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火災保険の選び方を7ステップで解説!戸建とマンションの補償額や加入方法も

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戸建やマンションなどのマイホームを購入し、火災保険の加入をご検討の方に、火災保険の選び方から申し込みまでを、ステップ形式で分かりやすくお伝えします。また、補償内容の詳しい解説、補償金額や補償範囲の設定方法や、構造階級の確認方法など、火災保険を選ぶうえで必要な情報を詳しく解説します。無駄な保険料を支払ってしまったり、いざという時に必要な補償を受けられない事態にならぬよう、選び方をきちんと学び、自身にぴったりの火災保険に加入しましょう。

火災保険の選び方を解説するイメージ

火災保険とは

火災保険とは、住む家に安心して暮らせるよう守ってくれる、とても大切な保険です。一戸建てやマンション、賃貸でも、補償の対象になります。火災時のみならず、風災や水害、爆発、盗難など、選ぶ補償の設定によって、住まいにまつわるリスクを幅広く補償してくれる保険です。

火災保険の選び方のステップは?

火災保険の選び方が分からず、火災保険についてのブログを、参考にする方もいらっしゃるようですが、以下の7つのステップを押さえておけば簡単です。

  1. 必要な補償対象を確認する
  2. 建物の構造階級を確認する
  3. 補償の範囲を決める
  4. 建物と家財の補償の金額を決める
  5. 保険の期間を決める
  6. 地震保険の有無を決める
  7. 一括見積する

持ち家の場合は、賃貸での補償範囲の設定とは大きく異なります。また、持ち家の中でも、マンションか、戸建かでも保険料が変わります。

それでは、知っておくべきポイントをお伝えしながら、保険の選び方をステップ形式で分かりやすく解説します。

1.必要な補償対象を確認する

ステップ1つ目は、必要な補償対象の確認です。

補償対象は、「建物」「家財」「建物と家財」の3つから、補償の範囲を設定します。具体的に何を指すのかを以下で分かりやすく説明します。

火災保険で対象となる3種類

持ち家(マンションや一戸建て)の場合は、この3種類から補償の範囲を設定します。

  • 建物
  • 家財
  • 建物+家財

「台風の時、床上浸水だけでなく、大切なTVも水没して故障してしまった」「高額な家財が盗難に遭った」など、住まいに対するリスクは多岐に及びます。被害に遭った時に必要な補償を受けられる様、補償対象をしっかり検討しましょう。

保険の対象をどれにすれば良いかを迷ったときには、保険会社から送られる見積書を見て、保険の対象物と保険料の兼ね合いを見つつ、決めていくのも良いでしょう。

建物・家財とは

「建物」は建物に付帯して動かせないものです。「家財」は動かせるものを指します。ここでは、建物と家財、それぞれどのようなものを指すのかを、具体的にお伝えします。

下の表は、一般的に定義されている「建物」と「家財」に分類しています。ただ、各保険会社で定義の詳細が異なる場合がありますので、契約時は必ず確認してください。

  • 建物
  • 門・塀 基礎部分 物置
    車庫 浴槽 便器
    アンテナ ガスレンジ 床暖房
  • 家財
  • テレビ パソコン 家具
    洗濯機 冷蔵庫 カーテン
    洋服 生活雑貨 現金

2.建物の構造階級を確認する

ステップの2つ目は、建物の構造階級の確認です。

保険料を決めるには、住まいの構造階級の確認が必要です。理由は、住まいの主要部が何でできているのかで保険料が変わるためです。

ここでは、具体的な構造階級の説明と、階級構造の確認方法についてお伝えしますので、構造階級を確認する際の、参考にしてください。

構造階級とは

構造階級とは、建物の災害リスクの大小を示すための指標です。

住宅物件の場合、「M構造」(マンション構造)、「T構造」(耐火構造)、「H構造」(非耐火構造)に分けることができます。

以下の表は、構造別の耐火性の強さと保険料の高さを表しています。

構造 内容 耐火性 保険料
M構造 マンション構造
T構造 耐火構造(鉄骨造住宅など)
H構造 非耐火構造(木造住宅など)

耐火性が強ければ保険料は安くなり、逆に、耐火性が弱いと保険料は高くなります。このような指標を基に、耐火性や保険料についての目安をつけます。

階級構造の確認方法

建物の階級構造を判定するには、以下のポイントを確認しましょう。階級構造は保険料を算出するうえで、必要な項目です。

  • 共同住宅(長屋を除く集合住宅)かどうか
  • 建物の柱が「鉄筋コンクリート(RC)造」「鉄骨(S)造」「木造」など、どれに該当するのか
  • 建物全体が「耐火建築物」「準耐火建築物」「省令準耐火建物」かどうか

自身での判定が難しい場合は、建物の仕様書に記載している場合もあります。施工メーカーなどに問い合わせ、しっかりと確認しておきましょう。

3.補償の範囲を決める

ステップの3つ目は、補償の範囲の設定です。

火災保険の多くは、補償範囲を必要に合わせてカスタマイズできます。火災保険は、火災だけでなく、台風や水害などの自然災害による損害や、盗難や破損など、日々の暮らしで起こりうる損害も補償できます。

補償範囲を広げれば、その分保険料は高くなり、補償範囲を狭めれば、その分保険料を抑えられます。火災保険の補償内容および補償範囲を理解し、自身にとって必要な補償を、無駄なく選びましょう。

具体的な補償の内容は?

それでは、補償内容を具体的に見ていきましょう。補償内容は、「メインの補償」と「オプションの補償」に分けられます。

メインの補償は、火災保険に加入したら必ず付いてくる基本の補償です。一方、オプションの補償は、単体で契約を結ぶことはできません。付けるかどうかは任意となっていますが、自身の生活環境を踏まえ、必要なオプションは付けた方が安心です。

以下の表で、「メインの補償」と「オプションの補償」の一般的な補償内容を記載します。メインとオプションの区分けや補償内容は、各保険会社によって異なる場合もありますので、契約時は必ず確認をしましょう。

メインの補償

補償範囲 補償内容
火災 失火やもらい火、放火などによる火災の損害を補償します。
落雷 落雷による、屋根の破損や、電化製品の故障などを補償します。
破裂・爆発 ガス漏れなどによる破裂・爆発の損害を補償します。
水災 台風や豪雨等による洪水などの水災の損害を補償します。(地震による津波や液状化によるものは除きます。)
風災・雹(ひょう)災・雪災 暴風による屋根の破損、雹による窓ガラスの破損、雪崩による家屋の倒壊、などを補償します。

オプションの補償

補償範囲 補償内容
建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 自動車の飛び込みなどによる損害を補償します。
水漏れ 給排水設備の事故や、他人の部屋で生じた漏水に伴う、水ぬれ損害を補償します。
騒擾(そうじょう)・暴力行為 集団行動などに伴う、暴力行為・破壊行為による損害を補償します。
盗難による盗取・損傷・汚損 盗品の被害、盗難による損傷・汚損などの損害を補償します。
突発的な事故(破損・汚損) 誤って自宅の壁や家具を壊した場合などの、偶然に起こった事故による損害を補償します。

各補償の事故例

ここでは、各補償に対する事故の具体例を記載します。

災害は頻繁に起こるわけではありませんが、具体例も参考に、自身の住まいや住んでいる地域の環境と照らし合わせて、補償内容を設定してください。

  • 火災による損害
  • ・火災により、建物が焼失した。
    ・隣家火災のもらい火で自宅が焼失した。
    ・ガス爆発により、自宅が損壊した。

  • 落雷による損害
  • ・落雷によって屋根に穴が空いた。
    ・落雷による過電流で、電化製品がショートし、故障した。

  • 水災による損害
  • ・大雨により洪水が発生し、床上浸水してしまい、建物や家財が損害を受けた。
    ・集中豪雨で、土砂崩れが起き、建物が全損になった。

  • 風災、雹(ひょう)災、雪災による損害
  • ・突風で、屋根瓦が飛ばされた。
    ・台風で窓ガラスが割れ、降り込んだ雨で建物や家財が損害を受けた。
    ・雹が降り、建物の外壁や屋根が損壊した。
    ・降雪の重みで、軒屋根が崩れた。

  • 日常災害リスクによる損害
  • ・2階の排水管からの水漏れにより、床、壁、家財が水浸しになった。
    ・盗難被害に遭い、ドアが壊されたり、部屋にあった現金が盗取された。
    ・近所で発生したデモ活動により、外壁が壊された。

  • その他の突発的な事故による損害
  • ・大掃除中に、机をテレビにぶつけてしまい、壊してしまった。
    ・子供が物を投げて、窓ガラスを割ってしまった。

4.建物と家財の補償の金額を決める

ステップの4つ目は、建物と家財の補償金額の設定です。

火災保険の設定は、新築か中古か、また新価か時価かの設定で金額に違いがあります。まずは自身の住まいの評価額を算出し、その後、新価、または時価の、どちらで設定するのかを決めます。

評価の流れ

保険料を決定するうえで、「建物の評価額」を算出することが必要です。新築の場合と中古の場合では、補償額を決めるための、評価の方法が異なります。

  • 新築の場合
  • 新築の場合は、建築価値による評価で金額を算出します。

  • 新築以外の物件の場合
  • ⑴建築年数・建築時の建築価値が分かっている場合の算出方法:再調達価額 = 建築価額 × 価格変動率(建築費倍率)
    ⑵建築年数・建築時の建築価値が分かっていない場合の算出方法:再調達価額 = 新築費単価 × 延床面積

参考:保険金額の設定方法(日本損害保険協会)

保険金額の設定方法

火災保険の保険金額の設定は、建物や家財の価値を金銭的に評価した数値(保険価額)をもとに算出します。価額には「新価」「時価」の2つの考え方があります。

  • 新価
  • 同等の物を建築したり購入する場合に必要な金額

  • 時価
  • 新価から、時間経過による価値の減少と、使用による消耗分をマイナスした現在の金額

火災等で建物や家財を失った時点で、自己負担なしで、同等の物を新たに建築、購入ができるよう、新価をベースに保険料を設定する方法が主流です。保険料は、時価をベースに設定するよりも割高になりますが、万が一を考えると新価での設定が安心です。

注意点は、火災保険の補償の上限額が新価になっていることです。火災保険を多く掛けても、建物の価値を超える保険金は支払われません。例えば、1,000万円の建物に対し、補償額を1,300万円掛けていても、1,000万円を超える保険金は支払われません。

5.保険の期間を決める

ステップの5つ目は、保険の期間の設定です。
火災保険の保険期間は、基本的に1年〜10年までの間で設定します。火災保険の種類によっては、期間を長く設定すればするほど割引を受けられるものもあります。

火災保険で長期契約をする場合、以下の3つの支払い方法があります。

  1. 長期払い(毎月保険料を払う方法)
  2. 長期年払い(毎年1回まとめて保険料を払う方法)
  3. 長期一括払い(すべての保険料を一括して払う方法)

ここでのポイントは、長期年払いや、長期一括払いなど、保険料をまとまった金額で一気に支払うと、保険料の割引きが適応される場合もあります。一度の支払い金額は大きくなりますが、長期的に見てコストを抑えることが可能です。家計と相談し、無理のない範囲で支払い方法を検討しましょう。

ただ、全ての保険会社に、保険期間と保険料払込期間に対する、割引サービスがあるとは限らないので、加入前に確認しておきましょう。

6.地震保険の有無を決める

ステップの6つ目は、地震保険の有無の設定です。

地震保険とは、地震、噴火、またそれによる津波を原因とする、火災、損壊、埋没、流失、による損害を補償する保険です。

火災保険は、地震・噴火・津波による損害の補償は対象外です。地震の多い日本では、地震保険に加入すれば、より安心ですが、地震保険は火災保険に付帯して加入する仕組みになっており、単独で加入することができません。

また以下の設定のルールがあります。

範囲 火災保険の保険金額の30%〜50%
上限額 建物:5,000万円、家財:1,000万円

また、実際に支払われる保険金額は、全損の場合や大半損の場合など、損害状況に応じて定められています。具体的な基準は、以下の財務省の、保険料の支払い規定を参考にしてください。

参考:保険料の支払いについて(財務省)

7.一括見積する

ステップの7つ目は、一括見積もりです。保険会社に一括見積もりを行えば、一度に比較でき、自身に合ったプランを選びやすくなります。火災保険の保険料は補償内容や物件構造、保険期間、補償額によって変わります。自身に合った価格と補償内容を見つけるには、実際に見積もりを取って比較するのがベストです。

火災保険の申し込み方法

見積もりを取り、自身に合う保険会社を絞ることができたら、早速申し込みの手続きをしましょう。

火災保険の商品は、内容が複雑です。一括見積もりで保険会社とある程度の補償内容が決まったら、その後、保険会社と直接電話で補償内容の説明や確認をするのが一般的です。

契約内容が決まったら、申込書類が郵送されます。申し込みの際に必要な書類がありますので、以下で解説します。申し込みがスムーズに行える様、しっかり準備しておきましよう。

必要書類を用意する

火災保険の申し込みに必要な書類を準備しましょう。必要書類は、一戸建てとマンションで揃える内容が異なります。以下でそれぞれの必要書類について記載しますので、自身の住まいに合わせて用意してください。
必要な情報は建物の「新築年月」「構造(柱の種類)」「床面積」「所在地」を確認できるものです。

1つの書類で情報を全て網羅することは難しく、資料によって記載の内容も違います。事前に、見積もりの依頼をする保険会社に、必要な書類の内容を確認しておくと安心です。

建築中や建築直後の場合は、発行できない書類もありますので、引き渡しのタイミングに合うように早めに加入手続きを完了してください。

一戸建ての場合

一戸建ての場合、一般的に以下のような書類を用意します。

  • 建築確認申請書(第1面~第5面)
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 建築住宅性能評価書
  • 全部事項証明書
  • 物件の仕様書・図面

自身で準備することが難しい書類などは、建築会社やハウスメーカーで用意できるかを、確認しましょう。

なお、火災保険に合せて、地震保険に加入する場合は以下のいずれかの書類が必要です。

  • 建築年数
  • 耐震等級
  • 免振建築物
  • 耐震診断

マンションの場合

マンションの場合、一般的に以下のような書類を用意します。

  • 重要事項説明書
  • 全部事項証明書
  • 売買契約書

マンションのパンフレットなども参考資料になるので、新築で購入した場合は、保管しておくことが望ましいです。

なお、火災保険に合せて、地震保険に加入する場合は、一戸建ての場合と同様に、以下のいずれかの書類が必要です。

  • 建築年数
  • 耐震等級
  • 免振建築物
  • 耐震診断

捺印後郵送

保険会社と契約内容が決まったら、保険会社の申込書、パンフレット、重要事項説明書などが郵送されます。

郵送された申込書の内容に、間違いがないか確認しましょう。その後、必要事項を記入、捺印し、保険会社に返送します。

保険料を支払う

一般的には以下の4種類の支払い方法がありますので、自身の都合に合わせて選べます。保険会社や商品によって支払い方法が異なりますので契約の際は確認が必要です。

  • 銀行振込(申込書に必要項目を記入、捺印し、火災保険申込書と一緒に返送します。)
  • コンビニ払い
  • 口座振替
  • クレジットカード払い(クレジットカード利用申込書に必要項目を記入し、火災保険申込書と一緒に返送します。)

自身に必要な保険を選びましょう

ここでは、火災保険の選び方をステップ形式で分かりやすく解説しました。火災保険は、火災の補償のみならず、水害や風災などの自然災害や、盗難や水漏れなど日常生活で起こりうるリスクも補償してくれる大切な保険です。

保険のことをよく調べず加入してしまうと、必要のない補償を付けてしまい、無駄な保険料を支払う可能性もありえます。

安心した暮らしを送るために、自身にとって適切な保険金額はどの程度なのか、また、住まいを取り巻くリスクに、対応する補償になっているのか、などををよく考え、自身にぴったりの火災保険選びをしましょう。

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