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海外FXを利用しているサラリーマンの税金の計算方法とは。FXの税金について解説

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海外FXは国内FXと異なり、総合課税を採用しています。総合課税とは、FXの収入とそのほかの所得を合わせた金額から税金が決定する制度です。そのため、サラリーマンは給料とFXの収入を合算して税金を計算しなければいけません。国内FXよりも計算方法が複雑になるため、海外FX利用者は正しい計算方法を学びましょう。

海外FXの税金の計算方法を調べている人

サラリーマンが知っておくべき海外FXと国内FXの税金

FXで利益が発生した場合、所得税や住民税などの税金が徴収されます。FXの税金は、海外FXと国内FXで税制度が異なり、それぞれ税率や税金の計算方法も違います。

総合課税と申告分離課税

海外FXの税制度は、総合課税です。総合課税は、FXの収入とFX以外の収入を合算し、税金を算出する方法です。つまり、サラリーマンで海外FX口座を保有している場合は、給与とFXの収入を併せて税金が決定します。一方、国内FXは申告分離課税です。申告分離課税は、FXの収入単体で税金を算出します。

税率

海外FXと国内FXの税率はそれぞれ異なります。海外FXの税率は、以下のように収入に応じて税率が引き上げられます。一方、国内FXは収入に関わらず、一律20.315%(所得税20%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率です。

課税所得 税率 控除額
〜195万円 5% 0円
195〜330万円 10% 97,500円
330〜695万円 20% 427,500円
695〜900万円 23% 636,000円
900〜1,800万円 33% 1,536,000円
1,800〜4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円〜 45% 4,796,000円

サラリーマンのFXにおける税金計算例

海外FXは、FX以外の収入も考慮しないといけないため、国内FXと比べて計算が複雑になります。特にサラリーマンの方で海外FXを利用している場合は、税金の計算の際に注意が必要です。

海外FXにおける課税所得の考え方

先ほど、海外FXの税率は課税所得で異なると解説しました。サラリーマンの場合、勤め先の給料(年収)とFXの収入を合算した金額が課税所得になります。なお、合算する給料は源泉徴収後の給料を指します。海外FXの税金を計算する場合は、必ず勤め先の給料を考慮しましょう。

給料500万円でFXの収入が150万円の場合

では、実際に税金を計算してみましょう。なお、こちらでは、控除や経費は考慮せず計算しています。

国内FXの場合

国内FXでは、FXの収入のみ税率をかけます。つまり、FXの収入が150万円の場合、支払う税金は304,725円です。

例)
・所得税、住民税、復興特別所得税
1,500,000円×20.315%=304,725円

海外FXの場合

海外FXでは、給料とFXの収入を合算した金額に税率をかけます。つまり、給料500万円、FXの収入が150万円の場合、支払う税金は890,822円です。

例)
・所得税、住民税
(5,000,000円+1,500,000円)×20%-427,500円=872,500円

・復興特別所得税
872,500円×2.1%=18,322円

含み益の税金は?

FXの課税対象は、確定した利益です。そのため、含み益は課税対象となりません。なお、課税される利益は、為替差益とスワップポイントです。

海外FXにおけるサラリーマンの確定申告

FXで発生した税金は、確定申告で申告し、納税する必要があります。株式投資のように、源泉徴収で税金を支払うことはできません。なぜ、FXの税金は源泉徴収で支払うことができないのでしょうか?

源泉徴収と確定申告

株式投資の税金を源泉徴収で支払うことができる理由は、特定口座を開設できるからです。株式投資の口座を開設する際、一般口座もしくは特定口座を開設しますが、源泉徴収ありの特定口座を開設した場合、源泉徴収にて納税することができます。そのため、投資家本人が納税手続きをする必要がありません。

しかし、FXでは特定口座を開設することはできません。租税特別措置法の特定口座制度にて、FXの特定口座開設が認められていないためです。そのため、FXの税金は源泉徴収ではなく、確定申告で納税しなければいけません。

参考:No.1476 特定口座制度(国税庁公式サイト)

確定申告のポイント

確定申告は、ただ納税するためだけの手続きではありません。FXの税金対策においても、確定申告をすることは非常に重要です。

経費が計上できる

FXの費用は、経費として利益から差し引くことができます。例えば、国内FXにおいて、FXの収入が150万円、経費が20万円だった場合、支払う税金は264,095円です。経費がない場合と比べて40,630円も節約でき、経費が多ければ多いほど、税金を安く抑えることができます。ただし、経費を計上するためには、確定申告で申告する必要があります。

例)
(1,500,000円-200,000円)×20.315%=264,095円

繰越損失

繰越損失とは、損失を翌年に繰り越し、翌年の税金を安く抑えることができる制度です。例えば、国内FXにおいて、FXの収入が150万円、前年の損失が40万円だった場合、今年度支払う税金は223,465円です。ただし、繰越損失は確定申告で申告しなければ利用することができません。つまり、前年に損失が発生した場合でも、確定申告を行なっていなければ損失を繰り越すことができないのです。

しかし、海外FXでは繰越損失を利用することができません。繰越損失が適用されるのは、国内FXに限られます。

例)
(1,500,000円-400,000円)×20.315%=223,465円

確定申告に必要な書類

確定申告では、以下の書類が必要です。年間取引報告書は、利用しているFX会社から郵送もしくはダウンロードで受け取ることができます。また、繰越損失を申告する場合は、以下の書類に加えて申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)も必要です。

  • 確定申告書
  • 申告書第三表
  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
  • 源泉徴収票
  • 年間取引報告書
  • 申告漏れは脱税になる可能性も

    確定申告は、毎年2月16日から3月15日の1ヶ月間で行います。この期間内に申告をしなかった、もしくは申告漏れがあった場合、脱税行為とみなされる可能性があります。脱税とみなされると、無申告税や重課税、さらに最悪の場合、逮捕される場合もあります。必ず確定申告期間内に、適切な金額を申告しましょう。

    海外FXを利用している方は計算に注意しましょう

    今回はサラリーマンの海外FXの税金について解説しました。海外FXでは、総合課税を採用しており、FXの収入と給料などのそのほかの所得を合算して税金を計算します。国内FXと税率や税金の計算方法が異なるため、海外FXの利用しているサラリーマンの方は注意しましょう。

    なお、海外FXの課税対象者は日本国内居住者です。国内に在住している限り、海外FXを利用している場合でも、日本の税務署に納税する義務があります。FXで利益が発生した場合は、必ず確定申告にて申告し、税金を納めましょう。

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