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NISA(ニーサ)はデイトレに向かない?デメリットとスイングトレードの場合も解説

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NISA(ニーサ)は、デイトレという投資方法を用いての資産運用は向かないと言われていますが、これはなぜなのでしょうか。NISAにてデイトレを行うことで生じる投資家のデメリットを、NISA制度の特徴とデイトレの性格から解説していきます。NISAでデイトレを行うことのメリットも説明します。運用益が非課税対象となるNISAを使用する際に自身に合った投資方法を選択して、効率的に活用していきましょう。

NISAにてデイトレを行うひとの画像

NISA(ニーサ)でデイトレは適切な選択なのか

「デイトレ」とは「デイトレード」の略称で、1日(day)の値動きを利用してその日のうちに売買(trade)を繰り返し行う投資の方法です。1日のうちに何度も売買取引を行うことで、長期投資で数日かかる利益率をその日中にあげることができるなどのメリットがあります。一方のNISA(ニーサ)は2014年1月から施行された税制優遇制度で、NISA口座から資産運用を行うことで非課税メリットの適用を受けることができます。

ここからは、NISAとデイトレードの相性を解説していきます。NISA口座にて資産運用を行う前に確認して、適切な判断ができるようにしておきましょう。

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NISA口座での取引は、デイトレには向かない

NISA口座では、デイトレは向かないとして一般的に多くのデイトレーダーはNISA口座を利用して投資を行わない方が多いです。また、デイトレよりも長く、長期投資より短い期間で行われる「スイングトレード」(*1)も同様にNISAとの相性が悪いと言われています。NISAの非課税枠とデメリットである「損益通算」によって、デイトレを行うことで投資家にとってデメリットとなり得る点を解説してきます。

(*1:数日から数週間の期間で行われます。)

非課税枠

NISAには、「非課税枠」として1年間で非課税適用の対象となる投資可能な上限額がNISAの種類ごとに設定されています。(*1)

  • NISA(一般NISA):年間120万円
  • ジュニアNISA:年間60万円
  • この非課税枠は年間で1度しか使用することができず、1度非課税枠を使用して資産を購入したあとで資産を売却した場合でも売却資産分の非課税枠が復活することはありません。そのため、1日のなかで複数回の売買取引のあるデイトレを行うと、非課税枠を大量に消費してしまうことになり、年間の非課税枠が1日で大幅に減ることになります。

    (*1:積立NISAでは、金融庁指定の投資信託のみが投資対象なため、そもそもデイトレを行うことができません。)

    参考:NISAの概要[金融庁公式サイト]
    参考:ジュニアNISAの概要[金融庁公式サイト]

    損益通算ができない

    NISAやジュニアNISAでは、資産運用によって生じた損失を相殺する制度である損益通算(*1)を行うことができません。NISAでは損失発生時の節税メリットがなく、発生したマイナスは全て投資家の負担となります。そのため、デイトレのようなハイリスク・ハイリターンの投資方法を行うことで、大きな損失が出た場合に投資家がそのマイナスを全て負担することになります。

    (*1:複数証券口座の利益と損失を合算して、損失を相殺することができる仕組みです。)

    参考:NISAのデメリット[金融庁公式サイト]

    メリットを考えると

    NISAを利用しての資産運用をデイトレの投資方法で行うことで、上述のようなデメリットがある一方で、NISAでデイトレを行うことのメリットもあります。運用益が非課税となるNISAの特徴を上手く活用することで、大きな利益となる可能性もあります。以下を参考にして、自身の資産運用の際に役立てていきましょう。

    非課税枠を最大限活用

    デイトレは、1日で複数回売買を行うことで「NISAの非課税枠を使い切ってしまう」というデメリットがあるのに対し、数日から数週間で取引する「スイングトレード」では、1度しか使えない非課税枠の特徴を生かして効率的に使い切ることができるというメリットがあります。非課税枠は1度しか使用することができないため、例えば1回の投資で10万円の投資資金を用意して定期的に売買取引を年間で12回に分けて行うことで、年間非課税枠を全て消費することができます。(*1)この方法を採ることで、非課税枠を最大限有効活用することができます。

    (*1:1回10万円×12回=120万円)

    手数料が無料の証券会社

    株式売買取引は、基本的に1取引の度に手数料がかかります。これは売り・買いそれぞれの取引を1回行うごとに引かれる手数料で、1度の手数料が高くなくてもデイトレのように取引回数が増えることで結果的に大きな金額となってしまいます。NISA口座から行う株式売買の際の手数料が無料となる証券会社もあるため、そのような証券会社を選んでNISA口座を開設することで、できるだけ投資コストを下げることができます。証券会社によって手数料無料も適用範囲が異なりますので、各証券会社の情報をきちんと確認しておきましょう。

    例)NISA口座での国内株式売買手数料が無料な証券会社:SBI証券・楽天証券など

    参考:NISA口座の手数料[SBI証券公式サイト]
    参考:一般NISAの手数料[楽天証券公式サイト]

    NISA(ニーサ)でデイトレのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に応じて投資判断をしていきましょう

    非課税メリットのあるNISA(ニーサ)では、非課税適用を受けることのできる投資上限額が定められており、1度しか使うことができません。また、取引頻度の高いデイトレは、1日で非常に大きな利益を上げられる可能性がある一方で大きなリスクも秘めており、投資家の磁力が試される投資方法です。税制優遇制度であるNISAを利用してデイトレを行うことでメリットとなることもありますが、1年間の非課税枠があっという間に無くなってしまうなど投資家の負担となってしまう可能性も少なくありません。自身の投資スタイルや資産状況に合わせて最適な投資方法を採っていきましょう。

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