が多くなる場合があります。特に企業の退職金が多い方は、一括での受け取りの際は注意しましょう。

iDeCo(イデコ)の受取額シミュレーション

iDeCo公式や各運営管理機関では、無料のシミュレーションツールを利用することができます。年齢、年収、掛金を入力するだけで、受け取り金額や節税額を確認できるため、シミュレーションしてみましょう。

かんたん税制優遇シミュレーション(iDeCo公式サイト)

iDeCo(イデコ)の受け取りは退職金額がポイント

今回はiDeCoと退職金の関係性について解説しました。iDeCoの資産を一括で受け取った場合、資産は退職金扱いとなります。退職金の受け取りには税金が課されますが、iDeCoの場合は退職所得控除で税金を安く抑えることができます。

ただし、この退職所得控除はiDeCoだけでなく勤め先の退職金も合わせた控除額となります。退職金が多い場合は多く課税される可能性があるため、受け取り方を工夫するようにしましょう。

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