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NISA(ニーサ)と税金控除の仕組みを解説。年末調整や確定申告は必要?

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NISAやiDeCoと税金控除の仕組みに関する情報をまとめました。非課税メリットを享受することができる、投資家にとって非常に魅力的な税制優遇制度を利用することで、どのようなお金が非課税対象となるのでしょうか。さらに年末調整や確定申告といった税金の手続きについても初心者でも分かるように解説します。NISAと税金控除の関係性をきちんと理解して適切な資産運用を行っていきましょう。

NISAの税金控除手続きを行うひとの画像

NISA(ニーサ)、iDeCo(イデコ)は所得等控除に役立つのか

2001年から施行された私的年金を形成するためのiDeCo(*1)や、2014年から始まった運用益が非課税となるNISAは税制優遇制度として多くの国民(*2)が利用することができます。非課税のメリットを利用することで効率的な資産運用が行える非常に魅力的な制度ですが、実際の運用時、所得税控除に貢献してくれるのでしょうか。NISAとiDeCoの両方についてメリットや税金控除の対象などを解説します。これらの優遇を活用して運用を行っていく際の参考にしてください。

(*1:専用口座から積み立てたお金で指定した金融商品を運用して私的に年金を形成する制度で、個人型確定拠出年金と言われます。)
(*2:満20歳以上の日本に在住する男女であれば基本的に利用可能です。)

参考:iDeCoってなに?[iDeCo公式サイト]

NISA、iDeCoの最大のメリット

NISA・iDeCoともに制度利用して資産運用を行った場合に、「運用益が非課税」となるメリットがあります。現在の税制では投資の利益に対して20.315%(*1)の税金がかかりますが、NISAやiDeCoを活用することでこの税金が控除されます。

(*1:所得税15.315%、住民税5%。)

参考:NISAとは?[金融庁公式サイト]

所得控除の対象になるのは?

NISAやiDeCoは運用益が非課税となる制度ですが、具体的にはどのような利益や投資に関するお金が税金控除の対象となるのでしょうか。両制度のそれぞれの非課税対象を説明していきます。

  • NISA
  • NISAでは、株式や投資信託等への投資から生じる配当金・分配金や譲渡益などの運用益が非課税対象となりますが、これらの利益は一定の投資上限額以内で行った投資から発生したものに限られます。また、積立NISAではそもそも限定された投資信託だけが運用可能なため、投資信託の運用益が非課税対象となります。

  • iDeCo
  • iDeCoでは、掛金として毎月定額を積み立てて資産運用を行っていきますが、この掛金が全て税金控除の対象となります。掛金全額が課税所得額から引かれることで、所得税・住民税が課税されません。例えば、毎月の掛金が1万円であった場合、20.315%(*1)の税金がかからなくなり、1年で24,378円分(*2)お得に運用を行うことができます。
    また、掛金のほかにiDeCoを使用して運用を行った際の利益と制度内で積み立てた資産の受給時に所得控除(*3)を受けることが可能です。

    (*1:所得税15.315%、住民税5%。)
    (*2:年間の掛金12万円×税率20315%=24,378円)
    (*3:60歳の受給年齢に到達し、積み立てた年金を一時金で受給する場合は「退職所得控除」、年金として受給する場合は「公的年金等控除」の適用を受けることができます。)

    参考:NISAの概要[金融庁公式サイト]
    参考:iDeCoってなに?[iDeCo公式サイト]

    損失が出た時の損益通算

    複数証券口座の利益・損失を合算して、その年に生じた損失を相殺することができる「損益通算」は、NISA・iDeCoの両制度とも行うことができません。投資にリスクは付き物と言われますが、非課税という税制優遇を受けつつ資産運用を行う代わりに損失が発生した際にはそのまま赤字となるリスクがあります。

    損失が出たときの繰越控除

    損失が発生した場合、通常証券口座では「繰越控除」によってその年の損失を翌年に繰り越すことができますが、この方法もNISA・iDeCoの両制度では行うことができません。

    NISAとiDeCoのどちらも損益通算や繰越控除が行えないため、制度からの資産運用から損失が出た場合の節税メリットはありません。

    確定申告による年末調整は必要?

    確定申告とは、課税負担を軽減することを目的に年間(*1)の投資利益に対する所得税を自ら計算し支払う手続きを指します。NISAとiDeCoの非課税対象や特徴から、年末に確定申告手続きを行う必要があるのかどうか解説します。自身の投資の収益額も影響して確定申告必要の有無が変わります。確定申告が必要な投資家に該当した場合には期間内にきちんと手続きを行っていきましょう。

  • NISA
  • NISAでは、運用益が全て非課税となるため、確定申告は必要ありません。確定申告は課税対象となるお金を投資家自身が合算して国に申告することで、多方から源泉徴収される場合に比べて税額の負担を軽くするための仕組みであるため、そもそも税金がかかっていないNISAでは確定申告するお金がありません。

  • iDeCo
  • 一方のiDeCoでは、非課税対象である掛金の金額を申告することで税金負担を軽減することが可能です。通常の会社員(*2)であれば年末調整の際に掛金額を記入するだけで税金控除を受けることができます。しかし、年末調整にて申告し忘れた場合や書類不備などがあった場合には確定申告が必要になります。また、他副業にて一定条件(*3)を超えた収入がある会社員も確定申告を行う必要がありますので自身の年間の収益源をまずはきちんと把握しておくことが大切です。

    (*1:1月1日〜12月31日の期間を指します。)
    (*2:企業によっては掛金を給料より天引きとしてくれる場合もあり、この場合は年末調整も確定申告も行う必要はありません。)
    (*3:国税庁公式サイトにて条件が記載されています。投資利益が多い場合は確認しておきましょう。)

    参考:給与所得者で確定申告が必要な人[国税庁公式サイト]

    非課税商品と控除の関係を理解し、適切に運用をしていきましょう

    NISAとiDeCoの税金控除に関する情報を解説しました。税制優遇制度を活用して非課税メリットを享受することでお得に運用を行える一方で、それぞれの制度の特徴や非課税となる対象によって注意すべき点も異なってきます。iDeCoで年末調整や確定申告を忘れてしまうとせっかくの税金控除が適用されない可能性や、両制度の運用時の損失に対する節税メリットがないなど、デメリットも少なくありません。税金控除の対象と仕組みをきちんと理解したうえで賢く活用してよりよい資産運用を行っていきましょう。

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